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戸塚区の住宅街の中にそそり立ち「メカメカしい何か」で支えられている巨大な板の正体は?

ココがキニナル!

戸塚区俣野町、ドリームランド前福泉寺近くに大きな「板」が民家から出ている。看板ではなく、メカメカしい何かで支えられ、宇宙基地にあってもおかしく無い雰囲気。正体は?(shi-taさん/もきゅおさん)

はまれぽ調査結果!

駐車場を経営する地主が土地の有効活用の目的で建てた、巨大なソーラーパネル。発電された電力は東京電力に売っている。

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ライター:小方 サダオ

巨大な板は何のために立てられたのか?



民家の屋根から大きな板が出ている、という。どれほどの大きさで、何の目的で使うものなのだろうか、キニナル。早速現場に向かうことにした。
 


ドリームランド前の交差点を曲がる


国道1号線を原宿の交差点で曲がり、深谷の交差点で左折、さらにドリームランド前を左折する。
 


福泉寺の交差点


そして福泉寺(ふくせんじ)の交差点のあたりから、住宅地方面をのぞむと、斜めに傾いた大きな板の姿に気づく。
 


巨大な板が建つ場所(青い矢印)
 

民家の間から大きな板が見える
 

こちらから見えるのは板の裏側のようだ


見る角度によっては住宅の上から板がつき出ているように見えるが、よく見ると住宅地の奥にある空き地に建てられた、支柱の上に板が設置されていることが分かる。

住宅の間の道を進むと駐車場に行きついた。敷地内の中央付近に大きな板が立っている。
 


住宅街の道を進み駐車場に入る
 

駐車場を奥へと進むと・・・
 

巨大な板が立っている


こちら側から見えているのは裏側で、骨組みのあらわになった板が堅固な支柱に支えられ、板を稼働させるための装置の様子が分かる。投稿のように「基地に設置されたレーダーシステム」のような外観だ。
 


下のスペースには駐車スペースがある
 

骨組みのある板を支える支柱


さらに近づくと予想以上の巨大さを実感。圧倒されるほどだ。

ちょうど駐車場には数名の人たちが話をしていた。その中の1人にお話を伺うと、この駐車場の所有者の息子さんであった。
そしてこの「板」に関して伺うと「これは太陽光パネルです」と答えてくれ、電話で父親を呼び出してくれた。

そこでこの装置の所有者である、綱島さんにお話を伺った。

 

自然エネルギーへの思いを語ってくれた、綱島さん

 

「私はここの地主で、駐車場を経営しています。2014(平成26)年の10月、空いているスペースを有効活用しようと、このソーラーエネルギーパネルを立てることにしました」
 


駐車場内に立つ巨大なソーラーエネルギーパネル


「横12.7メートル、縦26メートルの大きさで、180枚のパネルを取り付けています。支柱の上にパネルを設置しているので、下のスペースは駐車場として利用できるのです。群馬県の友人のメーカーが特許を取得し製造しているので、依頼し設置してもらいました」

「この型のパネルは、私が神奈川県で民間として初めて導入したものです。また私自身、過去にNTTの仕事をしていて、電力関連の知識があったため、設置もスムーズでした。環境にいい、土地の有効な利用方法だと思います」とのこと。
 


このパネルの導入は神奈川県では民間として初めてだ、という


建設費用などについて伺うと「費用は家一軒分くらいかかりました。しかし約10年で元が取れます。1日45kw、10~15軒分の一日の電力量を発電します。1ヶ月では約25万円分に相当する電力を発電してくれます。その電力は東京電力に売っています。しかしこのソーラーを動かすための電力は、東京電力から買っているのです。またメンテナンス費用は、1ヶ月1万5000円ほどかかります」

「太陽が昇ってから午後5時まで稼動します。夏場と冬場で太陽光の入射角度は違いますが、どちらもエネルギー量は変わりません。しかし曇ってしまいますと、効率は下がってしまいます。4月は天候に期待していたのですが、あまり晴れなくて、残念でした」
 


左側が東京電力から買っている側のメーターで、右側が東京電力に売っている側のメーターだ


「またこれは工作物に当たるため建築許可は要りませんが、経済産業省から発電設備設置認定の許可が必要です。さらに送電線を作る必要があります」と答えてくれた。
 


パネルの横に立てられた送電線


ここで発電量や発電した料金が表示されるディスプレイを見せてくれた。本日は午後1時過ぎの時点で9280円と表示されていた。
「そろそろ1万円超えそうだね!」と綱島さん。
 


発電量などが表示されるディスプレイ
 

本日は9280円相当の発電量がある


続いてパネルの稼働の仕組みに関して伺うと「ボックスの中には油圧式の稼働システムとともに気象庁の季節ごとの太陽の位置に関するデータが入ったコンピューターが設置されていて、1時間に1回角度を調節してくれます」
 


パネルは油圧式の稼働システムだ
 

支柱に取り付けられたボックス
 

ボックスの中には稼働システムとコンピューターが設置されている


「午前3~4時ごろの日の出間近になると稼動しはじめ、自動的に太陽の方角に向きを合わせます。その後は3~4段階に動いて太陽の入射角度と直角になるように角度を調整します。そして午後8時に止まり、元の位置に戻ります」