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みなとみらいのごみは地下システムで一気に収集されるって本当?

ココがキニナル!

みなとみらい地区では、各施設から出たゴミを地下の管路(共同溝)を通して一箇所に集めているようです。どういう仕組みなのか気になる!また数年内に廃止するという話も・・・調査お願いします。(幸人さん)

はまれぽ調査結果!

ごみ収集システム「みなとみらい21管路収集システム」は、リサイクル法施行後、ごみ回収量が減少し老朽化もあるため2017年度末で運用終了

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ライター:すがた もえ子

今回は横浜みなとみらい21地区で、各施設から出たごみを地下の管路(共同溝)を通して一箇所に集めているという投稿である。地下の設備を利用してごみを集めているなんて近未来的と思ったが、廃止の話も出ているとか・・・

どういう仕組みで、どんなシステムなのだろうか? 実際に現場へ取材に伺ってみることにした。



みなとみらい21・クリーンセンターへ



今回取材に伺ったのは、桜木町にある公益財団法人横浜市資源循環公社のみなとみらい21・クリーンセンター(以下、クリーンセンター)。

 

JR桜木町駅下車、徒歩約7分
 

一部オフィススペースの複合ビルとして活用しているクリーンセンターは、みなとみらい21地区の地下の管路を利用したごみ収集の総合的な管理運営を行っている場所だ。

 

周辺から出されたごみはここに集まってくるという
 

お忙しい中ありがとうございます
 

今回ご対応いただいたのは、横浜市資源循環局適正処理計画部施設課の月本康之(つきもと・やすゆき)施設係長(右)と、公益財団法人横浜市資源循環公社事業課の金沢友秋(かなざわ・ともあき)施設係長。

まずは、みなとみらい21地区の地下にあるごみ収集のシステムについて尋ねると「管路を利用したごみ収集システムは『みなとみらい21管路収集システム(以下、管路収集システム)』といいます」と月本施設係長。

その管路収集システムとはどのような仕組みなのだろうか? 管路収集システムについての資料用ビデオを視聴させてもらった。管路収集システムは、みなとみらい21地区の地下に各施設からごみを収集できる管路を設置し、施設のごみを直接回収することができるシステムのようだ。

 

ピンク色の場所が収集エリア(2004〈平成16〉年11月、画像提供:横浜市資源循環公社)
 

各施設にはごみの投入口が設置してあり、施設の地下にある貯留槽にごみを溜めていく。溜まったごみは貯留槽から空気を利用して管路を通り、クリーンセンターに集まるという仕組みだ。

現在はパシフィコ横浜やヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルなど16ヶ所で利用されているとのこと。ピーク時は22件の利用施設があったという。

 

ごみの流れと仕組み(画像提供:横浜市資源循環公社)
 

この管路収集システムを利用しているのは、商業施設や企業ビルなどになる。横浜市のまちづくりの基本方針により、住宅の利用が除外になっているため、一般家庭やマンション以外の施設が利用している。また、捨てられるごみの種類は事業系一般廃棄物の「燃えるごみ」のみになる。

いつでもごみを出せ、集積場所へ運ぶ手間が省けるという点は、利用者にとってはとても便利だろう。

 

システムの特徴は理想的にも思える(画像提供:横浜市資源循環公社)
 

衛生的かつ効率的に収集できる、画期的で未来的な印象の管路収集システムだが、計画がスタートしたのは1983(昭和58)年である。

「ゴミの衛生的、効率的な収集と排出の利便性及び地域環境の美化向上」を図ることを目的に、国のモデル地区としてみなとみらい21地区に管路収集システムの建設が始まり、1991(平成3)年4月に運用が開始した。管路収集に関連する施設整備費は、約95億円とのこと。

 

投入口施設全体配置図。紫の線が管路の位置になる※クリックして拡大
 

共同溝に設置された管路は、東西でメインのパイプが2本。みなとみらい21地区の開発の状況にあわせて整備され、全長7kmの長さがある。上の図を見ると、街区内に管路が伸びているが、今後建設される施設が使用できるように管路のみ事前に設置されているそうだ。

 

管路敷設状況※クリックして拡大
 

管路収集システムを利用する場合、施設を建設時に各事業者の負担で設備の設置工事が必要になる。設備費用については、状況がさまざまであるため不明とのこと。

 

投入口へいつでもごみを捨てられるというのは利点(画像提供:横浜市資源循環公社)
 

また、管路収集システムを利用する契約金は無料だが、ごみ1kgにつき26円(運搬費込)の手数料がかかる。施設ごとに収集したごみの重さを測り、都度手数料を計算していく仕組みだ。

 

収集された後の仕組みはこちら(画像提供:横浜市資源循環公社)※クリックして拡大
 

施設から出されたごみは、管路を通りクリーンセンターへ集まってくる。

 

施設に設置されている投入口(画像提供:横浜市資源循環公社)
 

施設の地下には貯留槽があり、ごみを溜める(画像提供:横浜市資源循環公社)
 

貯留槽に溜められたごみの収集は、月、火、金、土の週4回、午前8時30分から午後5時の間に行われる。収集時間になると施設ごとの吸気口が開かれ、クリーンセンターに設置されている送風機が作動する。

 

管路を通りクリーンセンターへごみが運ばれる(画像提供:横浜市資源循環公社)
 

送風によって運ばれたごみは、分離機と除じん機でごみと空気に分けられる(画像提供:横浜市資源循環公社)
 

ごみは圧縮機よって圧縮されコンテナへ(画像提供:横浜市資源循環公社)
 

ごみでいっぱいになったコンテナは移動装置で車に乗せられる(画像提供:横浜市資源循環公社)
 

コンテナ車によって焼却場へと運び出される(画像提供:横浜市資源循環公社)
 

従来の収集方式と比べてみても効率的で、ごみが路上に出ないぶん衛生的だ。