横浜のクリーニング店で見かける「かわいすぎるクマ」の謎を探れ!
ココがキニナル!
「ラブリークリーニング」はクリーニング屋さんですよね。先日初めてトラックを見ました。そのイラストがかわいいのなんのって! これはいつ頃から使用されていて、どんな方が描いているかキニナル(エニグマさん)
はまれぽ調査結果!
30年近く前の店のビニール袋に描かれたイラストに手を加えたもの。社外デザイナーの作品だがすでに故人となっており、作者の詳細は不明
ライター:はまれぽ編集部
「ラブリークリーニング」と言われてピンと来ない方も、こちらのロゴ(ラブちゃん)が付いたピンク色のクリーニング店の看板なら見覚えのある方は多いのでは?
こんな外観のお店にいる
この子。名前は「ラブちゃん」
キニナル投稿に寄せられたクマ&シロクマが描かれたトラックの写真を見て 「なんてかわいいんだ!」と思わず興奮してしまったので、取材を申し込んだところ快く応じていただいた。
こちらが投稿にあった写真
ラブリークリーニングに突撃!
取材場所に指定されたのは、横浜市営地下鉄グリーンライン都筑ふれあいの丘駅から徒歩数十歩の「ラブリークリーニングふれあいの丘店」。
しかし取材当日は、電車のダイヤが乱れるほどの強風と大雨。
いっそ、いま着ている洋服をこのままクリーニングしてほしい・・・
お店のそこかしこにクマのイラストが
窓にも
のぼりにも!
ラブリークリーニングを運営しているのは、1952(昭和27)年設立のその名も「ラブリー株式会社(以下、ラブリー)」。横浜と川崎で85店舗(2017<平成29>年7月現在)を展開中とのこと。
お話を伺ったのは、同社チェーン本部営業部長の西河栄子(にしかわ・えいこ)さんと法人営業部部長代理の窪田隼一(くぼた・じゅんいち)さん。
西河さん(左)と窪田さんをパチリ
さて今回のキニナルに寄せられたイラスト起用には、感動のストーリーが隠されていた。その主人公というのが、西河さんなのだ。
もともと、ラブリークリーニングの店舗のオーナーだった西河さんは1992(平成4)年に本部に入社。かれこれ30年以上ラブリーの業務に携わっている。
社内で知らない人はいないというほどの"レジェンド" 的な存在で、オーナー時代には、「店の前に車が停まっただけでお客様を特定し、引き取りの品物を用意。決してお待たせしない接客をしていた」という伝説を持つ。
キニナル投稿のカギを握るお2人
話を戻し、イラストについて聞くと、窪田さんが熱っぽく語ってくれた。
「一昨年(2015<平成27>年)、棚卸しや大掃除をしていたら、35年ほど前に弊社で使用していた品物を返却するためのビニール袋が出てきたんです。そこに描かれていたイラストを見て、これはお洒落で良いんじゃないかと。新鮮で今こそこれだ! と血が騒ぎました(笑)」と窪田さん。
これが窪田さんの血を騒がせたビニール袋
偶然見つけた窪田さんとは対照的に、"レジェンド"西河さんの頭の中にはしっかりとこの絵が記憶にあって、「実はずっと探していた」のだという。
このレトロなイラストは店舗の看板やポスター、袋に使われていた。しかし、いつの間にかクマがネコになったりと「迷走」したとのこと。しかし、西河さんはなんとかリバイバルさせたいなと思っていたそう。
当時の資料。確かにネコのイラストが
なぜそこまでクマにこだわるのかと聞くと、西河さんが入社を決めたきっかけというのが、「クマとシロクマのイラストが可愛くて、こんな会社なら楽しく働けそうだな」という思いがあったからだという。
西河さんによると、現存していたのは、このたった1枚のビニール袋だけだそう。リバイバルに際し、モノクロをカラーにし、上の窓から眺める女性もラブちゃんに変わった。
今回の取材に際して、西河さんも窪田さんも社内の資料を調べたり、社員に聞き取りをしてくれた。しかし、この絵を描いたのは社外のデザイナーということまでは分かったが、高齢のため既に他界。名前だけでなく、そのほかの情報も一切不明だった。
これが
こう生まれ変わった
イラストのリバイバルはお客様やスタッフからも大反響を得ており、クマ&シロクマのイラストが人生を決めたといっても過言ではない西河さんにとっては、本当に嬉しい出来事となったそう。
「どうしてもあのイラストを使いたい!」という2人の想いが社内にも伝わり、配送のトラックは順次このイラストに変えているとのこと。もしかしたら、そのデザイナーも天国からトラックを見て喜んでいるかも。
天国からでも見えるぐらい目立っていますか?