戸塚区の住宅街、平日2時間だけ営業するラーメン店に突撃!
ココがキニナル!
横浜新道上矢部インター出口にある「らあめん藤浪」はなんで平日の昼2時間しかやってないのか謎/会社勤めの身ではなかなか行けないので気になっています(えぶだえさん/R.Hさん)
はまれぽ調査結果!
居酒屋と兼業しているため、平日昼の2時間のみ営業。動物系と魚介系を合わせたスープのラーメンと、常連さんしか知らない裏メニューを紹介!
ライター:はまれぽ編集部
キニナルお味は? いざ実食!
慌てて席についた正午過ぎ、続々とお客さんがやってきた。作業着を着たお兄さんや小さな女の子を連れたお父さん、OL風のお姉さま2人組など客層はさまざまのようだ。
一気に混み始めた店内に申し訳なさを感じつつ、臆せずメニューを確認。
手書きのメニュー表にも個人店らしい味わいがある
塩、しょうゆ、みそ、ニンニクのラーメンに、カレーや丼もある。全て味わってみたいが、黒澤は編集部・関本のような大食漢ではないため、1食しか食べられない。悔しい思いをしつつ、1番人気だという「塩らあめん」を頼むことに。
「塩らあめん(650円〈税込〉)」
スープは豚、鶏、ニボシとシジミで動物系と魚介系のブレンド。野菜は季節に合わせて旬のものを使うとのこと。尾身さんのお父さんが自家栽培している野菜を使うこともあるのだとか。
まずはスープを一口すする。ニボシの香りがふわっと最初に舌を鼻をと潜り抜け、次に鶏、豚の柔らかい味に包まれる。後からやってくる塩の風味がさわやか。30年以上和食を作り続けている技によるものだと、若輩者の黒澤にすら伝わる。うまいっす。
自撮りなのでカメラの角度をチェック。我ながらこの顔イラッとする
カメラに気を取られて上手に食べられないが、うまい
細麺ながらも麺にスープがよく絡み、つるつると入っていく。肩ロースのチャーシューも、あっさりとしたスープによく合う優しい味わい。むし鶏も入っており、見た目以上にボリュームがある。
あっという間にごちそうさまでした
普段は脂っこさに負け、スープを残す黒澤だが、あっさりとした出汁のおいしさにいつの間にか飲み干していた。
美味しいラーメンで食欲を満たし、大満足していると、スーツをピシッと決めたサラリーマンが入店。すると「彼に何でも聞いていいよ!」と尾身さんの声が飛ぶ。
仕事のお昼休憩でよく立ち寄るという常連の林さんだ。
林さんにおすすめを伺うと、「僕は『カレーつけ麺』ですね」とさらりと言う。あれ? そんなのメニューにあったっけ?
「『カレーつけ麺』はよく来ている常連さんに教えてもらったんです。ほんとに美味しいんですよ」と続ける林さん。
常連の2人しか知らない超裏メニュ―「カレーつけ麺」とは・・・?
常連さんの要望で生み出された「カレーつけ麺(750円〈税込〉)」はメニューには書かれていない、いわゆる「裏メニュー」。しかも林さんとその常連さんの2人しか知らないという「超」がつく方の裏メニューなのだ。
奇跡的なタイミングを逃す手はない! 「きょうは塩ラーメンの気分だったのに・・・」というつぶやきはスル―して、林さんにカレーつけ麺を頼んでいただいた。
スパイシーなカレーにガーリックフライがたっぷり
麺は牛スジの出汁に浸っている
出汁とカレーを別にしているのは、カレーの濃さを調節して好みの味で食べてほしいという思いからだという。また、この出汁はカレーつけ麺専用だが、常連さんが来たときのために常備しているとのこと。心遣いがあたたかい。
そして食事の撮影にまで付き合ってくれる林さんもあたたかい(そしてお待たせしてごめんなさい)。
カレーを麺にたっぷり絡み付けて
よーい
どんっ!
すさまじい勢いで麺をすする林さん。それなのにカレーがスーツに全くはねない。これが「常連さん」と呼ばれる所以なのか。力の差(?)を見せつけられ呆然とする黒澤をよそに、みるみるうちに麺が減っていく。
「牛スジの出汁だけでも美味しいですよ。カレーはスパイシーでコクがあっていつも頼んじゃいます」と食事に夢中になりながらも、忘れずにコメントもくださった。
営業時間も終わりに近づき、最後に今後の展開について尾身さんに伺ってみたが・・・。
「特にないよ。『お客様は“金”様だ』って言ってね。いいものを作ればお客さんがいっぱいお金を使ってくれるから、ずっと変わらず美味しいラーメンを作り続けるだけ。ラーメン店はお金が入ってくる趣味みたいなものだからね」
最後までひょうひょうとしていて、ちょっとつかみどころのない尾身さん
しかし、ラーメンについて話す言葉のはしばしに、陰の努力と強いこだわりを感じた。
取材を終えて
会社勤めの方が行けないとの投稿があった旨を伝えると、おちゃめに「有給取れば来られるよ」とおっしゃっていたのだが、確かに休みを取ってでも食べに行きたいお店だった。
口では「浮気症だから仕入先をコロコロ変えるの」「お客さんのためじゃないよ。自分のためにいいものを作ろうとしているだけ」と言うがどの言葉にもトゲがなく、短い取材時間だけでラーメンへの愛、お客さんへの愛が溢れていることを感じとれた。
2店舗を切り盛りする大変さは計り知れないが「らあめん藤浪」のご主人は「こんな人になりたい」と思わせる方だった。
――終わり――
〈店舗情報〉
らあめん藤浪
住所/神奈川県 横浜市戸塚区上矢部町213-10
定休日/土曜日・日曜日
営業時間/11:30~13:30
藤浪
住所/神奈川県 横浜市戸塚区 上矢部町 1900-12
電話/045-812-7327
定休日/日曜日
営業時間/17:00~23:00
えこりさん
2016年05月16日 10時49分
我ながらイラっとする・・に笑ってしまって、イラっとしませんでした(^○^)
八景のカズさん
2016年05月16日 09時41分
中々貴重なお店ですね。裏メニューがあるってことは、お客のリクエストレシピで別メニューも出来る可能性があるってことですね。まずは全種制覇して何か出来るか考える必要がありますが。
ホトリコさん
2016年05月15日 19時24分
佐野実さんは偉大だと思います。麺だけ利用した塩らあめん、駒沢で久し振りに醤油らあめんを食べたときに、やはり本人が作ったものと何かが違うのですが、こちらも家系と違う「系譜」を脈々と引き継いでいます。よし、ラーメン食うためだけに仕事休んでみましょうか。