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祀っているのは「亀の子たわし」? 本牧にある不思議な神社の由来に迫る!

ココがキニナル!

三渓園行く途中に、亀の子束子をまつった神社があります。由来を調べて下さい。(もまさん)

はまれぽ調査結果!

喉の病気が治るという言い伝えがある亀の子石神社。祀られていたのは「たわし」ではなく「亀の子様」と呼ばれる石だった

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ライター:福原 麻実

横浜本牧観光協会へ



亀の子石神社について詳しく知るため、横浜本牧観光協会に向かった。
 


寿司屋さん兼観光協会


詳しくお話を聞かせてくださったのは、会長の鶴田理一郎(つるた・りいちろう)さん。過去に「本牧カレー 」や「マイカル本牧」の記事でもお世話になった方だ。
 


著書と一緒に写真に写ってくださった鶴田さん


おもむろに資料をとりだし・・・


教えてくださったのは、一つの口伝だった。

昔、本牧の地で漁が行われていたころのこと。ある日、漁師が引き上げた網に一匹の亀の子が引っかかっていた。船底に放り出された亀の子は、子どもたちに蹴られたりして死んでしまった。その夜、時期外れの大嵐に襲われたため、人々は「亀の子の祟りだ」と思い、その亀を供養するために掘り返したが、その亀は石に姿を変えていた。哀れんだ老女がその石になった亀を撫でると、持病であった喘息が治ったという。

これが亀の子石の由来であり、この亀が喉の神様となった理由なのだ。

さらに、お供え物について伺ったところ、「亀の子石」と「亀の子たわし」は全く無関係だとのこと。
 


え!? まさか、関係ないの?


たわしがお供えされた理由は、貧しかった時代において家庭にあるものの中では高価だったからだという。精一杯のお供え物だったそうだ。

亀の子石と亀の子たわしには、関係があるわけではなく、人々が信仰心ゆえに「良い物」をお供えした結果だったといえるだろう。

そしてもうひとつの「海まで少し距離のある場所に、なぜ漁網に引っかかった亀の伝説が?」という筆者の疑問も解けた。ここは、かつては海辺だったのだ。
 


埋め立てによって地形が大きく変わった


本牧観光協会にはかつての本牧海岸(八王子海岸)の写真まであった




亀の子石が神社に祀られている理由とは?



最後の疑問は、亀の子石神社と横浜本牧観光協会の関係だ。
亀の子が姿を変えたという亀の子石。人々は「亀の子様」と呼び、祀ったのだが、それはいつから、誰の手によってだろうか?

鶴田さんによると「亀の子石は、同じく本牧にある『吾妻神社』にあったが、祭壇を設けるなどきちんと祀られていなかったため、当時、三之谷(さんのたに)の町内会長をしていた鶴田さんが『亀の子様』の保存会を結成した」という。

保存会は1948(昭和23)年、三渓園への通り道となる現在の場所に「亀の子石神社」を作り、そこに亀の子石を祀った。多くの人が立ち寄りお賽銭をしてくれることで、維持ができるようにという狙いもあったようだ。
 


この細長い三角形の土地も、三渓園と同じく原氏の所有である


昔の色あせた看板。書かれている口伝は今と同じ


過去に神奈川新聞にも掲載されたそうだ


このあと、亀の子石が吾妻神社にあったころの記録を探したが、吾妻神社も管理するお三の宮日枝神社では亀の子石に関する記録や当時を知る人の証言がなく、また資料となる文献も残念ながら見つけられなかった。

亀の子様が亀の子石神社に祀られるまでの所在や様子は、記録には残っていないが、民話の時代から現在まで、多くの喉の病気に悩む人やその家族が亀の子様のもとを訪れ、たわしをお借りし、お返ししている。

おそらく、記録上の空白期間に関しても、同じように人々は亀の子様を信仰していたのだろう。
 


花も供えられていたし


三渓園に来た人だけでなく、遠く北関東からも参拝しに訪れる人もいるという亀の子石神社。最近では「喉の神様」として、がんなどの喉の病気に悩まれている人や、歌が上手になりたい人が参拝しているという。

現在のニーズにマッチして今でも方々から参拝者が訪れるようだが、鶴田さんは「近所の方は来ないね」とおっしゃっていた。



取材を終えて



この地域がもっと海に近かった時代から、長らく「亀の子様」の民話は語り継がれ、神社では三ノ谷の町内会によって(時折)清掃がなされ、亀の形をした不思議な石は祀られ続けている。

ちなみに看板にあった「亀の子たわしを倍にして返礼する習わし」とは、たわしを1個お借りして、新しく2個買ってお返しする風習なのだそうだ。
 


よく見れば新しいたわしが2つある。願いが叶って倍にして返したのだろうか


28歳で喘息の診断を受け、長男も喘息持ち・・・という筆者も、今度は取材ではなくてたわしをお借りするために訪れようと思う。

ところで、お借りしたたわしは保管するのだろうか。傷むまで使って処分するのだろうか。処分するならどのようにするのが良いのだろうか? そのあたりの作法をご存じの方は、はまれぽまでお知らせください。

ー終わりー

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  • どこか釈然としない。石の亀は小さくて話に合わせてそこらの庭用の石を持ってきたもの思えるし、地元で信仰が続いていないのも変。過去に信仰されていた記録がないのも、これが比較的新しいものであることを伺わせる。三渓園行楽と地域振興のために、戦後適当につくった話なのではなかろうか。(それが良い悪いという話ではないけれど。)

  • 神社を作ったのが鶴田さん、今も語り継いでいるのも鶴田さん?もしかして地元住民の中でも、鶴田さんくらいしか知っている人はいない?遠くからくる人たちが何を見てここの神社に来るのかキニナル!もしかしたらそのガイドブックとかにたわしの保管も書かれてたりして。

  • 最後の締めに「お借りしたたわしは保管するのだろうか」と読者に問いていますが、これも地元住人に聞き取りするのもライターの仕事でしょ。ちょっとツメが甘かったね。しかし相変わらず絵が上手いしカワイイです。

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