野毛には、リアルな深夜食堂がある? 洋食編
ココがキニナル!
今マンガやドラマで深夜食堂というのがやっていますが、野毛にはまさにリアル深夜食堂と言われるようなお店が結構あるそうです。しらべてきてくれませんか?(Ichiさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
午前1時からオープンする野毛の「シベール」では下ごしらえからすべて丁寧に作られた洋食をおいしくいただける。
ライター:山崎 島
午前1時からの洋食店
大衆食堂に社員食堂、いろんな食堂がありますが、深夜にどっしりした洋食をいただける、深夜食堂ならぬ深夜洋食レストランが野毛にあるとのこと。2012(平成24)年1月に「野毛には、リアルな深夜食堂がある?」で取材した際に、コメントでも「シベールもいいですね」と投稿があった洋食店に編集部・山岸と寒さに身を寄せ合いながら行ってまいりました。
夜中の福富町を宮川町に向かって早足であるっていると・・・
見えてくる
黄色い看板の
「シベール」。JR関内駅から徒歩7分・日ノ出町駅から徒歩5分
この時はまだ開店前。開店は午前1時
中の様子をちらり
お店の佇まいからすでに心を掴まれた。深夜の野毛は意外と静かで、シベールのひっそりとした雰囲気は良くなじんでいる。入る前から良いお店なのが分かったのって初めて。
お店の前で待っていると、午前1時ちょうど、ナイスな白髪の男性が中に入れてくださった。
中はカウンター席
お湯が沸いてる
電気がつきました
店内はこぢんまりとしていて、使い込まれたカウンターや調理器具が良い味を出している。無言で写真を撮りまくるザキヤマギシ。
店主の河合さん
はじめ、取材をお願いした時は少し乗り気でなかった河合さん。「以前テレビに取り上げられたとき、一見さんが一気に増えたのはありがたいんですが、常連さんが入れなくなってしまって困ったんです」と、いつも来ているお客さんに対しての思いやりが分かる。はまれぽや今回の取材についてご説明し、受けてくださることに。どうぞよろしくお願い致します。
開店したばかりで忙しいなか「コーヒーでも飲みながら」とやさしい河合さん。
おいしいコーヒー(400円)は、なんとおかわり自由
さっそくお店についてお話をお伺いしました。
栃木県ご出身、東京育ちの河合さんはもともと製薬会社で薬を作る研究をなさっていた。“職人”として生きていきたい、という思いから会社を辞め30歳で調理師学校に入学。料理の勉強を始めた。
「本当は宮大工になりたかったんです。でも、30歳から始めるには難しく、和食の世界へ入ろうと思った。でもね、30歳をすぎると料亭には入れないんですよ」と、淡々と飾らずに当時のことを振り返られた。しかし洋食なら遅くないと、10年ほど修行。中区海岸通の名店「レストランスカンディヤ」で調理場に立ち、その後系列店である今はなき中華街のバー「コペンハーゲン」の料理長に抜擢された。同店ではお酒の知識も学ぶためにバーテンダーも経験されたという、とても勤勉な方。そして、今から28年前の1987(昭和62)年、40歳で独立。
ギリシア神話に出てくる“自然を守る女神”を由来に「シベール」と名付けられ同店が誕生した。
まな板を熱湯で殺菌しているご様子
開店直後は福富町で営業。深夜も営業しているというスタイルは当初から。当時は午後10時から翌朝の8時までお店を開けていた。「28年前は深夜にやっているお店がなかったんです。コンビニやファミリーレストランも午後10時で閉店する時代でした。深夜やっているお店と言えば焼き鳥とか寿司屋とかラーメン屋だけで。洋食屋はなかったので、それが理由です」
なんだか、なんだかわかんないけど痺れた!!
素敵です河合さん
「本当は店を持つ気はなかったんです。本を書きたかったんですよ。“コックの嘘”っていう」
職人気質で、ユーモアもあわせ持つお人柄。
「シベール」は今から18年前、福富町から現在の宮川町に移転し、現在に至る。
横浜に来たのは「調理師学校の先生に横浜のお店を紹介されたからです」
客層の95パーセントは夜遅くに働いていらっしゃる方々。職人さんやクラブのママさん、接待飲食店の従業員をしている男性客などが多いのだそう。