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横浜「1000ぶら」商店街探訪Vol.6 アルバイト代で夕ごはんを! 粋な「横浜橋商店街」歩き

ココがキニナル!

活動資金1000円で横浜中の商店街をめぐる旅。第6回は「横浜橋商店街でアルバイト」!幼少期からの恩返しの気持ちをこめて店主との交流&お店をお手伝い!

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ライター:山口 愛愛

横浜「1000ぶら」商店街探訪。この企画のルールは、横浜市内の商店街を「活動資金1000円」のみで「ぶらっと」歩くというもの。
 
第6回の舞台として選んだのは、ハマの庶民の台所、粋な「横浜橋通商店街」。この周辺で育った筆者。横浜橋通商店街でおつまみを買い、そのまま横浜スタジアムに行くのがお決まりのコース。馴染みのある「庭」だ。

「掟破りの地元歩き」をするのには考えがあった。1000円を使って、小さい頃から利用してきた店と交流しながら、少しでも恩返しができないものか・・・。
そんな案を浮かべながら、横浜市営地下鉄阪東橋駅(より徒歩2分)側の入口から、1000ぶらの旅を始める。
 


漬物屋で買いすぎ、お手伝い!


 


一直線に360メートル伸びるアーケード商店街は雨の日も便利


この辺りは、戦前から生活用品店などが並び、栄えていた地。戦後の貧しい時代に食料品を主として扱うマーケットとして生まれ変わり、庶民の台所となった。

ドーム型のアーケードの下には約140店がひしめき、八百屋さん、魚屋さん、惣菜屋さん、パン屋さんなど、その6割以上が食料品店だ。キムチの販売など、アジア系の店が増えているのも特徴。手頃な値段は今でも変わらない。今日は、食の宝庫で夕飯をそろえよう。

どの店にも目移りするが、「ぬか漬け」が目に飛び込んできた。和彩工房つけものの「灘屋」さんで足を止める。
 


ぬか漬けが食欲をそそる! 今すぐごはんがほしい
 

1975(昭和50)年創業の「灘屋」。種類豊富な漬物専門店
 

きゅうり、なす1本100円、大根90円の安さ


店主の小山さんにお話を聞くと、創業当時、漬物専門店といえば、梅宮辰夫さんが展開する漬物屋さんと灘屋さんくらいしかなかったそうだ。元は先代が八百屋さんをはじめ、野菜を使った新しい商売はできないかと考え、漬物専門店に移行した。
 


「おつけもの うつけもの」(漬物ばかの意)Tシャツを着た小山店主
 

「ぬか特有の酸味が苦手な方も多いので、温度管理などで風味を調整し、サラダ感覚で食べられるような浅漬けも試みています」と、時代とともに工夫を重ねている。

精米店から上質なぬかを特別に仕入れているというこだわり具合だが、値段は先代のときと、ほぼそのままというから驚き。
 


氷を補充し温度管理にも余念なし
 

ぬか漬けには、おくら(90円)や日向かぼちゃ(220円)の変わりダネもあった。週末にはトマトも登場する。

漬物のほかに人気があるのは、「えだまめ(塩漬け)」。100g100円の安さだ。味見をさせてもらったが、豆が大きくぷりっとしていて、ほどよい塩味がまんべんなく染みていた。

お世辞ではなく、「これまで食べた枝豆の中で一番美味しいです」と言うと、「実は、夏は枝豆が一番売れるんですよ」と小山さん。
 


お話を聞いている間も、枝豆を買っていくお客さん多数


さて、本題である夕飯の買い物をしよう。迷ったあげく、ぬか漬けのおくら、かぼちゃ、大根と、さつましぼり(大根)半身(180円)を購入。
 


「ありがとうございます。620円です!」

「あ・・・」
お釣りを手にし、しばらく考える。ほかの漬物店と比べると安いのだが、1000円の予算を考えると、夕飯をそろえるのに漬物で半分以上も使ってしまうとは、失敗としかいいようがない。どうしたものか。

ここで、小山さんにある提案をしてみる。

「あの・・・図々しいお願いですが、今からお店の仕事をお手伝いさせていただいて、その分、少しおまけしていただけないでしょうか」
「手伝ってもらえることあるかなぁ」と言いながらも、「いいですよ! お願いします!」と快く承知、お代を半額の310円にしてくれた。