西洋歯科医学発祥の地「横浜」に、歯科医師の復職をサポートする取り組みがあるって本当?
ココがキニナル!
歯科医学は横浜発祥。更に神奈川県歯科医師会は、「歯科医師復職支援講習会」という形で現在も“日本初”のチャレンジを続けていた! 次回は2019年2月に開催予定。(はまれぽ編集部のキニナル)
ライター:はまれぽ編集部
※この記事は神奈川県歯科医師会のPR記事です※
鉄道からテニスにクリーニング、さらには筆者の愛するビールまで。
横浜を発祥とするモノコトは数あれど、意外に知られていない(と思われる)のがこちら。
西洋歯科医学。
今回は身近な歯医者さんの、横浜にまつわる2つの“日本初”を掘り下げてみたい。
“日本初”の西洋歯科医学は横浜発祥!
というわけで、一般社団法人「神奈川県歯科医師会」を訪問。
専務理事の守屋義雄(もりや・よしお)先生によると、
「1865(慶応元)年10月に横浜居留地108番地で開業した、ウィリアム・クラーク・イーストレーキ氏が「近代歯科医学の父」と呼ばれています。当時のアメリカにおける最新の歯科医学を日本に伝え、居留地に住む外国人や、横浜港に寄港する客船を利用する人たちを対象に“日本初”の西洋歯科に基づく歯科治療をしていました」
「1881(明治14)年、3度目の来日時に開設された中区山下町の歯科診療所跡には、『我国西洋歯科医学発祥の地』の碑が建立されました。それが8年前に歯科医師会の前に移設されたんです」とのこと。
イーストレーキ氏以前にも国内で虫歯の治療は行われていた。平安時代には医科の一つとして口中科があり、江戸時代になると専門職の入れ歯師が、入れ歯づくりや治療、抜歯を行っていた。しかしこれらは上流階級や収入のある人たちを対象としたもの。庶民が歯痛に悩まされた場合、たとえば江戸時代では神仏に祈ったり痛み止めの薬を虫歯の穴につける程度だったそう・・・考えただけでもゾッとしてしまう。
本格的な歯科治療が広まったのは明治期になってから。1876(明治9)年に、小幡英之助(おばた・えいのすけ)が日本最初の歯科医師として開業したのを契機に、1884(明治17)年に歯科医術開業試験制度が発足。以後、日本人歯科医師が続々と誕生したのだ。
そんな、西洋歯科医学発祥の地・横浜を拠点に活動しているのが「一般社団法人神奈川県歯科医師会」。神奈川県内で約4000人の歯科医師が所属し、健康診断事業や障害者治療などを展開。県民の公衆衛生の向上を通じて社会に貢献している。
横浜拠点の同会が、“日本初”の試みを行っていると聞けば興味を持たずにはいられない。
2018(平成30)年2月、国内初の「歯科医師復職支援講習会」を開催し、今後も継続予定なのだという。
講習会については常務理事の小笠原美由紀(おがさわら・みゆき)先生と、男女共同参画委員会委員長の森哲久(もり・のりひさ)先生からお話を伺えた。
小笠原先生曰く「男女共同参画社会をつくるために、女性の働きやすい職場づくりと同時に、結婚、出産や病気、介護などのライフイベントにより休職している主に女性歯科医師の職場復帰を支援する必要があるということで開催されました」とのこと。
技術も機器も日進月歩で進化を続ける歯科医療の世界。保険制度の更新も2年ごとにあり、一度でも現場を離れた歯科医師にとって、職場復帰には大きな壁が立ちはだかるという。
しかし、歯科医院は小規模な施設がほとんどで、産休や育休の制度が整っていることはあまりないそうだ。
「さらに、手技が中心となる医療ですから、手を動かさないことにははじまりません。だから、最新の知識や制度を学べる座学講座と、技術を身につけることのできるハンズオンセミナーの2本柱で講習会を行ったのです」と、森先生。
お話の通り講習会には、「歯科関係法令」や「ここだけはおさえておきたい医療保険」などの講義に加えて、「歯冠形成・印象採得」、「エンドの手技(機械的根管拡大・根管洗浄)」、「歯周治療」、「CPR(心肺蘇生法)」といった最新の技術の実習もあるのだ。
そのほかにも、インプラントや歯科用レーザーなどのメーカーによる最新機器の展示解説などもあるという。
初の開催となった2018(平成30)年2月の講習会には、30代から60代まで、女性を中心に休職中の有資格者が参加。運営の先生方も驚くほどの熱心さで学びに取り組んだという。
受講者からは、「現場で使われている歯科材料の紹介、実際に模型上で体験できる歯冠形成や根管治療、さらに保険についての講演などすぐに役立つカリキュラムで有意義な内容だった」といった声が寄せられた。
森先生は語る。
「もちろん、この講習会さえ受ければ即現場復帰OKとなる方ばかりではないかもしれません。それでも、『いずれは復職を』と考えるすべての方の背中を押すきっかけになればと思うのです」
