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公開は年に1度! 登録有形文化財に登録された金沢区の「旧長濱検疫所一号停留所」とは?

公開は年に1度! 登録有形文化財に登録された金沢区の「旧長濱検疫所一号停留所」とは?

ココがキニナル!

金沢区長浜の「旧長濱検疫所一号停留所」が、2018年5月10日に登録有形文化財に登録。年に1度しか公開されない施設内部ってどんな様子?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜最古級の洋風建築の中には、野口英世博士が従事した記録をはじめ検疫所に関する貴重な資料ばかり。現在は明治150年の一般公開に向けて修復中

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ライター:はまれぽ編集部

2018(平成30)年5月10日、金沢区長浜にある「旧長濱検疫所一号停留所(厚生労働省横浜検疫所検疫資料館)」が国の登録有形文化財に登録された。
 


明治中期に建設された横浜最古級の洋風建築

 
旧長濱検疫所一号停留所は、1877(明治10)年以降に国内外で大流行したコレラの侵入や蔓延を防止するために、明治政府が現在の横須賀市長浦に設置した「長浦検疫所」が、1895(明治28)年3月に「長濱検疫所」として金沢区長浜へ移設した施設。

年に1度、施設内の一般公開を行っている以外、基本的には中の様子を見学することはできない。今回は特別に、施設内の様子を見学させていただいた。
 
 
 

旧長濱検疫所一号停留所


 
旧長濱検疫所一号停留所(以下、一号停留所)は、上等船客用の停留施設として1895(明治28)年3月に完成。1923(大正12)年9月の関東大震災によって倒壊したが、翌年復旧工事を行い現在に至っている。
 


床面積393.96平方メートルの木造平屋。草木が生い茂っている

 
建物は東西に長く、南面の両端が突出した「コの字」の左右対称型の建物。外観は南京下見(なんきんしたみ)板張と上下窓(あげさげまど)を基調としている。
いかにも「洋館」といった雰囲気がお洒落だ。
 


談話室の外観

 
8つの部屋(1室2名用)と、突出した部分に食堂・談話室が位置している。現在は検疫所に関連する資料などを各部屋に展示し、施設公開日に一般公開しているそうだ。
 


当時のままのガラスは厚みにばらつきがあり、歪んで見える


それでは、お邪魔します!

 
まず、入り口からすぐの食堂から。
 


窓がたくさんあって室内は明るい

 
室内には、一号停留所で使用されていた食器類や調理道具、照明器具や当時の貴重な資料などを保存してある。
停留施設でありながら、当時の欧米列強にならって上級の船客、船員に対してもてなしを施せるようにシャンデリアや装飾的な壁紙を使用。食事も一流の洋食を提供していたという。
 


施設内で使用した食器類


長濱検疫所と書かれた湯のみ


大小さまざまな電球


高級そうな置時計


今では珍しい地球鉛筆も

 
ホーローの給水器や年代物の洋食器なども保存されており、この場所に停留していた人が心を安らげるひとときを過ごしていた風景が思い浮かぶ。

続いて、旧長濱検疫所の変遷を展示してある部屋へ。
こちらには、当時の建物の写真や使用していた看板などのプレートが保存されている。
 


事務所、迎賓館、一号停留所の写真


手前から焼却炉のふたと消防設備に取り付けられていたプレート


横浜検疫所(現在、一号停留所が保存されている場所)の看板


一号停留所の玄関に掲げられていたもの


施設全体で使用していた鍵


各部屋のプレート

 
印刷された文字ではなく、人の手によって書かれた味わいのある文字が魅力的だった。字は体を表すと言うが、パソコンや携帯電話の普及で文字を書く機会がグッと減った現代だからこそ、その時代を生きた人の文字には惹かれるものがあるのかもしれない。