日曜日限定!? 日ノ出町駅に突如現れる着ぐるみの集団の正体は?
ココがキニナル!
日曜日に京急日の出町駅前でキグルミを着て路上ライブをやっている日の出サンデーズを取材して下さい。(タッカーさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
日ノ出サンデーズは、着ぐるみを着た4人組の音楽隊で、懐かしの昭和歌謡を中心に演奏! 着ぐるみは、防寒を理由に着始めたのがきっかけ
ライター:大和田 敏子
日曜日に京浜急行線日ノ出町駅前で「日ノ出サンデーズ」というバンドが、ライブをやっているらしい。キニナルに投稿されている写真を見て「あっ、あの薬局のシャッターの前だ!」と、すぐに分かった。筆者にとっては、ホントに地元だ。これはぜひ、取材に行かなければ・・・。
連絡をとってみると、2日後の日曜日にもライブを行う予定とのこと。早速、取材にと意気込むが、生憎、当日は台風に見舞われ、ライブは中止に。残念! あらためて2週間後の日曜日、現地に向かった。
午後5時過ぎ、ライブが始まった!
♪日曜日の午後には日ノ出町の駅前 ちょいと立ち止まれば懐かしいメロディー
サンザンな目に遭っても サンサンと射す太陽 どうぞお見知り置きを
日ノ出 日ノ出 日ノ出サンデーズ・・・♪
オープニング曲『参上!日ノ出サンデーズ』は、コミカルな歌詞で覚えやすいメロディーの明るい歌。親しみやすい着ぐるみ姿に、足を止める人も多い。
日ノ出サンデーズ結成まで。日の出町でライブの理由は?
日ノ出サンデーズ活動のきっかけは、昨年(2013<平成25>年)12月のこと。黒猫ルック(伊吹留香<るか>さん)は、自身のワンマンライブを控え、その宣伝を兼ねて路上ライブをと考えていたという。
留香さんはシンガーソングライターとしてメジャーデビューしている
黒猫ルック。留香だから「ルック」!
留香さんが、初めに一緒にライブをと誘ったのが、アニソン系シンガーソングライターとして横浜を中心に活動の幅をひろげようとしていた桔梗(ききょう)さん。
白猫キック。桔梗だから「キック」!
「ふかづめ」や「うなぎブギ」など親しみやすくコミカルな曲をレパートリーにする桔梗さん。留香さんは自分にない魅力を感じ、声をかけたと言い、桔梗さんもまた、留香さんが認めてくれたことが、うれしかったと話す。
実は、留香さんのワンマンライブが予定されていたのは「日ノ出町シャノアール」。それならばと日ノ出町駅前で、2人で始めた路上ライブ。遠慮がちに小さな音で演りだした2人を、地元のおじさんたちが、「ここはもっと大きな音を出しても大丈夫だよ」などと、温かく迎え入れてくれ、ここでライブを続けていきたいという気持ちになったという。
その後、バイオリニスト・塩野えりささんと、かつてパンコロ兄弟というバンドでドラムを叩いていたハッシーさんが合流。今度は4人でやってみようということになった。
ウサギのエリー。「えりさ」だから「エリー」!
プロとしてのスタートは、カナダ大使館専属プレイヤーという塩野えりささんは、かつて「ミュージックフェア」など数多くのTV番組に出演したり、ゲーム音楽の収録にも参加。ロックバンドでの演奏経験も持つ異色のバイオリニスト。
現在は、横浜を拠点にフリーのプレイヤーとして、オーケストラで演奏したり、さまざまなライブに出演するなど、幅広く活動している。桔梗さんもライブを行うことのある関内の「18BAR」でもバーテンダー兼演奏をしているそう。
「ハッシークマさん」はしもとだから「ハッシー」!
ハッシーさんは、日ノ出サンデーズのリズム担当。路上ライブではカホンを演奏している。もともと、留香さんのライブのサポートギターと知り合いで、留香さんとも友人だった。失礼ながら、女性メンバーよりも少し年上のハッシーさんは、メンバーのお父さん的存在なのかとも思う。
こうして、“昭和生まれ”ということくらいしか共通点がない4人が、日曜日に日ノ出町駅前でライブを行う「日ノ出サンデーズ」を結成!
最初から着ぐるみを着て演奏していたわけではない。防寒のため、着ぐるみを着るようになったのは2014(平成26)年3月ごろから。ドン・キホーテやネットで着ぐるみを購入して、全員が着ぐるみ姿になると統一感やチームとしての連帯感が出たという。
当初はその素材や色合いのせいか、宗教活動と誤解されてしまったこともあるらしく、最近は着ぐるみをリニューアル。春夏用、秋冬用を用意しているそうだ。
看板には、「宗教団体ではございません!」と断り書きも
日ノ出サンデーズが演奏するのは、サンデーズのテーマ曲や桔梗さんのオリジナル数曲以外は、基本的に昭和歌謡。日ノ出町を行き来するおじさんたちが喜んでくれそうな懐メロばかりだ。
黒猫ルックと白猫キックのダブルボーカル、2人が交互にメインボーカルをつとめる。
この日は、『真赤な太陽』、『およげ!たいやきくん』、『わたしの彼は左利き』、『三百六十五歩のマーチ』、『黒猫のタンゴ』、『恋人よ』、『恋のダイヤル6700』、『ビューティフル・サンデー』といった懐かしい曲を次々に演奏。全部で20曲あまり、約1時間半近くに及ぶライブとなった。
黒猫ルックは、自身曰く「しみったれた曲担当」
白猫キックは、オリジナルや明るめの曲のレパートリーが多い