横浜市内に点在する杉山神社を全社制覇!vol.4
ココがキニナル!
横浜にはいたるところに杉山神社があり、「杉山神社」「杉山社」の名前で宗教法人登録されているだけで35社もあるそうです。とりあえず全部の杉山神社を回ってみませんか?(べいさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
前回に続き保土ケ谷区・旭区に分布する神社を調査。歩いて回れるほど密集する保土ケ谷区の杉山神社とぽつんと離れた旭区の杉山神社。謎はまだ続く。
ライター:ほしば あずみ
横浜市と周辺のみに分布する杉山神社。江戸時代の地誌『新編武蔵風土記稿』(以下『武蔵風土記』)に記載されているすべてをまわろうというのがこの企画。
今回は前回に続き、保土ケ谷区の和田町、上星川、川島町の杉山神社(杉山社)と旭区の上川井町の神明社を調査する。
杉山神社の分布、旧国郡境と、杉山神社周辺の主な河川
和田の杉山神社は横浜新道沿い
相鉄線「和田駅」から帷子川を渡り、少し歩くと辿りつくのが、横浜新道の高架そばに建つ和田町の杉山神社。
「小高い場所で社殿が川の方角を向いて鎮座する」というのが杉山神社の特徴の一つとする研究もあるが、こちらの神社は平坦な場所にある。
平坦な地に建つ杉山神社。日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀る
狛犬は1964(昭和39)年9月の銘
こじんまりとしているが、村の守り神として信仰されていた様子が、鳥居脇の「杉山神社」と刻まれた碑からもわかる。
すぐ手前に柵があり全体を映せなかったが、町の歴史を伝える石碑
この碑は、裏に刻まれた碑文によると、戦時中、戦地に赴く青年たちが鎮守と加護を祈願して合同で奉納したもの。30人余りの名前が刻まれていた。
何人が無事な帰還を果たしたのだろう…
八王子街道沿いの上星川杉山社
昨年末に千葉頭二郎も訪れた上星川の杉山社
上星川の杉山社も、高台ではなく、八王子街道沿いにある。祭神は日本武尊。『武蔵風土記』によると、江戸時代、神社を管理する別当寺はなく、村民が直接管理していたようだ。
ここも比較的小さな神社
杉山神社をまわってみると共通して、こじんまりした規模ながら、地域で大事にされている様子が伝わってくる。
上星川の杉山社の場合は、たとえばこの手水鉢。
1842(天保13)年4月奉納の手水鉢
いつ補修されたものか不明だが、江戸時代に奉納された手水鉢が、その奉納した年などを刻んだ面を残すようにして周辺部分だけセメントで補強されている。
写真の「奉納」と彫られている部分が天保期のもの。
吽形(うんぎょう)が子連れ、阿形(あぎょう)が
玉を持つ狛犬はほかの杉山神社にも多い形式