ダムマニアが決めた「人気ナンバーワンダム」、宮ヶ瀬ダムの見どころは?
ココがキニナル!
ダムの人気ランキングで宮ヶ瀬湖があの黒部ダムを抜いて1位になったそうです。宮ヶ瀬湖の魅力を紹介してください(山下公園のカモメさん)
はまれぽ調査結果!
宮ヶ瀬ダムやその周辺は大人から子どもまで楽しめ、1日かけても遊びつくせない、穴場レジャースポットが多数あった
ライター:山崎 島
鳥居原地区もまたいい雰囲気
まだまだ終わりじゃありません。なんたって船に乗っちゃうからね。遊覧船「みやがせ21」に乗船し、ダムサイトから鳥居原(とりいばら)地区へと向かう。関本は加藤さんと車で先回り。
水とエネルギー館横でチケット(片道大人500円)を買い乗船
湖から見るダム
15分ほどで鳥居原地区へと到着した。湖なので波もなく、乗り心地抜群だった。もう1周乗りたいー。
つつじの季節も見たくなるマップ (ぐるり宮ケ瀬湖より)
船着き場で公益財団法人宮ヶ瀬ダム周辺振興財団常務理事兼事務局長の宮崎仁男(みやざき・よしお)さんにお会いし、車でぐるりと園内を見せてもらった。「私たち財団が管理する宮ヶ瀬湖周辺施設は、水の大切さを多くの人に伝え、地域を活性化するという2つの役割があります」と宮崎さん。
豊かな水が流れる親水地には、カヌーにいそしむ人や水鳥の姿が
ビオトープには珍しい植物や生物が生息しているのだとか
湖畔園地中心のケヤキ広場。大きなモミの木は冬、クリスマスツリーとして飾られる
野外音楽堂や交流館など、イベントやライブができる環境も整っている
ロードトレイン「ミーヤ号」
園内の道は広々としてるし、雨の日も休まずミーヤ号が走っており、のんびり散策するにはもってこいの環境だった。「もっと遊具などを設置してほしい」という地元の声もあるそうだが、のんびりと自然や風景を楽しめるので、このままでも良いのではないだろうかと少し思った。
クリスマスシーズンはジャンボクリスマスツリーが見られる
また、同園ではクリスマスイベントや24時間リレーマラソン、カヌーの大会やスクールなど、年間400以上ものイベントが行われている。宮崎さんは「ダム周辺を寂れさせないようにしています。水没地に住んでいた方や近隣の方に、ダムができて良かった、と思ってもらえるようにしなくては」と言っていた。
水没地に住んでいた人のお店が連なる水の郷商店街
味わいのあるお店ばかり
めっちゃレアな綿あめマシーンも
まるで全く別世界に来たような感覚になる「水の郷商店街」は、お土産物屋や飲食店が連なっている。その一角のお店「meal(ミール)」に取材することができた。mealは昔ながらのラーメンと特製カレーパン、コロッケやメンチカツなどが人気のお店だ。
元水没地にお住まいだった落合政子(おちあい・まさこ)さん
「1965(昭和40)年に私は隣町からお嫁に来て、ここから157メートル下に住んでいました。水没前は宮ヶ瀬大橋という橋があって、夏になるとその下でBBQをしたり泳いだりする人がいてにぎわっていました。1966(昭和41)年にダムを作るための調査が入り、ダム建設の計画が出ると、集落では毎晩会合を開いて意見を交わしていましたね」
「反対する人も多かったけれど、国が決めたことだから仕方がない、と最後には同意しました。ダムができる前に、自分たちで住んでいた家をつぶし、埋めました。その時はみんな涙を流しながら見届けていました。長年住んだ家が壊されていくっていうのは、たまらなく辛かったです」と当時を語った落合さん。
自分の生まれ育った場所が無くなるのは想像を絶する寂しさと悲しみだろうな
また、落合さんは「ダムができてからはみんなで力を合わせて商店街を作った。建設省(現国土交通省)や県の協力もあって、お客さんもたくさん来ました。今はイベント時以外は寂しくなってしまっているけど、今後は目ぼしいものを作って、またここがにぎわうようにしいきたいです」と話していた。
今まで取材してきた方々や、落合さんのお話を聞いて、多くの人がダムができたことについては納得しているような印象を受けた。宮崎さんの「ダムができて良かったと思ってもらえるように」という言葉もあったが、ダム完成後も地域を活性化させようという行政と地元の目標が同じだからだろうか。
落合さんがお土産にくれたハムカツは肉厚で懐かしい味だったなあ
また水の郷商店街の並びにある「みやがせミーヤ館」では、自然をテーマにした職員手作りの展示や自然観察のイベントも行っている。
地元の子どもも、遊びに来た人も気軽に立ち寄れるミーヤ館
ビオトープに生息しているカヤネズミの生態が分かる手作りの展示が温かい
宮ヶ瀬ダムに携わる人たちは、みなさんとても親切であたたかい方が多かった。一人ひとりがその土地に愛着を持ち、同じ目標に向かっているように見えた。横浜から車で約1時間の距離の宮ヶ瀬ダム。是非一度足を運んでみてくださいな。
取材を終えて
まず、取材にご協力くださった方々が親切で素敵な方たちだった。加藤さんは朝から晩まで取材にご同行くださり、本当にありがたかった。
大きな施設って作って終わりじゃなくて、完成後いかに発展させていけるか、という大きな課題があるんだなあ。宮ヶ瀬ダムやその周辺はまだまだこれからも面白いことがたくさん起こりそうな場所で、これからも注目していきたい。
―終わり―
こむちゃんさん
2016年10月20日 09時13分
今年の紅葉は、「宮ヶ瀬」に行こっと。
ポスポスさん
2016年10月18日 23時29分
子供が小学5年生の時に林間学校?で宮ヶ瀬ダムにも行っていますし、私たち親もよく湖畔園地へ行ってます。でもダムの資料館などには行ってません。行かねばいけませんね。
∵さん
2016年10月18日 23時00分
周辺に園地や資料館を整備しているダムは各地にありますが(近場だと小河内ダムとか)、宮ケ瀬ダムは設計・建造が新しいこともあり、その充実ぶりでも他の追随を許していない感がありますね。観光地としてあまり有名になりすぎても困るけど、気候のいい時期は日帰りのドライブコースとしても手ごろで、良い所だと思います。