相鉄線にはどうしてボックス席が採用されているの?
ココがキニナル!
相鉄線でボックス席の車両が採用されている理由がキニナル。一般の乗客の方には、ボックス席と横並び席どちらが人気なのでしょう?また、乗車可能人数の違いなども調査してみて下さい。(かにゃさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
一般車両よりも輸送力が高い! 特に通常のシートより多くの人が座れるのが最大の理由! 好みが分かれるので一概にどちらが人気とは言えないようだ
ライター:田中 大輔
横浜~海老名駅間を最短31分で結ぶ、おなじみの相鉄線。
以前に「相鉄線車内の鏡はなんのためにある?」で、車内に取り付けられた鏡というユニークな特徴について紹介した。
今回は、JR東海道線や横須賀線、東急などでも見られるボックス席がテーマだ。
普通の電車でありながら、特急電車を思わせるボックス席が採用されているのはなぜなのだろうか。
コレがボックス席
まずは、ボックス席と聞いてもピンと来ない人のためにご紹介。
今回のテーマはこの座席。向かい合って4人が座れるシートだ
この画像のように、2人掛けのイスが向かい合わせに設置されている座席のことだ。
一般的に電車のイスと聞いて想像する横並びに座る長いイスとは違い、新幹線などで使われる座席のようなイメージである。
確かに、新幹線のように長時間の乗車が前提で旅行などにも大いに使われる電車と違い、相鉄線は通勤通学がメイン。もちろん横浜などに遊びに行く人たちにも使われるが、端から端まで乗っても乗車時間は3、40分程度とそれほど長いわけではない。
それでも採用されているのだから、なにかしらの理由があるはずだ。
相模鉄道本社を訪れ、その秘密に迫った。
ボックス席改めセミクロスシートの基礎知識
今回の取材に対応してくれたのは、運輸車両部の小山さんと広報担当の飛川さんのふたり。
本社で取材に応えてくれた小山さん(左)と飛川さん
さっそくボックス席について質問をぶつけてみる・・・その前に。
実はこの座席、正式な名前は“セミクロスシート”というのだそうだ。車体に対して交差するように横向きに置かれているから“クロスシート”というわけ。
頭に“セミ”が付くのは、この4人掛けの座席だけでなく2人掛けの横向きのイスも設置されているからなんだとか。
ドアの位置との関係上、この2人掛けシートが設置されているそうだ
相鉄線におけるセミクロスシートの歴史は意外と浅く、初めて採用されたのが1989(平成元)年4月のこと。
現在運転中の41編成のうち、8000系や9000系を中心に20編成に採用されているそうだ。セミクロスシートのある列車は10両編成のみで、そのうちの2両に設置されている。
つまり、20編成×2両だから、全部で40両のセミクロスシート車両があるというわけだ。
新型の10000系と11000系で採用されていないのは、「相鉄線車内の鏡はなんのためにある?」でも登場した“車両標準化”の影響もある。
10000系と11000系はJRの車両をベースとしているのだが、そのベース車にセミクロスシートの設定がなかったからなんだそうだ。
コチラは最新の11000系。セミクロスシートは付いていない
ただし、いつか登場する12000系でシートの設定があるベース車を選べば、セミクロスシートが再び設置される可能性もあるとのことだった。
さて、セミクロスシートの基本を頭に入れたところで本題に進もう。