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空き地に堂々と構える狛犬!三ツ沢南町にある神社跡地の歴史を探る!

ココがキニナル!

神奈川区三ツ沢南町の神社の廃墟がキニナル。手水盤と崩れかけた狛犬一対だけが残り、昭和初期の地図には日枝神社の記載がありますが横浜空襲で焼けたのではないそう(三ッ沢さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

かつては「日枝神社」があった場所だった。明治時代に御神体は移され、お社は昭和40年ごろになくなったと思われる

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ライター:田中 大輔

我が家の近くに、こう言っちゃなんだが、今にも朽ち果てそうな小さな神社がある。
神職が常駐しているわけでもなく、お社もだいぶ傷んでいる神社だ。
それでも、少なくとも30年はその状態を維持している。ということは、誰かしらがお世話をしているということになる。こういう神社は意外と身近にあるもの。

ところが、今回のキニナルにあるのは神社跡地。
それも、一対の狛犬や手水盤だけが残されたままになっているという。
神社がなくなるというのも不思議な気がするが、跡地がそのまま置かれている背景にはなにがあるのだろうか。



神社のあった空き地



神奈川区三ツ沢南町、県立横浜翠嵐(すいらん)高校の裏手の住宅街。そのど真ん中にポツンと存在する空き地が問題の場所だ。

往時は参道だったと思われる長い坂道を上った先にその場所はあり、坂の途中からも石段や狛犬の姿が見えてくる。
 


坂の向こうにいかにも神社らしい石段が見えてくる


階段や周りの壁の作り、脇に置かれたままの手水(ちょうず)盤、そしてなにより堂々と構える狛犬が、かつてこの場所が神社だったことを物語っている。
 


狛犬。この場所がかつて神社であることを思わせる


中をのぞいてみると、なにもない空き地。階段からわずかに石畳が続くが、その先にお社はない。草木が茂り、独特の雰囲気は漂うが、まぁ空き地である。
 


草木が生えているだけの空き地。かつてはなにがあったのだろうか


狛犬の存在が強烈に神社を偲ばせるが、いったいなにがあってこの状態にいたっているのだろうか。



神様のいない神社



神奈川区役所へ向かい、まずは土地の所有者を調べるところからスタート。
その結果、キニナルにも名前が登場する豊顕寺(ぶげんじ)のものであることが分かる。

神社跡地からほど近い場所にある豊顕寺は、もとは三河国に1515(永正12)年に本顕寺として創建されたことに始まる古刹で、江戸時代に幕府のお墨付きで作られた僧侶が学問を学ぶ「三沢檀林(みつざわだんりん)」でも知られる法華宗の寺院である。
 


豊顕寺本堂。歴史を感じさせるたたずまいを見せる


今回は例の空き地の歴史を探るべく、住職の今井満良(まんりょう)さんに話を聞いた。
丁寧に取材に応じてくれた住職だが、ご自身が40代と比較的若く、さらに古い資料が残っていないとのことで「詳しいところまでは分からない」という前置きを付けて話をしてくださった。
神社跡地周辺に住む人に聞いた話と併せて、その歴史を探ってみよう。