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防災頭巾があるのは常識じゃないの!?その歴史と性能は?

防災頭巾があるのは常識じゃないの!?その歴史と性能は?

ココがキニナル!

横浜育ちなので防災頭巾があるのは常識だったけど、周りに聞くと何それ?という意見が多いです。どんな歴史で防災頭巾があるの?座布団としては非常に優秀ですが実際は役に立つの?(ふなけんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

大地震発生の噂がある地域では学校指導のもと使われるようになった。日本防炎協会認定の防災頭巾なら約50%~80%の衝撃吸収ができるようだ。

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ライター:山口 愛愛

※【編集部セレクション】この記事は2012年4月25日に掲載した記事を再掲載しています※


防災頭巾の認知度は地域によって偏りがあった


横浜で生まれ育った記者が、飲み会で「小学生の頃は男子に交じり、防災頭巾をかぶって剣道ごっこをした」と話したら、「防災頭巾って何?」と関西出身の友人につっこまれ驚いた覚えがある。

椅子取りゲームなどで円になった後、防災頭巾を見比べて自分の椅子を探すのが常識ではなかったか? 編集部のはまっこ三橋も「6年間座布団として使っていたから、いつもぺっちゃんこだった」というように、常に椅子に敷かれているものだと思っていた。

防災頭巾は布の中に綿などのクッション素材を入れ、頭部を守るために被るもの。ヘルメットが普及していない戦中に、防空頭巾として使われるようになったのが始まりだ。
 


防災頭巾には生地や形状の異なった様々な種類がある
(提供/国民生活センター「子ども用防災頭巾の安全性レポート」より)


昭和20年の神戸、西宮が舞台の「火垂るの墓」でも節ちゃんが防空頭巾を被っていたが、関西出身の人には馴染みがないようだ。全国でどのくらいの認知度があるのか、神奈川県外出身の知人に電話調査をしてみた。

他県での反応はどうなのだろう。21都道府県28人に聞いてみた。
 


東京、千葉、埼玉の30代以下の人は、皆使用したことあると回答


回答にはこんなコメントがあった。
鳥取県 20代男性
「鳥取市では各自でおいていましたよ。習字の時間に椅子の上で正座するときを除いて、座布団としての利用は禁止でした。昔、鳥取大火と鳥取大地震があったので、防災意識が高かったです。なんとなくですが空襲の被害を受けた街だと防災頭巾を使ってる気がしますね」

東京都 40代女性
「大地震が来るって話もあって避難訓練で使っていましたね。ウルトラの母みたいな(笑)髪型(ツインテール)をしていると被りにくかったな」

調査した対象者の回答であるので、必ずしもその都道府県全体の認知度とはいえないが、今回はこのような結果となった。

続いて横浜市を東、西、南、北、中央とおよそのエリアに分け、各エリア2つの小学校をランダムに選び、計10校に聞いてみたところ、すべて入学時に学校指定のものか、個人での購入を指導していた。
小学校では、地震のときや避難訓練で防災頭巾を着用して机の下に潜る指導をしている。
 


県外から南区の小学校に転校した快斗くんも防災頭巾を持っていったそう


横浜市教育委員会に問い合わせると、使用の義務化をしているわけではないが、ほとんどの小学校が着用の指導をしているという。高校でも学校指定の防災頭巾の購入を義務付けているところがあった。
 


学校指定の購入品に防災頭巾がふくまれている高校も(市内の私立高校HPより)


川崎市、相模原市の小学生とその親世代も、使用しているとの回答。神奈川県内での小学校ではほぼ使っているといっていいだろう。
横浜市内の大型スーパーやデパートでは「春の新生活コーナー」などにあったので、はまっこの必需品といえよう。

ではこの地域差はどうして生まれたのか。
横浜市教育委員会が義務化をしていないとのことから決定付ける資料がなく、取材は難航。
しかし、地震や防災頭巾に関する資料やサイトを元に調査していくと、1974~75年のできごととの関係が見えてきた。