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映画「死刑台のエレベーター」のロケ地が横浜と川崎なのはなぜ?

ココがキニナル!

2010年10月に公開された映画「死刑台のエレベーター」の舞台は横浜のようですが、どこでロケをやっていたのですか?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

レトロな街並みと工業的な風景が入り混じった、横浜と川崎が主なロケ地。緒方明監督と緒方組のメンバーがつくりあげた架空の横浜を楽しみたくなる作品

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ライター:桐生 由美子

横浜が舞台となっている映画やドラマは数多く、はまれぽでは「ドラマ版『私立探偵 濱マイク』の舞台は今どうなっているの?」や「ドラマ『あぶない刑事』の面影が残るロケ地は横浜にまだある?」などの記事を掲載してきた。今回は横浜だけではなく、川崎でもロケが行われた、「死刑台のエレベーター」を特集することにする。
 

「死刑台のエレベーター」
発売中
発売元:角川書店
販売元:ポニーキャニオン
価格:4,935円(税込)
(C)2010「死 刑台のエレベーター」製作委員会

 


映画日本版リメイク「死刑台のエレベーター」について



1958(昭和33)年にフランスで公開された「死刑台のエレベーター」は、ノエル・カレフの小説をルイ・マル監督が映画化したサスペンス作品。2010(平成22)年にリメイク版を日本で公開。主なキャストは吉瀬美智子、阿部寛。脇を固めるのはベテランの津川雅彦や柄本明、若手の玉山鉄二、北川景子など。

ざっくりしたストーリーは、以下の通り。医療グループの社長夫人・手都芽衣子(てとめいこ/吉瀬美智子)が、愛人の医師・時籐隆彦(ときとうたかひこ/阿部寛)とともに、夫(津川雅彦)を自殺に見せかけ殺害することを計画。犯行当日、芽衣子は約束の場所で犯行を終えた時籐を待つが、なかなか現れずいら立ち、街をさまよい歩く。その頃、時籐はエレベーターの中に閉じ込められるという、アクシデントに巻き込まれていた・・・、というもの。

映画の中に登場する横浜や川崎について、「死刑台のエレベーター」の監督・緒方明さんに話をうかがった。監督は、劇場映画デビュー作「独立少年合唱団」で、ベルリン映画祭新人監督賞を受賞している。
 


日本映画大学教授でもある緒方明監督

 


あの横浜の歴史的建造物が特撮技術で!



「今回の映画は50年以上も前につくられた作品のリメイク。もとの作品は映画史に残るほどの傑作で、僕も好きな映画です」と緒方監督。「新しい解釈を加えるのではなく、できるだけオリジナル作品に忠実につくること」を心がけたという。

ロケ地選びについては、「リメイクとはいえ、メイン舞台となる“手都ビル”はレトロなイメージの建物にしたい。そこで大正末期から戦後くらいまでに建てられた歴史あるビルを日本全国で探しました。その中で白羽の矢が立ったのが横浜郵船ビルでした」。ここから、映画の舞台を横浜にしよう、と決めたのだそう。
 


横浜の名建築シリーズでも掲載した「横浜郵船ビル」(日本郵船歴史博物館)〈MAP①〉
 

 
重厚な扉の前では時籐と美容院の店員・松本美加代(北川景子)が会話をするシーンを撮影

 
時籐が愛人の夫を殺害するために、ビルの窓からロープを使い社長室へ侵入するというシーン。
その映像を撮るために必要な高さが実際の郵船ビルにはない。そこで、特撮+CGという技術を使ってビルを高くすることにした。「まずはビル上階部分の5~6mほどのミニチュア模型をつくり、実際の建物と同じレンズ、同じアングルで撮影。つなぎの部分をCGで加工した」と緒方監督。

そこにある実際の建物を知っている人にとって、映画の中の風景は“高度な間違い探し”のよう。映画を観るときの楽しみ方がひとつ増えたようで嬉しくなってくる。

「ほかにもいろいろな“映像の遊び”を取り入れている」と緒方監督。「“手都ビル”の窓から見える風景はほとんど合成。部屋の位置をよく思い出してみて。実際に窓の方向に見える風景は?」
たしかにその窓から、ベイブリッジが見えるはずはない。観る人により横浜らしさが伝わるように、代表的な風景をはめ込んだのだ。
 


リメイクの大変さを楽しさに変えて制作に取り掛かったのだそう