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泉区中田町、長さ20メートルの道路用地らしきもの、30年以上放置されている理由とは?

ココがキニナル!

泉区中田町の弥生台交差点付近に建設中の道路用地の様なものがあり、長さが20メートル足らずしか無く10年以上も放置されている。何か事情でもある?(BANDO_ALFAさん/山下公園のカモメ)

はまれぽ調査結果!

土地区画整理の範囲内にあったために、1980(昭和55)年に開発業者によって作られた計画道路・環状3号線の一部分。この区間の工事着工は未定。

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ライター:小方 サダオ

住宅街の中を通る短い道路



泉区中田町に、長さが20メートル程度しかない放置された道路があるという。どのようなものなのか? 早速現場に向かうことにした。

国道1号線を不動坂交差点で曲がり、瀬谷柏尾道路を進む。
 


弥生台駅の先の、弥生台交差点の手前にその道路はある

 
新橋町西田橋を左折、、県道 218号線を進み、相鉄いずみ野線・弥生台駅入り口を通過。しばらく進むと見えてくる「かまくらみち」と交差する弥生台交差点の直前に、その道路はあった。
 


218号線を進む
 

かまくらみちと交差する直前にその道路はある
 

住宅と木々に囲まれた短い道路
 

中央のスペースはガードレールで囲われている
 

周辺住宅の車が通行するためのスペースが開けられている

 
幅25メートル、長さ35メートル程度の、真中にガードレールによる囲いがされた空き地が、住宅地の中にポツンと存在する。後ろ側は森のため、両側に立つ住宅のための道路だろうか? それにしては広すぎる。

ここで通りすがりの人に伺うと、計画道路の予定地だという。

そこで空き地の開いた先を見ると、前には横断歩道がある。道路をはさんで向かい側の道路が伸びてゆくと思われる方には、施設やアパートが建っている。この方向に計画されている道路が貫くのだとしたら、すでに立っている家はどうなるのだろうか?
 


後ろ側はガードレールが設置されて行き止まりになっている
 

後ろ側には森が広がる
 

道路の前方
 

前方には会社や住宅が建っている

 
その道路のすぐ隣には、比較的交通量の多い「かまくらみち」が通っていて、この計画道路の一部に比べて対象的だ。
 


瀬谷と鎌倉市を結ぶ「かまくらみち」

 
近くの家の住民に、短い道路に関して話を伺うと「あの道路の前後の土地の買収がうまくいっていない、と聞きました。今この場所は、近くで工事があった際の機械の置き場や、子どもたちの遊び場になっています」と答えてくれた。

また長年この周辺で会社を営むSさんは「この道路は、計画道路環状3号線の一部で、上郷と立場を結ぶそうですが、中田付近で工事が止まっています。土地の価値が上がるので、個人としては通ってほしいですね」

「環状4号線は、出来てから道路の周辺が開けてにぎやかに変わりました。環状3号線を通すのが難しいのなら、この前の道を環状4号線につなげてほしいです」
 


218号線(緑矢印)と環状4号線(赤矢印)をつなげてほしい、というSさん。青矢印は投稿の道路

 
「道路予定地は農地が多いですが、農業の後継者があまりいないので、道路用地として売ったほうが得だ、と考えている人が多いようで、用地取得は難しくないかもしれませんね」と答えてくれた。
 


投稿の道路は住宅地内の一段高い位置(中央の住宅の前方)にある
 

住宅地内(青矢印)から投稿の道路(緑矢印)を見た図
 

周辺には多くの住宅が建っている

 
投稿の道路の周囲には住宅地が広がる。

その住宅地の中ほどの住人に話を伺うと「20年ほど前、環状3号線の反対運動がありました。私の父が反対運動のアンケートに署名していた様子を覚えています。噂では『環状3号線が横須賀の米軍基地からの危険な物資を瀬谷の基地に運ぶルートになる』ということで反対運動が起きた、と聞きました」と答えてくれた。
 


環状3号線予定地の周囲に建つ住宅


住宅地内では、環状3号線建設の反対運動が起こったという。特に道路の周辺の住民にとっては、自分の家の前にさまざまな目的の車が通る幹線道路ができることを考えると、反対への意志が強いかもしれない。
 


投稿の道路に駐車された車




区画整理でできた?

この道路が一部だけ出来ている理由を知るために、この住宅地「泉弥生台住宅地区」について詳しい事情を知る方にお話を伺った。

するとその理由に関して「この道路の区域には、都市計画道路(環状3号線)が計画されています。1980(昭和55)年に行われた、この地域の区画整理(弥生台住宅地・新橋土地区画整理事業)の範囲内に道路が入っていたため、住宅地の開発業者が当該道路までの範囲で開発を行ったものです」

「この道路とつながる予定の都市計画道路の整備がまだ行われていないので、放置されているように見えるだけです」と答えてくれた。
 


区画整理の範囲内に都市計画道路の一部が重なった範囲(黄緑)(横浜市行政地図情報)
 

「泉弥生台住宅地区」に立ち並ぶ住宅

 
この住宅地を開発する際の土地区画整理の範囲内に、計画道路の一部が含まれているために作られたものだという。また1980(昭和55)年の区画整理で作られたもののためとすれば 、30年以上放置されていることになる。

以前、土地区画整理の範囲内に計画道路のトンネル部分が入っていたために、開発業者がトンネルの入り口部分だけを作ることになったケースを取材したことがあるが、こちらの場合も、道路局ではなく、土地区画整理の開発業者が作った道路になるようだ。