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市営バスの接近表示機から流れてくる曲は何?

ココがキニナル!

横浜市営バスの接近表示機の曲名が気になります。片方は「赤いサラファン」だと思う、もう片方は知らん。理由含めて知りたいです。(猫丼さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

バス接近表示機から流れる曲は、『赤いサラファン』と『やさしいネリー』だった。著作権のきれた曲の中から選曲された。

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ライター:カメイアコ

ライター・亀井は、バスを待つことがとても苦手だ。時間通りに来ないとイライラしたり、逃してしまったのではないかとヤキモキしたりする。

しかし、横浜市民にとってバスは重要な足となっているというのは、東京にあこがれない理由は? の街頭インタビュー中によく聞かれたことだ。

1日33万人という屈指の利用者数を誇る横浜市営バス。バスの接近表示機にも大いに工夫が凝らされているという情報を聞きつけ、横浜市交通局を突撃することに。



昔よく歌われていた曲!?

 

横浜市交通局
 

左から春日宏文(かすが・ひろふみ)さんと櫻井利也(さくらい・としや)さん
 

横浜市交通局総務部総務課システム改善係長の春日さんと同課櫻井さんにお話を伺った。

まず、バスの接近表示機というのは、バスがどこの停留所をでて、あとどのくらいで到着するかをディスプレーの文字を通じて知らせるもの。横浜市営バスでは、平成初期から接近表示機より音楽を流すようになり、耳からもバス到着を知らせられるようにという理由から導入されたそうだ。

「バスの接近表示機から流れている曲は、『赤いサラファン』と『やさしいネリー』です」とのこと。『赤いサラファン』は、娘の婚礼衣装をめぐる母の心情を歌ったロシア民謡であり、『やさしいネリー』についてはネットでもあまりヒットしないが、アメリカ出身の作曲家のスティーブン・フォスターの作品、という。

『赤いサラファン』は、カラオケボックスがなかった時代、1955(昭和30)年ごろに流行った“歌声喫茶”でよく歌われた曲だったのではないかとのことだ。

 


接近表示機から流れる『赤いサラファン』
 

接近表示機から流れる『やさしいネリー』
 

曲は横浜駅方向を上りとして、『赤いサラファン』が下り、上りが『やさしいネリー』が流れるという。著作権が切れていて、使用料がかからない曲の中から選んだそうだ。

 

しかし、横浜ならではの曲を選ぼうという提案はなかったのだろうか
 

「当時を知る人もほとんど定年退職されていて、決定当時の事情はよく分かりません。これは憶測になりますが、横浜で有名な童謡といえば『赤い靴』があり、しかし、メロディーや歌詞の内容が悲しいこともあって、接近表示機のメロディーとしては選ばれなかったのではないでしょうか」と苦笑する春日さん。

 

連れられていっちゃったら大変
 

耳になじみやすい童謡にすることで、お年寄りから小さな子どもまで、愛着を持ってもらえるということなのだろう。

「近年、省スペース・低コストで設置できるタブレット端末の接近表示機を徐々に増やしています。課題は音を出すことで、今のソフトウェアでは残念ながら音を出すことが難しいのです」

 

バス業界も着々とIT化が進んでいる
 

では、タブレット端末で音が出せるようになったら自由度も高まるので、メロディーのラインアップも増やす予定もあるということだろうか。

「表示器から出る音が騒音だと感じる方もいて、夜間は自動的に音量が小さくなるように工夫しています。近くにお住まいの方、ご利用のお客様のご迷惑とならないよう、慎重に進めていきたいと思っています」

 

メロディーが流れると、目が不自由な人にもバスの到着が分かりやすい
 

接近表示機から流れるメロディーは、「視覚障がいをもつお客様から、これは音声案内機。とても便利!」という反響があったそうだ。そのくらいバス利用者に浸透しているメロディーなので、『赤いサラファン』、『やさしいネリー』から曲を変更する予定はないようだ。

どのような人も利用しやすいように、ぜひタブレット型の接近表示機からも音が出るようになってほしい。

ただ、接近表示機はすべてのバス停に設置されているわけではなく、横浜市内のバス停約2900ヶ所のうち、ボックス型、パネル型合わせて85箇所、道幅が狭いところ用に壁に埋め込むタイプのタブレット型バス接近表示器を110台設置しているそうだ。設置費用はボックス型、パネル型が工事費込みで大体70~80万円程度、タブレット型は30万円程度。それぞれ大体10年以上は使用することが可能だという。

 

元町はボックス型
 

吉浜橋はパネル型
 

ボックス型、パネル型ともメロディーが流れたあとに「まもなく○○系統○○行のバスが参ります」とアナウンスされる。「バスが行ってしまったのか、それとも今から来るのかを知りたいお客様がほとんどだと思います。接近表示機がなかった時代は電話でよく問い合わせがあったはずです」

通勤や通学で毎日バスを利用する人々にとって、バスが行ってしまったのか、これから来るのかという問題は、できるだけ早く解決したいものだ。

「自家用車や電車など、移動手段が多様になってきたときに、バス独自のサービスを充実させることが利用者を増やし、気持ちよく乗っていただけることに繋がると考えました」

 

どこまでバスがきているのか、まだ運行しているかどうかも表示される
 

では、横浜駅で接近表示機について聞き込み開始