期間限定で象の鼻パークを彩る光の祭典 「スマートイルミネーション横浜2015」の初日の様子をレポート!
ココがキニナル!
秋の横浜の定番となった光の祭典「スマートイルミネーション横浜2015」はどんな感じ?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
今回で5回目となる「スマートイルミネーション横浜2015」。参加型の作品の増加などにより、さらに楽しめるイベントに進化していた。
ライター:吉澤 由美子
2015(平成27)年で5回目となった「スマートイルミネーション横浜」。冬にかけて全国各地で盛んになるイルミネーションイベントの先駆けであり、アート色の強さも大きな特長になっている。
水面に映るイルミネーション
今年の「スマートイルミネーション横浜2015」は、10月30日(金)~11月3日(火・祝)の計5日間、象の鼻パークを中心に行われている。イルミネーションなので、開催時間は日の落ちた午後5時からスタート。午後10時まで連日横浜の夜景に彩りを添える。
今年の見どころは、“クイーン”の名で親しまれている横浜税関の建物を擬人化した『たてもののおしばい「塔(クイーン)は歌う」』。声と表情を得た“クイーン”が横浜の歴史を来場者へ語りかけるといった内容らしい。
この歴史的建造物が擬人化される
そして初日の30日には、オープニングイベントとして、公募で集まった「ゾウノハナ合唱部」と“クイーン”がいっしょに歌う、『たてもののおしばい「塔(クイーン)と歌う」』が行われる。
そこで、オープニングイベントを含めた「イルミネーション横浜2015」の初日の様子をレポート。
「スマートイルミネーション横浜」って?
イベント開始前にこのイベントを主催する「スマートイルミネーション横浜」スタート時からの実行委員長であり、以前から横浜市の都市デザインに深くかかわっている都市デザイナーの国吉直行(くによし・なおゆき)さんにお話を伺った。
国吉さん
「横浜の照明は、意図的にカラフルな光を抑えてデザインされています。このイベントは、そんな横浜にいつもとは違う照明を与えることで、もうひとつの新しい横浜を発見してもらうことを意図しています」と国吉さん。
カラフルさが加わった横浜の夜景
これまで横浜市では、文化芸術都市創造政策「クリエイティブシティ・ヨコハマ」を打ちだし、横浜特有の地域資源を生かして都市空間を整備する創造の担い手としてアーティストやクリエイターをバックアップしてきた。
水面に輝く光の影
「スマートイルミネーション横浜」でも、照明デザイナーではなく、アーティストによる作品をメインにイベントを行ってきていることが大きな特徴。
「ギラギラした灯りではなく、優しい光を使ったアーティストの作品を楽しみながら、横浜という街と対話し、見直すきっかけになってくれたらと思っています」
抑えた光が、背景にある本来の横浜夜景に新たな魅力を添える
2014(平成26)年は国の協賛があって海外から参加した作品も多かったが、今年は企業や大学の参加が増えた。「トークサロンで企業や大学とアーティストが今後の方向性を探り、連携も生まれてイベント自体も進化してきています」と国吉さん。
2013(平成24)年の来場者は直撃した台風の影響もあり5万人程度だったか、昨年のこのイベントでは20万人の来場者が訪れた。そして今年はそれを上回る来場者を見込んでいるそう。
お話をうかがっているうちに、そろそろオープニングイベントの時間も迫ってきた。そこで、横浜税関を正面から眺められる象の鼻テラスに移動!
意表を突いたクイーンの姿
あたりはすっかり暗くなり、象の鼻テラスには夜景を楽しもうとやってきた観光客の姿が多い。オープニングイベント目当ての来場者が増えてくるにつれ、「なにかはじまるの?」と辺りの人に尋ねる声が何度も聞こえてくる。
イベント直前の“クイーン”
オープニングイベントが始まる時間には数百人が象の鼻テラスに集まり、山下臨港線プロムナード越しに横浜税関の建物を見上げていた。
灯りのついている横浜税関の部屋の窓にカーテンが引かれる。そして、“クイーン”に光が投影され、塔の部分に“クイーン”の顔が現れると、会場全体がどよめいた。
ドラァグクイーン!?
クイーンはクイーンでも、派手なメイクの女装パフォーマンスであるドラァグクイーンの方だったとは。横浜税関の建物は、指輪物語に出てくるエルフの「ガラドリエル」のように、美しく、正しく、強く、そして優しいイメージだったので、ひっくり返るほど驚いた。
「81年間、ここから横浜を見続けてきて・・・」“クイーン”が話し出す。驚きから立ち直れず、茫然としていると、“クイーン”が「集合!」と呼びかけ、象の鼻パークのあちこちから山下臨港線プロムナード前のベンチに人が集まっていく。
「ゾウノハナ合唱部」と“クイーン”
集合したメンバーは、「ゾウノハナ合唱部」。『ブルー・ライト・ヨコハマ』『ダンシング・クイーン』を合唱団と“クイーン”が歌う。
最後の曲はイギリスのロックバンド「クイーン」の『WE ARE THE CHAMPIONS』。フレディ・マーキュリーそっくりに仮装した合唱団のメンバー2人がパフォーマンスを繰り広げ、来場者も驚きから立ち直ってきたのか、最後にはいっしょに歌う声がどんどん広がっていった。
2人のフレディが熱いパフォーマンス
合唱団とのパフォーマンスはオープニングイベントの初回だけだが、『たてもののおしばい「塔(クイーン)は歌う」』は、連日午後5時~10時まで、1回30分ほどのプログラムを毎時0分と30分に繰り返し流すそう。
少し離れた場所から眺めた“クイーン”
インパクトの強さにヨロヨロしながらも、気を取り直してここからは象の鼻パークや横浜港大さん橋国際ターミナルに展示されている作品を画像中心にご紹介。