横浜市のカジノを含むIR誘致について賛成or反対? 街頭アンケートで111人に聞いてみた!
ココがキニナル!
山下ふ頭へのカジノ施設を含むIR誘致に対しては、約6割の市民が反対という世論調査の結果が出ています。ぜひ実際の市民の声をレポートして下さい(マリンタワーさん他)
はまれぽ調査結果!
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致の街頭アンケートについて、111人が回答。賛成は3割で反対が7割だった。賛成理由は「経済活性化や雇用創出につながる」、反対理由は「治安や生活環境の悪化」が多い
ライター:池田 恵美子
横浜市民の生の声
カジノを含むIR施設に対する世論は、以上のような結果だが、投稿にあるように「実際の横浜市民の声」はどうなのだろうか。
今回、街頭アンケートを行ったのは、関内駅、横浜公園、イセザキ・モール、山下公園、横浜駅周辺、横浜ビブレ前の6ヶ所。なるべく各世代でアンケートがとれるように場所を選定した。
また、街頭アンケートの調査方法は、スケッチブックに賛成・反対とその理由についてシールを貼ってもらい、話を聞きながら進めた。理由については複数回答ではなく、最も大きな理由1つに絞ってもらった。
2つのスケッチブックを用意し、該当する方にシールを貼ってもらう
賛成(左)と反対の理由にも、1人1枚シールを貼ってもらう
いったい、どんな意見が聞けるのだろうか。
まずは、社会人世代に回答いただけそうな関内駅周辺から実施する。関内駅前、横浜公園、イセザキ・モールでアンケートを開始した。
編集部・小島がスケッチブックを見せながら、アンケートに答えてもらう
関内駅前でお話を伺ったのは60代男性。IR施設誘致について、「外国資本の企業が豊かになるだけで、横浜市の税収増につながらないと思う」とコメントし、反対にシールを貼った。
横浜市は、市が呼びかけたIRコンセプト提案の募集に7者が参加登録したと発表しており、企業名は公表されていないが、外資のIR事業者名が報道されている。また事業者を選定するための有識者委員会を設置する条例案が、2020(令和2)年2月の市議会で可決された。
横浜公園では、ベンチでくつろいでいた40代男性から話を伺った。「カジノIRをつくっても赤字になると思う。その時の対応策が示されていないので反対。撤退したときに、横浜市はどう補填するのだろうか。赤字になるから横浜市は説明できないよね」と話す。
先日のIR説明会で小林一美(こばやし・かずみ)副市長は、「民間事業者が主体になってIRを整備することが基本。周辺の道路整備等、公共の負担もあるが、事業の運営については進出した民間事業者が責任を負うことになる」と説明していたが、横浜市として本当に負担することはないのか疑問視する声もあった。
取材日は天気が良く、ベンチで休憩している人も
2歳の息子さんと遊んでいた30代のあやさんは、「カジノができると治安が悪化しそう」と反対。
その上で、「東京都港区にある『芝の家』のような地域で子どもから高齢者まで世代を超えて集まる施設をつくってほしい」と、子育て世代ならではの具体的な提案も話してくれた。
「育児の悩みなどを気軽に話せる交流の場があるといい」
反対だけでなく、賛成意見も伺うことができた。「純粋にカジノをやってみたい。娯楽として楽しんでみたい」と話す40代のカップルもいた。
続いて、イセザキ・モールでは、回答をいただいた方の年齢層が高かったからか反対意見が多くみられた。
イセザキ・モールでアンケートへの参加を呼びかける小島
休憩中の方にも声をかける
仕事中だという50代の女性は時間がない中、「横浜につくる理由がよくわからない。カジノはマカオやシンガポールなどの海外で十分で日本につくる必要はない」と回答してくれた。
ほかには、「カジノではなく、世界に横浜をアピールできるような横浜の特色を生かした施設をつくってほしい」という40代男性や、「純粋に博打が好き」という賛成意見の60代男性などもいた。
40人ほどにお話を伺えたので、場所を横浜駅周辺に移し、横浜ビブレ前と横浜駅みなみ西口で話を伺うことにした。ビブレ前では、若い世代からの回答もいただけた。
20代女性の2人組は「治安が悪くなると思う」と回答
家族でビブレに来ていた40代の母親は、「大学生の長男はカジノができたら行ってみたいと言っているので心配、若者に悪影響を及ぼすのではないか。依存症の人が増えるのではないでしょうか」と、不安げだった。
「親として、ギャンブル依存症の可能性は不安」
同じく、小さなお子さんを連れた家族からも似たようなコメントを伺えた。
「うちは子どもも小さいし、カジノができると治安が悪くなるし、依存症も増えるから反対。ギャンブルをやらない人もカジノならやるんじゃないかな」と話す。
「カジノならギャンブルに興味を持つ人も増えるかもしれない」
横浜駅みなみ西口でアンケートに答えてくれた20代男性の2人組は、「カジノなどのギャンブルはやりたいと思わないし、カジノができると治安は悪くなると思う」と話し、ギャンブル依存症については、「自分の責任だと思う」と依存症は理由にはならないと話した。
アンケートに協力してくれた20代男性の2人組
60代男性は、「カジノIR施設については反対。横浜市の税収は増やす必要があるのは分かる。IR施設で雇用が増え税収は増えると思うけど、カジノ依存症が増えていく。きちんとした依存症対策をつくらなきゃいけないと思う。治安悪化などはカジノに限らず派生する問題なので、常に対策をとる必要があると思う」とのこと。
一方で、賛成という方もいた。
札幌競馬場(札幌市中央区)の近くに住んでいたことのあるという60代男性は、「競馬の開催日には、ごみひとつ落ちてなくて警備もきちんとされていた。カジノができてもギャンブルで環境や治安は悪くはならない。ギャンブルはマイナス面だけが報道されているけれど、逆に良くなることもあると思う」という。
「ちゃんとサポートすることが大事」
その他、30代男性は、「カジノを含めてIR施設をつくることには賛成」とするも、「本当に横浜市が潤うのかは疑問。効果検証を行っているのか、具体的な説明がほしい」と話していた。