日本の最高地点は、言わずと知れた富士山の山頂。

それならば、横浜の最高地点はいったいどこなのだろうか？
また、臨海部を埋立地に囲まれている横浜の最低地点は？

高い場所と低い場所を探るべく、さっそく調査に乗り出した。

最高地点はどのお山？

横浜で一番高い山は磯子区にある円海山。
と、思い込んでいたが実際に調べてみると大丸山という山が金沢区にあった。
　

円海山の頂上は鉄塔部分にあたり、三角点は確認できず

港南区にある資源循環局あたりから山に入ると円海山の山頂に差し掛かる。
ただ、これは標高153.3ｍと、横浜で二番目に高い山。

ここから尾根沿いを進むことで、一番高い山である大丸山の山頂が見えてくる。
　

大丸山山頂部は見晴台になっている

　

横浜市最高峰とはっきり書かれている

ということは、ここが横浜の最高地点なのだろうか。富士山の山頂が日本の最高地点なのだから、間違いないはず。

そう思ったが、ここで思いがけない事実が判明。さらに高い場所が山道の中にあるというのだ。
それは、お隣の鎌倉市に山頂を持つ大平山（159m）の中腹。
　

略図につき縮尺や方角の正確さを保障しません

このあたりは概ね上図のような形状になっているそうだ。
なので、横浜市最高峰の山より高い場所が存在している。

大平山へは、栄区野七里にある栄プールの裏からアクセスできる。
　

きつい山道が続く

急な坂道を登り続けると、鎌倉天国という山の茶屋にぶつかった。
近くにはこんな看板が設置されている。
　

横浜市最高地点159.4ｍとある

説明書きをよく見ると「最高地点はこの付近になります」というアバウトな表示。これだけデジタル化が進んでいるのだから、正確なポイントを教えてよ！　と愚痴をこぼしそうなるのを抑えて茶屋の人に聞いてみた。
　

茶屋の人はテレビで高校野球を見ていた

横浜市最高地点ってどこなんですか？という問いに対し、答えはあっさり。
「この茶屋の裏だよ。私有地だから、看板はあそこに立ってるの」

見ても良いですかと尋ねると、「良いけど、印も何も無いよ」と言われた。
　

ここが横浜市の最高地点のようだ

木や生えていたり、小屋があったり、これと言って最高地点を感じさせるものは特に無い。
意外と最高地点と言ってもそんなものなのかもしれない。
　

犬がいた

歩くとワンワン吠えられたので、目をやると不思議な犬小屋の中に犬がいた。
横浜で一番高いところにいる犬なので、ちょっと神々しく見つめてしまった。

最高地点を味わえたので、次に最低地点を探すことにする。

最低地点は都市部にあった

最低地点と言って思い浮かぶのは埋立地。または、横浜にも輪中のような場所があるのだろうか。
測量調査を行っている横浜市建設局都市計画課に尋ねてみた。

―横浜で一番低い場所を知りたいのですが
「実は、平成17年までは最低地点を公表しておりましたが、今は最低地点の定義と判断が難しいため公表しておりません」

―以前は、どこを最低地点として公表されていたのですか
「横浜駅西口モアーズの先の川沿い、低くなった台の部分（海抜-6.6m）です。このように非常に細かな部分を出すことになり正確さにも欠けてしまうので、公表をやめた経緯があります」
　

モアーズ前の川の隅にうっすら階段が見える
このあたりを最低地点として公表していたそうだが、確かに釈然としない

ということで、最低地点に関しては非常に判断が難しいことがわかった。

ちなみに、市の測量担当者に聞けば「おそらく、海に近いところに最低地点があると思いますよ」と助言してくれた。
これは地形図をしらみつぶしに調べるしかなさそうだ。
　

横浜市が提供している『i-マッピー』という地図サービスで調べる

無数に表示された標高値を調べていると、桜木町駅の南側に、首都高速横羽線が地下に潜っている部分がある。
その場所の標高は-6.2m。他にもくまなく探してみるが、地図から読み取れるものの中では最も低い点だと思われる。
　

これがその場所。中区桜木町1丁目（-6.2m）

とうことで、横浜の最高地点と最低地点は判明した。だが、どうも腑に落ちない部分もある。
最高地点の標高は159.4m。ランドマークタワーより100ｍ以上も低いのだ。

そう、我々人間は地球にたくさんの構造物を造ってきた。それは地上にも地下にも及ぶ。
本当の最高地点、最低地点とはそうした構造物の中にあるはずだ。

さらなる調査のため、はまれぽでは最高地点と最低地点を考え直すことにした。