うなぎの老舗「横濱八十八」が復活したって本当?
ココがキニナル!
うなぎの老舗「横濱八十八」が復活したそうです。キニナルので取材お願いします。(はまれひで3さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
惜しまれつつ閉店したうなぎの名店「横濱八十八」が、今年春に復活。タレを守った板前さんや関係者の熱意で昔ながらの味が再現された!
ライター:吉澤 由美子
「横濱 八十八(やそはち)」は、横浜にこの店ありと言われたうなぎの名店。2001(平成13)年に惜しまれつつ閉店したこの老舗が、今年の2月22日には石川町に、3月8日には吉田町に新店舗をオープンさせた。
昨年、2012(平成24)年の開港バザーに横濱八十八が出店し、復活を待ち望んでいた多くのファンが詰めかけたその人気に励まされて、2店舗を開業させる運びとなった。
横濱八十八の創業は、1910(明治43)年。初代女将の荒井米さんが、自分の名前である「米」という漢字を開いて「八十八」という店名にした。当初は伊勢佐木町に出店し、その後住吉町に移転。キリッとした辛口のタレで錚々(そうそう)たる著名人にも愛された。
当時は、1階が食堂、2階は料亭という店の造り。2階は格式高く、「いつかは八十八の2階に」と憧れを持って語られる存在だった。関内の料亭文化華やかなりし頃には、八十八の前に黒塗りの車がずらりと並び、「議員の館」という異名もあったほど。
復活した横濱八十八吉田町店。昔、うなぎを入れていた木箱が飾られている
復活した八十八の石川町店は昔の1階を引き継ぎ、こぶりうな丼(1300円)、うな丼(2200円)など気楽にうなぎを楽しめる店。
吉田町店は昔の2階を引き継いで、お祝い事や改まった席にも利用できる雰囲気。鰻重(3500円/椀付)やお膳の料理コース(5200~6800円)、会席(8000~12000円/要予約)を味わえる高級割烹だ。吉田町店では近々、懐石料理を提供する予定もあるそう。
落ち着けるレトロモダンな吉田町店
そして、それまで毎年行っていた「うなぎ供養」の放生会(ほうじょうえ)も復活させた。そこでその様子をご紹介しよう。
うなぎ供養 放生会
放生会が行われたのは、お店の定休日に合わせた5月20日(月)。従業員や関係者が、南区庚台(かのえだい)にある光明寺に集まった。
光明寺で行われたうなぎ供養
光明寺は旧・小田原御用邸の御学問所を移築した書院を持つ、由緒あるお寺。本堂に掲げられた寄進の額には、「横濱食鳥鶏卵川魚商業協同組合」と記され、こうした供養を昔から行っていることをうかがわせる。
生きとし生けるものはすべて、ほかの生き物の命をもらって命をつなぐという同じ定めのもとに生きている。その中で、「うなぎ屋」という生き物を扱う商売は、おびただしい殺生をしなければ生活がなりたたないことから、そうした生物が幸せな生まれ変わりをするよう供養するというのが、横濱八十八の放生会の目的。
赤い三方にうなぎが乗っている
ビニール袋に入った活きたうなぎが三方に乗せられて本堂に置かれる。うなぎ供養のお経が上げられ、お焼香が行われる。食や生の持つ本質について改めて考えさせられるひとときだ。
奥から、事業部長の海老塚明広さん、社長の荒井テイコさん、総店長の葛西順子さん
法要が終わると、その後は、久保山墓地にある創業者米さんのお墓参り。お店の復活と放生会の報告をされていた。
墓前で創業者である米さんの遺影を持つ総店長の葛西さん