横浜市内の数ある坂のなかで、もっとも急な坂は果たしてどこなのか？

この疑問に答えるべく始まった調査の第7弾。今回は緑区・青葉区編である。
この2区を測り終えてしまったらあとは都筑、港北、鶴見、神奈川の4区のみ。

このまま、まさかの瀬谷区が逃げ切るのか？われわれは太陽の降りそそぐ、それでいて空全体に靄がかかったような奇妙な天気のなか、車を発進させた。

今回もまず、急坂の認定基準を確認しておく。

「車が通行できる」
「公道」
「行き止まりにならない（通り抜けられる）」
「短すぎない」

以上の4つである。
ちなみに、坂の何ヶ所かを計測し、最も大きな角度をその坂の角度とする。また、％表示も併記する。
　

ここまでの1位は瀬谷区相沢4丁目にあった坂の20°（36.4％）

緑区を測る

記者は走る車のなかで、戸塚区の土木事務所で聞いた話を思い出していた。

「港北区、都筑区、緑区、青葉区は土地区画整理に入っちゃってるから、山をカットしても事業費としてトントンになるところは山を切ってしまう」。つまり急坂になるような山は削り取られてしまうということだ。

それは緑区には急坂がほとんど存在しないかもしれないということを意味する。
果たして実際はどうなのだろうか。


緑区鴨居4丁目9付近「鴨居小学校への坂」…8°（14％）
　

長さといいカーブといい、１坂目からなかなかだが角度は優しめ

緑区鴨居4丁目18付近「ココストア横の坂」…5°（8.7％）
　

坂の向こうは低くなっていて杉山神社方面に緑が広がる

緑区鴨居2丁目14付近「東本郷マンション前の坂」…７°（12.3％）
　

優しい坂が続く。それにしても眺めは最高

緑区台村町362付近「台村町交差点横の坂」…11°（19.4％）
　

中山駅近くの台村町交差点に現れたなかなかの坂

　

ググッとのぼって11°。坂下の導入部分は瞬間的に13°をマーク

緑土木事務所へ

投稿があった坂は以上である。いずれも優しさ溢れる坂なのはやはり「山をカット」してしまったせいなのだろうか。
それでもどこかに急坂が眠っているのではないか？

われわれは今回もまた土木事務所にお世話になることにした。
　

土木事務所に到着。緑区だけに看板は緑色

　

それぞれの係のプレートも緑色。コーディネイトしやすい区だ

職員の方に急坂情報についてきいてみると「うーん、なんともいえないなあ」という言葉が。

坂はたくさんあるが、急な坂となるとあまり記憶にないようだ。たしかに道路係の職員とはいえ、路面や標識の管理や補修が仕事であって、坂の角度を気にしながらパトロールをしているわけではない。

そこを何とか、とお願いすると「なんともいえないけど」と繰り返しながらいくつかの坂を教えていただけた。