横浜で一番標高の高い「~富士」はどこ?
ココがキニナル!
港北ニュータウン地区には、「~富士」と呼ばれる丘がいくつかあります。横浜市内のほかの地区にもいくつかあると聞いていますが、一番標高の高い「~富士」はどこでしょうか?(hiro_ykhさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜には郷土富士や富士塚が40基前後ある。一番高いのは、都筑区にある川和富士で標高74メートル。高さ約14メートルである。
ライター:松野 孝司
横浜にはかつて富士塚が40基ぐらいあった
日本全国には、「富士」と名のつく山が多くある。蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山(北海道)、津軽富士と呼ばれる岩木山(青森県)など、その数320以上の「富士山」が存在する。
神奈川県内にも横須賀には三浦富士と呼ばれる富士山(ふじやま)、厚木市と愛甲郡清川村、愛川町にまたがる荻野富士と呼ばれる経ヶ岳がある。その多くは、その姿が富士山に似ていたり、その土地の代表的な山を「○○富士」と呼ぶようになったもので、一般的には郷土富士と呼ばれている。
また、富士塚と呼ばれる人工の山や塚もある。これは江戸時代に広まった富士講といわれる富士山を信仰する人たちが、市中に築いた人工物で、富士山の溶岩を積み上げたもの、丘や古墳を利用したものがある。その頂上には浅間神社が祀られていることが多い。
古くから日本人に愛された富士山。富士塚はこうした日本人の富士山信仰から生まれた
富士塚は富士山が見える関東エリアに多く、ある調査によると東京都には112基、千葉県には159基、埼玉県は301基、そして神奈川県にも62基が存在し、そのうち40基前後が横浜エリアにあるという。しかし、富士塚は再開発などで消滅したものも多く、各自治体でもはっきりとした数を把握できていないようだ。
たかが富士塚と思うと痛い目にあう
さて、図書館やインターネットで横浜市内の「郷土富士」と「富士塚」について調べてみると、一番高いのは川和富士(都筑区・郷土富士)で標高74メートル(※標高はgoogle earthを利用して算出)。高さ約14メートルと判明した。しかし、これで調査を終了しては「はまれぽ」の名が廃る。そこで川和富士を含め、市内の代表的な郷土富士及び富士塚6ヶ所を三日かけて踏破してみた。
一日目は地下鉄グリーンライン北山田駅から徒歩数分の「山田富士公園」内にある山田富士(都筑区・郷土富士)からスタート。
山田富士は本家の富士山と同じように美しい裾野を持つコニーデ(円錐状の火山)形状をしており、江戸時代の「新編武蔵風土記」(文政年間)には、「太子堂山、北ノ方ニアリ、此山ニ富士塚トテ高サ…」と記されており、現在の高さは8メートル(標高41メートル)だが、当時は30メートルあったという。山田富士は公園の一角の高台にあり、取材当日も近所の幼稚園児が山登りと称して散歩を楽しんでいた。
富士山同様の美しい裾野を持つ山田富士
山田富士山頂からの眺望。正面にかすかに見える観覧車はモザイクモール港北の観覧車
山田富士を後にして、次に向かったのは熊野堂富士(神奈川区菅田町)。
神奈川区の「わが町かながわ50選」に選出された最勝寺境内にある富士塚だ。
事前の調査によると高さは18メートル(標高42メートル)とのことだが、自然の斜面を利用しており、鉄パイプの手すりがないと登れないのでは、と思うほどの急勾配で数値以上の高さを感じる。頂上の大日如来像の姿を見たときに足はガクガク…。初日はここでギブアップ。富士塚と思って甘くみていた自分が情けない。
熊野堂富士山頂にある大日如来像
獣道のような急勾配の道を上っていく
頂上からの景色。さすがに見晴らしがいい