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横浜のキニナル情報が見つかる! はまれぽ.com

横浜市内に謎のオブジェが多いのはなぜ?

ココがキニナル!

横浜の街を歩いていると、いたる所で不思議な彫刻やモニュメントを見かけます。なんでこんなに多いんですか?(はまろうさんからのキニナル)

はまれぽ調査結果!

行政がキッカケをつくり、民間もそれに触発された結果だった!

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ライター:坂田 正樹

横浜市全体が生きた美術館

確かに、横浜の街を歩いていると、不思議な彫刻やモニュメントがやたら目につく。
例えば、ランドマークとクイーンズスクエアの間にそびえる金属パイプの巨大モニュメント(写真下)。

正式名称は『モクモク・ワクワク・ヨコハマ・ヨーヨー』、ビル風の通り道という特殊な場所を意識し、彫刻家の最上壽之(もがみひさゆき)氏が “もくもく湧く雲”と“前途洋々の横浜”をダイナミックに表現した作品である(横浜市環境創造局 南部公園緑地事務所 都心部資料参考)。道ゆく人は必ず足を止め、天空を見上げ、写真愛好家にとっては格好の被写体、ハマッ子なら知らない人はいないだろう。
 

モクモク・ワクワク・ヨコハマ・ヨーヨー(西区・みなとみらい)

 
これは、横浜の“謎のオブジェ”を象徴する印象的な作品だが、では実際のところ、街なかには“なんだコレ?”というようなオブジェがどれくらい存在しているのだろうか?…というワケで、調査依頼を受けた我々取材班は、猛暑の中、時間が許す限りいろんな場所を散策してみた。

するとどうだ、これがまた、予想以上に多種多彩なオブジェのオンパレード!統計をとったワケでも、他都市と比較したワケでもないが、目を凝らし、アンテナを張りめぐらし、意識を集中して観察してみると、数の多さだけでもハンパでないことが体感できる。とくに、みなとみらいや関内、石川町などの観光スポットは、様々な歴史的記念碑も加わって、まさに“横浜の生きた美術館”。

また、(最寄りの駅にもよるが)郊外だって駅前や商店街、遊歩道、公園など、改めて眺めてみると、謎めくオブジェがあちらこちらに!時間があったらホント、バスツアーを組んでオブジェ巡りをしたいほどである(写真下は中区の例)。

 

象の鼻パーク(中区・海岸通り)
 
関内ホール 平和Ⅱ(中区・関内大通り側)

 

瞑想(中区・大通り公園)

 

青江三奈記念碑(中区・伊勢佐木町)

 
 

どうしてこんなにオブジェが多いのか?

横浜にひしめく謎のオブジェ…街行く人に聞いてみても、皆一様に「確かに改めて見回してみると、横浜には変わったオブジェが多いかも」という答えが返ってくる。中には「おおっ!」と驚く強烈なものもあれば、自転車置き場と同化してしまったり、人々の憩いのベンチになってしまったり、その存在価値は千差万別。

そこで、素朴な疑問が湧いてくるのだが、なぜこんなにも横浜には不思議なオブジェが多いのか?目的は?製作費は?モノによっては、「もしこれが、税金で作られているのなら無駄使いでは?」という厳しいご意見も多く聞かれるので、こうした経緯は猛烈に気になるところ。

我々取材班は、その辺りの背景や現在のオブジェ事情を知るため、横浜市の「市民局文化振興部 文化振興課」を取材させていただくことにした。ちなみにこちらの課では、『関内ホール』を管轄しており、あの紅い平和のオブジェは、我々取材班が毎日のように前を通り、毎日のように眺めているとても身近な存在。話の突破口として一番ふさわしいだろう、ということもあって選定させていただいた。 

 

街の人にもオブジェについて聞いてみた!

あまりにも街に溶け込み過ぎているので、ついつい見逃していましたが、
よく見渡してみると面白い彫刻があちこちにありますね。
(38歳・主婦/栄区在住)



「あのクネクネした彫刻の前で12時に」とか、
待ち合わせの目印にしたりしていますね(笑)。
確かに横浜には、変わったオブジェが多い気がします。
(27歳・塾講師/港南区勤務)

 

横浜市の文化振興課を直撃取材! 

 

ところが、ここで問題発生!さっそく『関内ホール』のオブジェに関する製作の経緯を皮切りにお話をお聞きしようとしたところ、なんと、市では行政文書管理規則に基づいて文書の保管期限が決められており、建設計画から30年経っている『関内ホール』の彫刻の情報はほとんど残っていない、という回答が返ってきた。うーん、いきなりの失速…


「申し訳ありませんが、『関内ホール』の彫刻につきましてはお伝えできる情報はほとんどありません。ただ、当課の系列で1989年から1996年まで約2年おきに開催されていた『横浜彫刻展YOKOHAMA BIENNALE』についてでしたら、いろいろお話できますが?」


失速から一転、急発進へ!今回、取材に応じていただいた担当係長の山下さん、職員の本田さんの言葉に取材班の期待は大きく膨らんだ。むしろそちらの方が、横浜オブジェ事情の全容を解くヒントがあるのではないか…


「この彫刻展事業は、横浜市政100周年を記念して行われたもので、【よこはま21世紀プラン】の中にある“魅力的な街づくり”“文化的環境づくり”をめざして、各地域にふさわしい彫刻作品を実際に“設置”していくことを目的に実施されました」


作品はすべて公募、めでたく賞に選ばれた彫刻は各会場にて展示され賞金が贈られる、という市民参加型のスタイル。
そして、なんといってもユニークなのが街への“設置”を目的としている点。単なる作品の発表会ではないところが斬新だ。

ちなみに彫刻の設置場所に関しては、毎回、激戦だったそうだが、第1回は大倉山、第2回は港南台、第3回は鶴見、そして第4回(最終回)は栄区(本郷台駅前~いたち川)が選出された。
 

横浜彫刻展('89年, '91年, '93年, '96年)報告書
彫刻作品設置エリアを示した地図



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