戸塚区の住宅街、平日2時間だけ営業するラーメン店に突撃!
ココがキニナル!
横浜新道上矢部インター出口にある「らあめん藤浪」はなんで平日の昼2時間しかやってないのか謎/会社勤めの身ではなかなか行けないので気になっています(えぶだえさん/R.Hさん)
はまれぽ調査結果!
居酒屋と兼業しているため、平日昼の2時間のみ営業。動物系と魚介系を合わせたスープのラーメンと、常連さんしか知らない裏メニューを紹介!
ライター:はまれぽ編集部
「平日のお昼時、2時間しか営業しないラーメン屋!? 知る人ぞ知る伝説のラーメン店に違いない!」
ゆとり世代のど真ん中を謳歌した、24歳編集部・黒澤の「レアな店=特別美味しいメニューがある」という単純な思考から取材を決行することに。
そのお店はJR戸塚駅と東戸塚駅の中間辺りにあり、それぞれの駅から徒歩では30分ほどかかるらしい。簡単にはたどり着けないのか。ますます名店のにおいがしてきた。
矢印が戸塚駅と東戸塚駅。その中間あたりに店舗は位置する。※クリックで拡大
今回はJR戸塚駅東口ロータリーからバスで向かうことに。
神奈中バスに6番乗り場から乗車。店舗最寄りの「上矢部インター」バス停を目指す
横浜新道の高架を潜り抜けてすぐ左手に・・・
バスの中から店舗を発見!
一見、普通の一軒家だが、ここが「伝説のラーメン店(黒澤の想像)」なのか? 「上矢部インター」バス停を降り徒歩約1分、突撃取材を試みる。
確かに土曜・日曜が休みで、営業時間は2時間のようだ
2時間営業の真相は!?
到着したのは開店直前の午前11時20分ごろ。取材で訪れたことを伝えると、すぐさま「中に入って~」とすんなりOKが出た。突然ですみません。
「まだお客さん来ないからいいよ~」と店主の尾身敏(おみ・さとし)さん。
ゆっくりと優しく、時折「ラーメンは儲からないよ~」などと冗談っぽく笑って見せる尾身さんから、飾らない人柄が伝わってくる。少年時代に出会った友人のおもしろいお父さんといった感じだ。
開店直前ということもあり、単刀直入になぜ月曜日~金曜日のお昼時の2時間しか営業しないのか伺うと「居酒屋もやってるから」との答えが。
「午後1時30分に閉店して、それから居酒屋の買いものと仕込みがあるでしょ。居酒屋は午前1時くらいに片付けが終わるし、翌朝は9時にラーメンの仕込みを始めるから、2時間営業が体の限界なんだよね」
どうやらもともと「藤浪」という店名の居酒屋さんを経営しており、夜の居酒屋さんの営業に支障が出ないように、昼の2時間のみ営業することになったという。
ラーメン店出店までの経緯を回想する尾身さん
高校を卒業してすぐ横浜の調理学校に通った尾身さんは、その後和食店で修業を積む。そして23歳のときに地元戸塚で独立した。これが話にあった居酒屋店「藤浪」なのだそう。それから30年以上経った現在、場所こそ何度か移動したものの、長年地元で愛される“老舗”になっているようだった。
同店から、県道401号線沿いを瀬谷区方面に歩いて7分ほど
「ふぐ」の看板が目印の居酒屋店「藤浪」がある
しかしなぜ和食の居酒屋さんがラーメン店を出店するのか。それは尾身さんの食への愛から生まれたものだった。
尾身さんはもともと料理が好きで和食の道に進んだが、ラーメンを食べることも負けないくらい大好きで、各地を食べ歩いていたという。
食べ歩きを続けるうちに「自分でもラーメン店をやりたい」と思うようになった。それからというもの、いつか来る「ラーメン店開業」の日に備えて約20年間、人知れずコツコツとラーメン開発を行っていたそうだ。
そして転機が訪れる。近所の元そば店の物件が売りに出されているのを見つけ、店の設備はラーメンにも使えると考え、購入。2015(平成27)年6月に長年の夢を果たすことになったのだ。
確かにあちらこちらに・・・
そば店の面影が残る
テーブルやイスもそのまま使用しているとのこと
インタビュー中ほどなくすると、お客さんが来店。ここで調理の様子を撮影させていただくことに。
ゆったりとした語り口とは一転、軽快なフットワークをみせる
ゆで麺機もそば店のものをそのまま使っている
チャーシューは肩ロースを使用
麺は細麺、中麺、太麺から選べる
細麺、中麺は「ラーメンの鬼」故・佐野実氏開業の「支那そばや戸塚本店」のものを使用
尾身さんは佐野実氏を敬愛する、大の「支那そばや」ファンだという。その魅力を伺うと「ナイスボデー! って感じ。とにかく美しいんだよ」とのこと。細かい説明は不要! 一目惚れと同じ感覚らしい。
丁寧に盛り付けをして
はいっ完成!
調理風景を見ていたらおなかがペコペコに。あぁ早く食べたい・・・。いてもたってもいられず客席へ駆け込む。