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湘南モノレール550形551編成、6月26日のラストランの様子は?

ココがキニナル!

6月26日でラストランを迎えた湘南モノレール551編成。イベントも多く行われていたようですが、当日の様子はどうだったの?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

1988年に登場した湘南モノレール500形が完全引退。最後の551編成は運転席のある前面を残すカットモデルで保存。今後は5000系のみによる運行となる

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ライター:紀あさ

梅雨も半ば、夏は近い。夏といえば海、海といえば湘南。

湘南の海に行くのに、空から向かう列車があるのをご存じだろうか? 大船と江の島を結ぶ湘南モノレール。このたび、その湘南モノレールの500形551編成車両が引退するという。ラストランは2016(平成28)年6月26日。いざ湘南へ。
 


ラストラン前の数日間、HPに551編成の運行情報が出ていた(湘南モノレールHPより)
 

さまざまなラストランイベントがおこなわれた湘南モノレールだが、まずその成り立ちから見てみよう。



湘南モノレールとは



湘南モノレールは、大船~湘南江の島間を、わずか14分間で結ぶ6.6kmの路線。モノレールというと、東京モノレールのような1本のレールにまたがって走る「跨座式(こざしき)」をよく見るが、湘南モノレールは「サフェージュ式」という、ぶらさがるタイプの懸垂式モノレールだ。

「サフェージュ式」は走路が雨雪にさらされないため、天候にかかわらず安定走行できることや、走行系メカニズムの技術によって単線構成も可能など、さまざまなメリットがある。
 


懸垂式の湘南モノレール
 

この「サフェージュ式」の導入・拡販を目的に、1966(昭和41)年4月、三菱重工・三菱電機・三菱商事・京浜急行などが合弁で「湘南モノレール株式会社」を設立。営業運転開始は1970(昭和45)年3月で、約半世紀も昔から空を駆けてきた。利用者は年間約1000万人にのぼる。

その後、同社の株式が2015年(平成27)年6月、三菱グループから、みちのりホールディングスに売却された。551編成ラストランを前に、同年10月から取締役社長に就任した尾渡英生(おわたり・ひでお)さんと、総務部長の土田祐二(つちだ・ゆうじ)さんに、お話を伺った。
 


最新の5000系・ピンクリボン号の前で、尾渡社長(右)と土田部長
 

湘南モノレール車両の遍歴は、1970(昭和45)年に初代の300形が誕生。1980(昭和55)年に400形、1988(昭和63)年モノレール初の冷房車500形が登場し、最新の5000系は、2004(平成16)年6月に披露された。
 


左から300形、400形、500形、5000系(同社HPより)
 

500形と5000系の最高速度は同じで、営業時速としては75km。最大の違いは消費電力。 500形に対し、約20%の省電力化を実現した。
 


「速度計は120kmまで刻まれていますが、出せるコースがありません」と土田部長
 

500形が退いたあとは7編成の5000系で運行することになるが、尾渡社長によると
 


「湘南モノレールは1日中7分間隔でご乗車いただけます」
 

と驚きの利便性をもつダイヤを実現している。

「モノレールは、大船から山をふたつ越えて江の島の海へと出て行く大変楽しい乗り物」と語る尾渡社長のオススメは「JRが出している『鎌倉・江ノ島パス』。1日700円で、鎌倉・江の島エリアのJR線だけでなく、湘南モノレールと江ノ電も乗り降り自由になるのです」とのお得な情報。
 


「3つの違う乗り物に乗って、海・山・古都と全部楽しんでいただけたらうれしいです」
 

他社のフリー切符なのに・・・海は広いし、心も広い・・・。

5000系のみでの新運用となる湘南モノレール、今後のビジョンは「地域の人への交通インフラとしてしっかりサービスしたい」と手堅い。「収入を安心・安全に再投資し、さらに50年、未来に引き継ぎたい」という。

そうだ、きょうはラストランと言っても廃線ではない。未来へ手渡すための、過去への感謝の1日。さあ、ホームに出かけよう。