横浜の○○に聞く。第2回は横浜の大衆演芸を支える芸人さんの想いに迫る!
ココがキニナル!
横浜の○○に聞く! 第2回は横浜でその芸を披露し、大衆演芸を支える噺家さん・芸人のみなさん。芸について、横浜という街について、至高のお話とその様子をちょうだいいたしました
はまれぽ調査結果!
大衆演芸は、日々の生活の中で積もった垢をそっと落としてくれる、身近で大切な心地の良い時間。どの芸人さんも、大衆演芸と横浜をこよなく愛していた
ライター:クドー・シュンサク
大衆の――というと、少しばかり大げさに、絶対数の多い集団(マス・コミュニケーション)のものと、耳に伝わるところもありますが・・・今回は大衆演芸。
ここでの大衆は、生活に近しい存在、身近なものであり手の届くもの、そして親しみが感じられるもの。そんな、大衆演芸を作り、伝え、届ける、芸人のみなさんに焦点をあて、お話を聞くインタビュー企画。
時は平成、港が開けて150余年の街、横浜の大衆演芸を支える芸人のみなさんにお近づきと参ります。
桂一門の若き真打である噺家さん
大衆演芸という響きをひとつ耳にはさむと思い浮かぶのが「落語」。
横浜に一門を構える桂一門において、落語家として岩手県出身者初の真打となった、桂枝太郎(えだたろう)師匠にお話を伺うところから始めたいと思います。
待ち合わせはここ
大衆芸能専門館である「横浜にぎわい座」
こちらの楽屋で撮影を終えたばかりの着物姿で待っていてくださった桂枝太郎師匠とお近づきに。
落語芸術協会・マセキ芸能社所属三代目「桂枝太郎」師匠は中区黄金町在住
枝太郎師匠が十代のころ「ホワイトライス」の異名を持ち、紫綬褒章(しじゅほうしょう)も受章した横浜市出身の落語家、四代目桂米丸師匠の新作落語に深く感銘を受け、岩手県から単身弟子入りのために横浜へやってきたのが1996(平成8)年のこと。ここから落語家としての道が始まった。
米丸師匠に弟子入りを志願したが「こっちのほうがいいんじゃないか」と桂歌丸師匠を紹介してもらい、歌丸師匠の直弟子となる。入門時についた名前が桂歌市。
その歌市の「市」について枝太郎師匠はこう話す。
「横浜に骨をうずめるという思いから横浜市の市をちょうだいさせていただいて」
ほお
と、なんだかなんと申しましょうか、噺家さん特有の「くすぐり」でしょうか。あやしくもクスッとくる空気に楽屋が和みます。それでも「これは本当なんですって」と枝太郎師匠。顔が赤くなっているのは気のせいでしょうか。
その後、横浜にて芸の道に精進し、入門から4年後の2000(平成12)年に二つ目に昇進。その9年後、2009(平成21)年には岩手県出身の落語家としては初の真打に昇進。その時に現在の桂枝太郎の名跡を襲名。晴れて三代目桂枝太郎となる。
二つ目昇進の際にちょうだいした名前が桂花丸。この「花」については、
「横浜を花のように、花々しき町にという思いで・・・ね」とのこと
なにかってぇと横浜。現在37歳。人生の半分以上は横浜に住んでいる枝太郎師匠。横浜愛が非凡なほどまでに感じられます。
印象に残る高座は初舞台の三吉演芸場での一席。前座のころ、右も左も分からない状態で高座に上がり噺を披露。それからも三吉演芸場での一門会では前座のころからずっと見ていてくれた横浜のあたたかいお客さんに二つ目、真打と昇進して、その積み上げた芸を披露し楽しんでいただけるのが噺家としての幸せであり、自分を成長させてくれた横浜の大衆演芸を楽しみにしている皆さんへの恩返しとも話してくれた。
「とにかく横浜という街をもっと笑顔にできるように励む次第ですよ」
と話す枝太郎師匠。ちょっとアツくなっている上の写真。近ごろはアイドルグループ乃木坂46にも落語を教えているという枝太郎師匠。枝太郎師匠がアツくなっているその理由は7月11日(土)に行われる第2回枝太郎祭りについて話が始まったからのようです。
これがそうそうたる出演者と組み合わせでございまして
従来の落語の独演会ではなく、芸術や文化というのは少々頭の隅に寄せておいて、大衆の娯楽を家族、カップル、お友達と一緒に、もちろんお一人でも、気兼ねなく「楽しめる」場としてサーカスや遊園地に来るような気分でいらしてほしいという第二回枝太郎祭り。
古典にとらわれない江戸落語の枝太郎師匠。THE MANZAI優勝者でテレビでもおなじみの漫才コンビ「ハマカーン」に能楽師狂言方和泉流の三宅右矩(みやけ・すけのり)・近成(ちかなり)のご両名。そして上方落語の重鎮、笑福亭鶴光(しょうふくてい・つるこ)師匠。ここまでバラエティーに富んだ演目が楽しめる寄席。
見逃すってぇのは粋じゃないってもんで。ではなく、是非一度、横浜の大衆演芸の新たな形を提示する桂枝太郎師匠の試み、お気軽に足を運んでみてください。
「みなさまのご来場おまちしております」とのことです
横浜の大衆演芸を支える芸人さん。続いては横浜市戸塚区出身のこの方。
落語立川流・立川志の八さん
落語会でお忙しい中、東京都中野区まで追いかけてお話を伺うことに。