帰ってきた、横浜でいちばん急な坂はどこ? 2013・後編
ココがキニナル!
好評を博した「横浜でいちばん急な坂はどこですか」シリーズ。掲載後に寄せられた情報に応えて追加調査を実施!(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
今回は南区南太田2-29の坂が16°で最高記録。最後まで1位の座が揺らぐことはなかった。しかし感じる無限の可能性。今後も我こそはという坂を求む。
ライター:永田 ミナミ
歩いて出動
急坂を探し求めて横浜18区を走り回った熱い半年間から2年。ふと編集部・松山に「昔の急坂の記事のコメントに書き込まれた急坂がずっと気になってるんですよね」と口走ってみたところ、あっさり「それ、やりましょう」と実現した前編、中編に続き、完結編ともいえる続編である。
依然として現在1位は瀬谷区相沢4-15にある20°の『天竺坂』である
前回から筆者1人での徒歩と電車移動によって、読者の投稿にあった「急坂の聖地」南区・保土ケ谷区を中心とする調査となったのだが、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路だって約1ヶ月、四国八十八ヶ所も1ヶ月以上かかるのだ。
1日でまわろうというのは考えがあまく、南区を残し、西区と保土ケ谷区だけでまたもや夜がやってきてしまった。
いよいよ南区へ
前編でも説明したとおり、この企画は「横浜でいちばん急な坂はどこですか?(はまじさんのキニナル)」という投稿により、2011(平成23)年5月から11月まで、横浜市内の“急な坂”をひたすら調査したものである。
中編で保土ケ谷区のすごさはおわかりいただけたと思うが、今回はいよいよ南区を測る。南区には17°を誇る現在4位の坂もあり、保土ケ谷区とならぶ急坂の聖地である。
現在4位の永田北2-16の急坂17°を見上げる
それでは今回も前回シリーズからの認定基準である
1.車が通行できる
2.公道
3.行き止まりにならない(通り抜けられる)
4.短すぎない
をもとに急坂を求めて歩きはじめることに。
以上の項目を満たさない場合は、どんな急坂であっても参考記録とする。
なお、補足として、
・坂の何ヶ所かを計測し、最も大きな角度をその坂の角度、パーセント表示も併記する。
・4の「短すぎない」について前回シリーズでは明確な基準を設けてはいなかったが、計測していくうちに「だいたい20メートル以上」が基準となっていった。
・14°以上の坂を「Aランク」と表現しているのは、半年間で約200ヶ所を計測する過程で自然発生的に生まれた定義である。そのほかにも自然発生用語がいくつか出てくる。
再び、保土ケ谷区へ
さて、再び前回の残した再び保土ケ谷区へと向かう。
夕闇に追われながら急階段を上る
1.保土ケ谷区岩井町447の坂・・・12°(21.2%)
横浜清風高校の間を通り抜けていくと始まる坂
まさにさわやかな風のようにやさしい坂だが
しばらく下っていくと
すうっと角度を増して12°
それにしても北条政子が水を飲んだという井戸や
御台所地蔵尊があったり
岩井町の名の通り今もあちこちから水が湧き出し坂を流れている
約300メートルに渡るロングディスタンス歴史坂だった
ちなみに坂の上の交差点には金沢方面と弘明寺方面の道案内を兼ねた北向地蔵尊も
下りきるとそこはすぐ東海道。東海道沿いに次の目的地へと急ぐ
途中で現れた円福寺横の坂を素早く10°と 測り急ぐ
歩いていくと階段坂があちこちに見え、期待が高まる
2.保土ケ谷区西久保町197-1 仁木三味線横の坂・・・14°(24.9%)
そしてたどり着いた坂は上り始めてすぐに14°を叩き出し
またしても右へ左へとカーブを描き(ここのインコースは18°)
龍のように空へと昇っていく
最後のカーブのあたりも14°をマーク
全長約120メートルの坂をのぼった頂上からの眺め。そして今日も日が暮れる
まだ2ヶ所残っているが、次の坂までは歩いて30分。駅からは遠く、バスでの移動は徒歩と同じかそれ以上かかる。日没までにぎりぎりたどり着けるかもしれないが、歩いて30分・・・。
今日もよく歩いたので、後日測ることにした。
三たび、保土ケ谷区へ
最後の調査日はフィナーレにふさわしい素晴らしい快晴だった。駅からの距離も考えてこの日は車で移動することにしたので、ドライブ日和でもあったのだった。
3.保土ケ谷区初音ヶ丘16の坂・・・11°(19.4%)
最初の坂は元町ガード下付近から
花見台交番前まで続く、約500メートルのロンゲスト坂
500メートルとなるとかなり長いので
どこがいちばん急なのか見極める
よしここだ、と測定器を置くと12°。それ以外の場所は8〜9°だった
さあ、いよいよ最後の坂だ。西谷町の富士山神社に上る坂は「神社のところで行き止まり」とあるので参考坂になりそうだが、読者からの投稿には「最強と思われる」とあるので、やはりこの目で見ておかなくてはならないだろう。西谷町に向けてアクセルを踏み込んだ。
しかし西谷町に着いて、ここか、と思って入り込んだ坂はちがう坂だった。