横浜市の救急車が東京都内で活動することってあるの?
ココがキニナル!
東京都内で横浜市の公的な救急車がサイレン鳴らして走ってっていました。横浜市の救急車ってどこでも行くの?救急車も少ない現状なので、その間の対応など含めキニナル(KDOさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
市境の通報では市外搬送することもあり、2013年は約1万6000件が市外搬送。国の指針に基づく数の救急車を配備しており、有事の対応に問題はない
ライター:はまれぽ編集部
都内で横浜市の救急車が?
東京都内で横浜市の救急車がサイレンを鳴らして走っている? 果たしてそんなことがあるのだろうか。
真相を確かめるべく、横浜市消防局に取材を申し込んだ。
横浜市消防局がある保土ケ谷区役所
対応していただいたのは、警防部救急課長・平中隆消防監と同課救急企画係長・早川啓太消防司令。
平中課長(左)と早川係長
単刀直入に質問したところ、平中課長の答えは「事実です。都内を走ることはあります」とのこと。さらに、詳細をたずねる。
まず、2013(平成25)年中の横浜市内の救急出動件数は17万3772件で、最も多かった前年の2012(平成24)年から3484件増加し、過去最多となった。これを1日当たりの平均出動回数で計算すると476件で、3分1秒に1回の救急出動があったことになる。
右肩上がりの出動件数(横浜市ホームページより)
このうち、救急車で搬送された人数は15万1410人にのぼり、横浜市以外の病院に搬送されたのは全体の約1割弱に当たる1万1668件(1件で複数人数の搬送も含む)。東京都内への搬送は811件だった。
単純計算でも1日に30件強が市外搬送されていることになるが、なぜこういうことが起きるのだろうか。
平中課長によると、「最寄りの医療機関に搬送するのが大原則であり、現場が市や県の境ということになれば、市外搬送は当然にあり得る」という。具体的には、鶴見区では川崎市や東京都、青葉区の北部では東京都、金沢区ならば横須賀市などといった具合だ。
救える命のためには市内にこだわらない、ということ
ここで投稿にあった「横浜市の救急車ってどこでも行くのかなという疑問」についても伺う。
この疑問に対し、平中課長は「特殊な疾患があって、かかりつけの医師がいる場合や、専門医がいる病院に搬送することもある」そうで、静岡県に搬送したこともあるという。
横浜市の救急車は足りていない?
さらに投稿にある「救急車も少ないのが現状です」についても疑問を投げかける。
お二人によると、全国には市町村単位で各地に消防本部が配備されている。救急車両については、総務省消防庁が定める「消防力の整備指針」に基づいて、人口比率に応じた車両が配置されている。
横浜市の救急車両配置基準(横浜市ホームページより)
横浜市は人口約370万人に対し、64台の救急車が配置されており、これは人口カバー率100%で過不足はないという。また、非常用に20台以上の予備車があるほか、東日本大震災や2月の大雪で交通網が寸断され孤立した山梨県のような状況になった場合には、隣県から応援を出動するよう国が定めているため、有事に救急車が不足するといった事態は限りなくゼロに近いという。