横浜「1000ぶら」商店街探訪vol.45 猛暑の中「アツい物」を探して三ツ境南口商店街の老舗店を汗だく取材!
ココがキニナル!
「角よし」でアツいカレー南蛮うどん。「大番」でアツ燗をいただく。三ツ境南口商店街は、イベントに力を入れているアツい方たちの集まりだった。
ライター:山崎 島
猛暑日が続いて、こんなのって130年ぐらいぶりだそうですが、みなさんいかがお過ごしですか? 私は今年もクーラーつけるタイミングを逃してしまい、ずるずると扇風機のみで暑さをしのいでおります。最近、部屋の中より外の方が涼しいことに気が付きました。
そんな暑い日が続く中、何が楽しくて編集部・宇都宮と出かけなくてはならないだろうか。よく分かりませんが、とにかく皆さまはこまめな水分補給と栄養のある夏野菜などを召し上がって、どうぞご自愛くださいまし。
宇都宮がいるだけで3度ぐらい暑くなるのは何故
はい相鉄線三ツ境駅
この日は余裕で30度越え
電車を降りた瞬間、これはだめだと思った。日差しが痛い。外を歩く人たちも日傘をさしたり新聞を日よけにしたりして、足早に建物内へと入っていく。
そして何よりも
宇都宮が暑い・・・見た目ももちろんだが、粘性(ねんせい)のあるチャラさが会話の中や所作にちょいちょい見えるのが本当に暑苦しい。この暑いのにセーターを無理やり着せられてるかんじ。そういう嫌なかんじ。
日差しも担当も暑い今回の1000ぶらは「1000円でアツい物を探す!」。暑い日にこそ見つけるアツいものって、本当にアツいんじゃないか!? という、体育会系なスピリットに見せかけた山崎のM根性というか、趣味です。
では1000ぶらスタート
三ツ境駅南口は坂に沿って二つの商店街が連なっている。坂の上が三ツ境駅前商店会が管理する三ツ境駅前商店街、下は三ツ境商工会が管理する三ツ境中央通り商店街。2つ合わせて三ツ境南口商店街。
まずは一通り三ツ境駅前商店街を歩く
歩いて気が付いたのだが
商店街のあちこちに
古い写真が貼ってある
これは大変興味深い。商店街のビフォー・アフターを眺めながらぶらぶらと歩く。
最初に伺ったのは
威厳のある店構えの「朝日屋呉服店」
お邪魔します
店内には「朝日屋呉服店」のご店主の息子さん・森さんがいらした。お写真はNGだったが、お店の歴史について教えていただいた。
1955(昭和30)年ごろの夏祭りの様子。写真奥には同呉服店の看板が
「朝日屋呉服店」はなんと1953(昭和28)年から営業している。当時三ツ境駅前通り商店街は相鉄の分譲地で、商店街の形ができたのは1955(昭和30)年。商店街ができる前からご商売されてたんだなあ、朝日屋さん。
現在、同呉服店は2代目に当たる、森さんのお母様がご店主なのだそう。幼いころからここに住んできた森さんに、昔の様子をうかがった。
「昔はまだ道路も舗装されてなかったし、この店も平屋だったんだけど、私が小学生の時はにぎわっていたね。まだ計算もできない歳から、正月とか店を手伝っていたよ。40年前はこの通りから少し奥に入ると森だったんだけど、いつだったか忠実屋っていうスーパーができてね。そこからちょっとずつお客さんの動きが変わった」
立派なお神輿だ
「当時は坂の上と下の商店街で対抗意識があって、例えば懸賞なんかでこっちがハワイ旅行を出せば、向こうが沖縄旅行を出したりして、活気があったけど、スーパーができてからは、スーパー対商店街になっちゃって」
「初めは大店法(編集注:大規模小売店舗法/大規模小売店舗の出店に伴い、周辺の中小小売業者の事業活動の機会を保護することを目的とした法律)があったから、それでも流れはあったけどねえ、2000(平成12)年に大店法が廃止されてからはどんどんお客さんが減っちゃったね」
今回で自身3回目となる1000ぶらだが、別の商店街でも、大型店舗が増えたために商店街の利用客が減っているという話は聞いたことがある。
どこもこの問題は深刻なんだなあ
しかし一方で、毎年行われる夏祭りなどのイベントは大いに盛り上がりを見せるのだとか。
「2015(平成27)年は8月1、2日にやったんだけど、すごい人だったよ。外からの人だけじゃなくて、昔ここらへんに住んでいた人たちも帰ってきたりして。同窓会みたいだった」と森さん。
商店街を挙げてのお祭りって、大型スーパーには真似できないことの1つだ。そんな行事が賑わいを見せるのは、まだまだ商店街に底力がある証拠ではないだろうか、と思った。
森さん、ありがとうございました。
次に伺ったのはスギモト理容店
やはり店先に古い写真
お忙しいかとは思ったのだが、少しだけお邪魔しました。
店内は爽やかなグリーンです
そしてちょっと何時か分からないオシャレな時計
そしてご店主の杉本さん
突然伺ったにもかかわらず、気さくにお話聞かせてくださった。
杉本さんは「スギモト理容店」3代目のご店主。同店は1952(昭和27)年ごろに杉本さんのおじいさまが開業されたのだそう。杉本さんご自身は二俣川ご出身だが、幼いころから三ツ境にはよく遊びに来ていたのだとか。
「この店を継いだ理由は、うーん、ずっとやってたからですかねえ。20年前から店に入って、16年前に店主になりました」とのこと。
初代のスギモト理容店
理容店の昔の様子が分かる写真も拝見できた
商店街が抱える問題の1つとして、後継ぎの不在が挙げられる今日、杉本さんのようなお若い方が商店街を支えているのは、何とも心強い。
そんな未来の商店街ホープ・杉本さんの、この商店街でやってみたいことはズバリ「青空カット」。「ハロウィーンなどのイベント時にできるステージ(!)で、ヘアショーをやったら面白いのでは」と杉本さん。
なんたって杉本さん、2015(平成27)年5月に行われた「第65回神奈川理容競技大会」で
盾とか3つもとっちゃってるし。杉本さんのご勇姿、ぜひステージで拝見したいものです。
でで、すっかり忘れてたけど今回の1000ぶらのテーマ、この商店街で「アツい」ものって何かありますか?と質問すると
「うーん・・・」
なるほど!!ありがとうございました。