祀っているのは「亀の子たわし」? 本牧にある不思議な神社の由来に迫る!
ココがキニナル!
三渓園行く途中に、亀の子束子をまつった神社があります。由来を調べて下さい。(もまさん)
はまれぽ調査結果!
喉の病気が治るという言い伝えがある亀の子石神社。祀られていたのは「たわし」ではなく「亀の子様」と呼ばれる石だった
ライター:福原 麻実
神社ではたいてい、実在の人物や伝説上の人物を「○○の神様」として祀(まつ)っていることが多いように思う。ほかには山や木のような、自然物が祀られていることもあるようだ。そして、動物を象ったものがある神社も存在する。
たとえば「撫で牛」がある牛嶋神社(東京都墨田区)や、鼠の像がある杉山神社(横浜市西区)、ほかにも狛犬の代わりに蛇やうさぎが置かれている神社もあって、そのバリエーションや由来を調べるのはなかなか面白い。
動物が一般的(フリー画像より)
しかし、今回の投稿にあるのは「亀の子たわし」だ。
亀ではなく、亀の子たわし。た・わ・し!?
ヤシ目ヤシ科ヤシ属の樹木「シュロ」で作られたあのたわしですよね? 庶民的な日用品であるたわしが祀られる理由がまったく分からない。
早速調査へ!
たわし、ですか?
たわしが祀られている? 神社へ
投稿者は三渓園に行く途中で、偶然その神社を見つけたはず。インターネットで検索すると、三渓園最寄りの「三渓園前」バス停から三渓園までの間にある神社は「亀の子石神社」のようだ。
「亀の子石」? 「たわし」ではなく「石」? ますます「たわし」を祀っている理由がキニナル。
三渓園からは徒歩3分といったところだろうか
とりあえず、現地に行ってみることに。
「本牧三渓園前」、バス停から近い亀の子石神社
バス停からは地図を頼りに徒歩1分。本牧クレールというパン屋さんの十字路を曲がる。
周辺は静かな住宅街
上記の写真を撮ったこの位置から左を向くと・・・
亀の子たわしが見えた!
ここ
祭壇だろうか、高いところにいくつも置かれている。
大切にされてはいるのだろうが、祀られているというより「置かれている」。なんというか無造作な印象を受ける。とりあえず、たわしが確認できたので入り口にまわる。
細長い三角形の敷地
鳥居にある神額(しんがく)には、「亀の子石神社」と書かれている。
黒っぽく、しかも陰になっていて読みにくい
その左隣、看板には・・・
「亀の子石の由来」(こちらの看板は新しく読みやすい)*クリックして拡大
「日本昔ばなし」みたいで面白い話だが、たわしで喉をこするという痛そうな治療(?)といい、神様へのお供え物を借りて茶碗を洗ってしまうという行為といい、昔の人はずいぶん大胆だ。
咳にはたわしではなく、普通これでは?
そして、なぜ石化した大亀が、喉を守ってくれる神様になったのだろう?
ここに祀られているのは、亀の子石という石で、たわしはお供えされているものだ、ということが分かったところで、境内に入る。
落ちているセミ(怖かった)を避けて参道の真ん中(神様の通り道)を踏んでしまった
清め・・・られそうにはない、でもすごく古いというわけでもなさそうな水
枯れてはいるけれど、供えられた花はまだ新しい
神職の方が常駐している神社とは違うからか、なんだか管理が行き届いていないように思えたが、祭壇の上は少し違った。
祭壇の上「亀の子石」と刻まれた石碑の下には
亀の形の石が
看板には「大亀」が石化したという「亀の子石」だが、意外に小さく、かわいらしい姿をしている。「亀の子石」にも石碑にも汚れがなく、大切にされている印象だ。
神社全体の管理はなかなか行き届かないながらも、ここだけは丁寧に守っているということだろうか。大切にされているであろう石の手前にはずらりとたわしが並ぶ。
なんだかこの光景・・・
「亀の子石」とたわしがみんなで
「だるまさんがころんだ」をしているようで微笑ましい
生き物に見えてきた
近所の方々にお話を伺ったが、由来をご存じの方はおらず(看板あるのにな)、お話したどなたも参拝したことはないとのことだった。いわゆる「土地神様」ではないのだろうか。
この時点で分かったことは、「あまり地元の方はご存じない」「祀られているのはたわしではなく、亀の子石」「たわしはお供えされているもので、喉の病に苦しむ子のためにお借りすることができる」「この神社について詳しいのは本牧観光協会」くらいだろうか。
そして、分からないのは「なぜ亀が、喉の神様と言われるようになった?」「海から離れたこの神社で、なぜ漁網に引っかかった亀の伝説がある?」「今この神社を守っているのは、看板に書かれていた横浜本牧観光協会?」
海からは少し離れているような・・・
それにたわしと亀の関係もキニナル
まだまだ分からないことがたくさんあるので、看板にあった「横浜本牧観光協会」に行くことに。
教えて! 会長さん・・・キニナル続きは次のページ≫