投稿によると、井土ヶ谷に「宿るや商店」という場所があるという。手掛かりを求めて、まずはインターネットで調べてみると、どうやら日替わりのコミュニティスペースらしい。
一体、どんなところなのだろうか？　現地に行って確認してみることに。
　

宿るや商店外観
　

店内にはハンモックと自転車？

まずは、「宿るや商店」を運営するウミガワ不動産の石井律子さんにお話を伺うことに。
「宿るや商店」とは、日替わりで店が変わる、シェアショップの集合体なのだそう。

石井さんの経営するウミガワ不動産は、主にリノベーションと空家再生事業を行っている。リフォームは老朽化した建物を建築当初の性能に戻すことに対し、リノベーションは既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させ、建物自体の価値を高めるもの。
　

宿るや商店を運営する石井さん（右）

京急井土ヶ谷駅から、徒歩5分ほどのこの建物。立地が良いわけでもなく建物自体も古いが、かなりの広さがあるため、賃貸物件として入居者を募集しようとすると、かなり高額な家賃設定にしないと採算が取れないそうだ。

家賃の面をクリアすることも考えて、「この場所をシェア物件にしたらどうだろう、この中が商店街みたいになったらいいな」という思いから始まり、サブリースという形をとった。ウミガワ不動産がここ全体を借り、入店される店舗の方に貸すことにしたのだ。

そして2013（平成25）年5月にオープンしたのが「宿るや商店」だ。
　

建物の屋根下の汚れが富士山の形に見える

宿るや商店という名前にしたのは次の理由から。
同店の建物の屋根が「日本一の富士山」のように見え、また同店に出店する人たちもまた「日本一」を目指している。そんな店主たちの気持ちが「宿る」、そして店主たちが出店した店を利用したお客さんが“気持ち良い場所だ”などポジティブな思いを「宿す」ようになってほしい、という石井さんの思いがあったからなのだそう。
　

屋号も富士山をイメージして

「笑顔が街をデザインしていく」が一番のコンセプト。経歴や、「宿るや」でやりたいことなどを書いたエントリーシートと企画書の提出、面接などを行い、コンセプトに合う方に出店してほしいと考えている。

では、現在の「宿るや商店」全体図をまずはご紹介。
　

宿るや商店全体図

ここからは、入り口付近からお店の中の商店主に話を聞いてみる。

「1年くらい前に、近くの自転車屋さんが閉店してしまい、近所の方がとても不便に思っていたので、それを改善したくて、もともと知り合いだった佐々木さんに、出店を要請しました」という石井さん。

自転車屋さん（SICO BICYCLE SERVISE）の店主は、11年間茅ヶ崎の自転車店に勤めていた佐々木至高（しこう）さん。石井さんとはリノベーションの仕事で、一緒に壁塗りをしたことをきっかけで知り合ったという。
　

店主の佐々木至高さんと奥様
　

作業スペース

パーツを選んで組み立てるようなオーダーの自転車から、1万円くらいの安価な自転車などお客様に合わせて扱っている。
子どもからお年寄りまで、気軽に立ち寄ってくれる街の自転車屋さんでありたい。出張での修理にも対応しているという。
　

この看板は佐々木さんのお父様の手作り

ハンモックは、「三崎にある昼寝城（ひるねじょう）というハンモック屋さんと親しくしていて、石井さんがリノベーションをする際、多くの物件にハンモックを設置していたから同店にもつけたそうだ。

「宿るや商店」は、初夏から夏にかけて風の通りがとても気持ち良い場所なので井土ヶ谷でリゾート気分を味わってほしかった」と石井さん。

また、自転車を修理してもらっているときに、ハンモックで休んでもらったり、カフェスペースでご飯を食べた後にくつろいでもらったり、気軽に誰でも使ってもらえるようにという思いがあった。。
　

ハンモックの乗り方の説明も壁に貼って
　

初めて来店したお友達2人組。ランチ後、ハンモックでリラックス！

ハンモックの利用料金は30分500円。なんと「はまれぽを見た」と伝えれると、空いていれば時間関係なく無料で利用OK！

ハンモックスペースでは今まで、子連れで楽しめる親子コンサートや、プロジェクターを使用してのイベントを開催してきた。
どう使いたいか提案すれば、値段やスケジュールなどはできる限り合わせてくださるとのこと。
　

自転車修理のために初めて訪れたHさん親子、修理を待つ間にランチ
　

カフェスペースでの食事の後はハンモックを楽しむ
　

ハンモックが3つ設置されているスペースは、広々している

「食事もでき、ハンモックでくつろげるというのはとても良い」とHさん親子。