健康寿命を支える歯科医師の復職支援は急務
現在、歯学部に通う学生の半数は女子であり、歯科医師国家試験合格者の2割を女性が占めているという。
しかし、多くの女性歯科医師がなんらかのきっかけで現場を離れてしまう。こうしたマンパワーの回復こそが、県内の歯科医師不足を補い、私たちの暮らしをよりよいものとしてくれる。
講習会では訪問診療の現状や必要なスキルについても学べ、参加者からは「訪問診療のアプローチの仕方がよく分かり、現場で生かされている」といった声も寄せられているという。高齢化社会が進むに連れ、健康寿命延伸が求められるなかで、口腔内を健康に保つことが全身の健康につながるという認識も広がってきた。
今度はここ横浜が今後の神奈川県民の健康寿命延伸を支える“復職歯科医師発祥の地”となるのかもしれない。
そんな希望を抱かせてくれる「歯科医師復職支援講習会」、次回の開催は2019年2月17日(日)に決定している。歯科医師会会員、会員家族のほか、非会員の受講も可能なので、ブランクのある歯科医師資格所持者の皆さま、もしくは身近にいるという方はぜひチェックしてみてほしい。もちろん男性歯科医師も大歓迎。
申し込みの締め切りは2019年1月31日(木)だ!
さまざまな横浜発祥を取材してきたはまれぽだが、西洋歯科医学まで横浜発祥とは驚いた。150年も前の“日本初”と、21世紀の“日本初”、どちらもその根底にあるのは社会貢献への熱い思いだというのも頼もしい限りだ。
ー終わりー
一般社団法人神奈川県歯科医師会
住所/横浜市中区住吉町6-68
電話/045-681-2172
営業時間/9:30~17:30
定休日/土曜日、日曜日、祝日
https://www.dent-kng.or.jp
https://www.dent-kng.or.jp/colum/active/1041 (復職支援講習会のページ)
鉄道からテニスにクリーニング、さらには筆者の愛するビールまで。
横浜を発祥とするモノコトは数あれど、意外に知られていない(と思われる)のがこちら。
どーん
西洋歯科医学。
今回は身近な歯医者さんの、横浜にまつわる2つの“日本初”を掘り下げてみたい。
“日本初”の西洋歯科医学は横浜発祥!
というわけで、一般社団法人「神奈川県歯科医師会」を訪問。
中区住吉町の「神奈川県歯科医師会」
熱烈歓迎!
専務理事の守屋義雄(もりや・よしお)先生によると、
「1865(慶応元)年10月に横浜居留地108番地で開業した、ウィリアム・クラーク・イーストレーキ氏が「近代歯科医学の父」と呼ばれています。当時のアメリカにおける最新の歯科医学を日本に伝え、居留地に住む外国人や、横浜港に寄港する客船を利用する人たちを対象に“日本初”の西洋歯科に基づく歯科治療をしていました」
港北区日吉本町で「もりや歯科医院」を開設されている守屋先生
「1881(明治14)年、3度目の来日時に開設された中区山下町の歯科診療所跡には、『我国西洋歯科医学発祥の地』の碑が建立されました。それが8年前に歯科医師会の前に移設されたんです」とのこと。
付近には、同じく歯科界の発展に貢献したエリオット氏について記された「西洋歯科医学勉学の地」の碑文もある
イーストレーキ氏以前にも国内で虫歯の治療は行われていた。平安時代には医科の一つとして口中科があり、江戸時代になると専門職の入れ歯師が、入れ歯づくりや治療、抜歯を行っていた。しかしこれらは上流階級や収入のある人たちを対象としたもの。庶民が歯痛に悩まされた場合、たとえば江戸時代では神仏に祈ったり痛み止めの薬を虫歯の穴につける程度だったそう・・・考えただけでもゾッとしてしまう。
本格的な歯科治療が広まったのは明治期になってから。1876(明治9)年に、小幡英之助(おばた・えいのすけ)が日本最初の歯科医師として開業したのを契機に、1884(明治17)年に歯科医術開業試験制度が発足。以後、日本人歯科医師が続々と誕生したのだ。
詳しくは一般入館OKの「歯の博物館」(予約制)へ
神奈川県歯科医師会が取り組むもう一つの“日本初”
そんな、西洋歯科医学発祥の地・横浜を拠点に活動しているのが「一般社団法人神奈川県歯科医師会」。神奈川県内で約4000人の歯科医師が所属し、健康診断事業や障害者治療などを展開。県民の公衆衛生の向上を通じて社会に貢献している。
横浜拠点の同会が、“日本初”の試みを行っていると聞けば興味を持たずにはいられない。
2018(平成30)年2月、国内初の「歯科医師復職支援講習会」を開催し、今後も継続予定なのだという。
次回講習会のリーフレットがこちら
