3ヶ所ある「横浜三塔物語」のビューポイント、今でも見ることができるのか ?
ココがキニナル!
神奈川県庁・横浜税関・横浜市開港記念会館が地上から同時に見える場所は3ヵ所あるのですが、高い建物が増えた現在でも確認できるのでしょうか?(箱入り娘さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
三塔周辺の建物は、市の条例などで規制が設けられている為、現在でも確認できる。ただし、客船やイチョウの葉によって見えない場合がある。
ライター:河野 哲弥
歴史的建造物横浜三塔のおさらい
赤レンガ倉庫をはじめとして、横浜には、大正から昭和の初期にかけて建設された歴史的建造物が数多く残っている。
その中でも代表的な観光名所として親しまれているのが、神奈川県庁本庁舎、横浜税関本関庁舎、横浜市開港記念会館の各建物で、それぞれ愛称がつけられ、併せて「横浜三塔」と呼ばれている。
「キングの塔」~神奈川県庁本庁舎、全長49m、1928年完成
所在地: 横浜市中区日本大通1
「クイーンの塔」~横浜税関本関庁舎、全長51m、1934年完成
所在地: 横浜市中区海岸通1-1
「ジャックの塔」~横浜市開港記念会館、全長36m、1917年完成
所在地: 横浜市中区本町1-6
このうち最も歴史の古い横浜市開港記念会館は、横浜港開港50周年を記念して、市民からの寄付を募って建てられた。残る二塔は、関東大震災の復興事業によって、市と国によって建築された。
一面がれきの山となった震災後の横浜にあって、この三塔は、特に目立った存在だったのだろう。そのそれぞれのニックネームは、当時横浜港を目指す外国人船員たちが、手にしていたトランプに例えて名付けたらしい。
以後、さまざまな建物が三塔を覆うように立ち並び、その姿を同時に見ることのできる場所は限られてくるようになった。そしていつしか、それを可能にする3カ所のポイントを全て回ると「願いがかなう」という都市伝説が生まれた。俗に言う、「横浜三塔物語」である。
さらに2007年、横浜観光コンベンション・ビューローが毎年3月10日を「横浜三塔の日」と決めると、都市伝説は格好の観光資源となった。今では市などによるイベントなどが開催され、さまざまな土産物なども誕生している。
しかし、本当に三塔を一望できるのだろうか。
Webで調べてみると、赤レンガ、日本大通り、大さん橋の3カ所が該当するようだ。
黄色で示した場所が「横浜三塔物語」の舞台
それぞれの場所には、目印となるサインもあるそうだ。まずは「赤レンガパーク」から行ってみよう。
ポイント1.「赤レンガパーク」
三塔の撮影後、「象の鼻パーク」を抜ける形で歩いていった。
ところどころで振り返りつつ進んでいくと、なんと、いきなりの偶然が…
「象の鼻パーク」からも見ることができた
分かりにくいので、「ジャックの塔」拡大
地図をよく見てみると、「象の鼻パーク」は「赤レンガパーク」と同一線上にあることが分かった。
従って、このライン上であれば、例えば海上からでも一望は可能ということになる。逆にこれ以上近づきすぎると、「ジャックの塔」の視界が遊歩道の陸橋で遮られ、完全な姿で見ることは難しくなってくる。
では、「赤レンガパーク」まで引くとどうなってくるのだろう。
「赤レンガパーク」にあるサイン
コッチの方が、見栄えがする
どうやら、「象の鼻パーク」に新たな建物でもできない限り、この展望は守られそうだ。