検索ボタン

検索

横浜のキニナル情報が見つかる! はまれぽ.com

高騰中の鰻、横浜の名店ではどのような対策をとっている?

ココがキニナル!

横浜には鰻の名店はありますか? また、鰻の価格が高騰していますが、そうした名店ではどのような対策をとっているのでしょうか。(maniaさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

鰻の卸値はほぼ2倍に高騰。ミシュラン星獲得店、老舗、大衆的な人気店で話をうかがったところ、さまざまな対応で少しの値上げに抑えていた。

  • LINE
  • はてな

ライター:吉田 忍

一昨年から、しらす鰻(鰻の稚魚)が獲れなくなって価格が高騰している。鰻はほとんどが養殖だが、孵化からの養殖技術は未だ実用化されておらず、しらす鰻が捕れなければ養殖もできないとあって、鰻だけにその価格はまさしくうなぎ登り……。

土用の丑の日に鰻を食べる習慣は、江戸時代に平賀源内が広めたとする説があるが、それよりずっと昔、万葉集に夏の鰻を詠んだ歌がある。
「石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしといふものぞ 鰻 とり食(め)せ」(大伴家持)
夏バテに鰻というのは、すでに平安時代から一般的だったようだ。

今年の土用の丑は7月27日。せめて、この日くらいは鰻を食べたい!

横浜の名店というキニナルなので、横浜を本拠地とする店から、ミシュランガイドで星を獲得した店、明治5年創業という老舗、そして地元で愛され続けている人気店をセレクト。

現在、スーパーで売られている中国産鰻ですら、1尾1500円くらいはザラ。それを踏まえて、「国産鰻を使った3000円程度の丼やお重」に狙いを定め、価格対策などのお話をうかがいつつ、どんな鰻が食べられるのかを調べてきた。



ミシュランで星を獲得 鰻の粋を知り尽くした名店「しま村」


 


「しま村」は市営地下鉄高田駅近く


ミシュランで星を獲得した店ということでドキドキしながら店内に入ると、ふわりと木の香りが漂い、和服の女性たちがにこやかに迎えてくれた。
 


テーブル2~3台毎にゆったり仕切られた落ち着いた店内


はたして3000円で鰻が食べられるのだろうかとお品書きを見ると、蒲焼きは2625円からある。さらに、3150円でお得なセットもある! さっそくそれを注文。
 


お茶会で使う野点弁当の器に入ってくる
 

鰻重に肝吸、茶碗蒸し、香の物、そしてデザートも


お重の蓋を開けると、タレと鰻の混然一体となった香りと共に美しい焼き目のついた蒲焼が現れる。表面は香ばしく、内側はふわりと柔らかい鰻に箸を入れ、タレの染みたご飯とともに一口。

鰻自体の旨さと香りがまず広がり、甘味と塩味が丸く柔らかいタレと炊き立ての熱く香りのいいご飯が鰻の美味しさをより際立たせる。

肝吸や茶碗蒸しは上質の昆布を使う京風の出汁。浅漬けや奈良漬も添えられている。こうしたものを合間に食べることで舌がリセットされて鰻の美味しさを何度も新鮮に味わうことができる。
 


島村社長は横浜市港北区で生まれ育った


もともと問屋として日々、大量の鰻を扱っている島村社長。
「鰻屋は老舗や名店がたくさんある。後発で始めるには、他が真似できないことをするしかない」と言う。

鰻は同じ池(養殖場)から仕入れても5種類くらいに品質がわかれる。
「大量に扱う中で最上の鰻を選び抜いて提供する。これはウチだからできること」

こうして創業からわずか5年、2011年のミシュランガイドでしま村は星を獲得する。

島村社長は、今も朝の2:30に起床し、3:00には現場に入り、その後自ら鰻の選別を行っている。
仕入れ、選別、調理、サービスに関してのモットーは、「全てに手を抜かないこと」と島村社長。
その仕事を拝見したく調理場の様子を見せていただいた。

 


見事な手さばきで裂かれる鰻。包丁の形は地方によって異なる
 

ち。まるで吸い込まれるように串が入っていく
 

まずはそのまま白焼き。場所を入れ替え均等に、丁寧で素早い仕事
 

白焼きの後は蒸し
 

秘伝のたれにつけられて
 

外はカリっと、中はふっくら。炭火の当たり具合も細かく調整する


しま村の2階はお座敷。10%のサービス料が必要だが、洗練された和の個室は落ち着ける雰囲気。
 


居心地よくモダンな個室

 

店内に値上げに関するお願いが貼ってあった


「いままでに比べて形は変わりましたが、価格は上げずにやっています。鰻が小さくなることは実質の値上げですから、こうしたお知らせにしています」とのこと。
 


もうひとつのお勧めセット「鰻釜(うかま)」の竹、3570円


鰻釜はひつまぶしに似たセットで、すりおろしたとろろが薬味についてくる。うなとろで締めるとまろやかでさっぱりした後口だ。
 


問屋だからこそ出せる新鮮な串盛りあわせは1890円


「うちの鰻重が美味しいのは当たり前なんです。本当に鮮度が勝負なのは、ヒレ・カブト・キモ・レバー、つくねの串焼き。これは、裂いてから火をかけるまでの時間が短ければ短いほど旨い。大量の鰻を扱う問屋だから、お出しできるんです」と島村社長。
 


隅々まで綺麗な店内


敷居が高いかなと想像していたが、3150円のセットはデザートまでつき、充分その価格に見合ったものだった。