講習会については常務理事の小笠原美由紀(おがさわら・みゆき)先生と、男女共同参画委員会委員長の森哲久(もり・のりひさ)先生からお話を伺えた。
小笠原先生曰く「男女共同参画社会をつくるために、女性の働きやすい職場づくりと同時に、結婚、出産や病気、介護などのライフイベントにより休職している主に女性歯科医師の職場復帰を支援する必要があるということで開催されました」とのこと。
小笠原先生は日吉本町で「ミユキ歯科医院」を開設されている
技術も機器も日進月歩で進化を続ける歯科医療の世界。保険制度の更新も2年ごとにあり、一度でも現場を離れた歯科医師にとって、職場復帰には大きな壁が立ちはだかるという。
しかし、歯科医院は小規模な施設がほとんどで、産休や育休の制度が整っていることはあまりないそうだ。
「さらに、手技が中心となる医療ですから、手を動かさないことにははじまりません。だから、最新の知識や制度を学べる座学講座と、技術を身につけることのできるハンズオンセミナーの2本柱で講習会を行ったのです」と、森先生。
森先生には新横浜の「森歯科医院」でお会いできる
お話の通り講習会には、「歯科関係法令」や「ここだけはおさえておきたい医療保険」などの講義に加えて、「歯冠形成・印象採得」、「エンドの手技(機械的根管拡大・根管洗浄)」、「歯周治療」、「CPR(心肺蘇生法)」といった最新の技術の実習もあるのだ。
長いブランクのある方でも手の感覚を取り戻していける
座学のみならず、実践的な内容が魅力だ
そのほかにも、インプラントや歯科用レーザーなどのメーカーによる最新機器の展示解説などもあるという。
ベビーシッターが来る予定なので小さなお子さんがいる方も安心
初の開催となった2018(平成30)年2月の講習会には、30代から60代まで、女性を中心に休職中の有資格者が参加。運営の先生方も驚くほどの熱心さで学びに取り組んだという。
講義の様子
受講者からは、「現場で使われている歯科材料の紹介、実際に模型上で体験できる歯冠形成や根管治療、さらに保険についての講演などすぐに役立つカリキュラムで有意義な内容だった」といった声が寄せられた。
森先生は語る。
「もちろん、この講習会さえ受ければ即現場復帰OKとなる方ばかりではないかもしれません。それでも、『いずれは復職を』と考えるすべての方の背中を押すきっかけになればと思うのです」
受講者には修了証も授与される・・・というわけで「はまれぽ.com」もちゃっかりいただくことに
小笠原先生から授与されるのは・・・
はまれぽベテランの西村
「額装して編集部に飾らせていただきます!」※この修了証はダミー
健康寿命を支える歯科医師の復職支援は急務
現在、歯学部に通う学生の半数は女子であり、歯科医師国家試験合格者の2割を女性が占めているという。
しかし、多くの女性歯科医師がなんらかのきっかけで現場を離れてしまう。こうしたマンパワーの回復こそが、県内の歯科医師不足を補い、私たちの暮らしをよりよいものとしてくれる。
講習会では訪問診療の現状や必要なスキルについても学べ、参加者からは「訪問診療のアプローチの仕方がよく分かり、現場で生かされている」といった声も寄せられているという。高齢化社会が進むに連れ、健康寿命延伸が求められるなかで、口腔内を健康に保つことが全身の健康につながるという認識も広がってきた。
時代の要請ともマッチした取り組みだ
今度はここ横浜が今後の神奈川県民の健康寿命延伸を支える“復職歯科医師発祥の地”となるのかもしれない。
ここ横浜から新たな風を・・・
そんな希望を抱かせてくれる「歯科医師復職支援講習会」、次回の開催は2019年2月17日(日)に決定している。歯科医師会会員、会員家族のほか、非会員の受講も可能なので、ブランクのある歯科医師資格所持者の皆さま、もしくは身近にいるという方はぜひチェックしてみてほしい。もちろん男性歯科医師も大歓迎。
申し込みの締め切りは2019年1月31日(木)だ!
取材を終えて
さまざまな横浜発祥を取材してきたはまれぽだが、西洋歯科医学まで横浜発祥とは驚いた。150年も前の“日本初”と、21世紀の“日本初”、どちらもその根底にあるのは社会貢献への熱い思いだというのも頼もしい限りだ。
ー終わりー
一般社団法人神奈川県歯科医師会
住所/横浜市中区住吉町6-68
電話/045-681-2172
営業時間/9:30~17:30
定休日/土曜日、日曜日、祝日
https://www.dent-kng.or.jp
https://www.dent-kng.or.jp/colum/active/1041 (復職支援講習会のページ)
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