今回は、「東急東横線の綱島駅周辺は新業態の1号店が多いと感じられる」というキニナル投稿。筆者は綱島に住んで20年以上たつが、そういわれてみればここ2～3年、個人商店らしくない、かといって大手チェーン店には見えない飲食店をよく見かけるような気がする・・・。

もし、投稿通りこれらの店がチェーン店の新業態1号店であるのなら、いきなり綱島に出店するというのは不思議な気がする。例えば「マクドナルド」「スターバックスコーヒー」「いきなり！ステーキ」は銀座店。牛タン専門店「ねぎし」「カレーショップ Ｃ＆Ｃ」は新宿、というように通常は、人が集まり注目度の高いトレンドスポットに出すのが定石ではないだろうか。

特急列車も止らず、特に名所もないような住宅街の綱島に1号店を出す理由が見つからない。はたして、本当に綱島には新業態の1号店が多いのだろうか。ここ2～3年内にオープンした「もしかしてチェーン店の新業態1号店？」と思われる店を調べてみることにした。

2015年から2016年にかけて、新業態の店がオープンラッシュ！

綱島駅の東口に2015（平成27）年6月にオープンしたコッペパン専門店「パンの田島」は、ドトールのグループ会社で、東京・埼玉を中心に約40店舗のパン専門店を展開している「株式会社サンメリー」の新業態1号店。ちなみに以前はパン専門店の「リトルマーメイド 綱島店」があった場所だ。

　

「パンの田島」は綱島が1号店。京都や川口を含め全国15店舗を展開（2019年2月1日現在）
　

ほかには、2016（平成28）年1月に綱島駅西口側にオープンした、オシャレな焼き肉店「WOLFMAN'S GRILL（ウルフマンズグリル）」。2017（平成29）年に閉店しているが、この店も「鳥良」「磯丸水産」を運営する「SFPホールディングス株式会社」の新業態1号店だった。

さらに2016年10月には、先ほどの「パンの田島」近くに「やきとりスタンダード綱島店」がオープンする。この店も「塚田農場」、「四十八漁場」などを展開している「株式会社エー・ピーカンパニー（以下、エー・ピーカンパニー）の新業態1号店だった。

　

「やきとりスタンダード綱島店」。現在都内を中心に6店舗展開
　

「やきとりスタンダード」オープンと同時期には綱島駅の西口側に串焼き専門店「うっとり綱島」もオープンしている。こちらは千葉県・東京都で3業態・17店舗の飲食事業を展開している「株式会社そら」の、神奈川県での1号店とのこと。

また、1号店ではないが、閉店した「WOLFMAN'S GRILL」の跡地に2017年6月にオープンした「銀だこ鉄板道場」は「築地銀だこ」初の“セルフたこ焼”業態で、綱島店が神奈川県で1号店になる。先に出店している赤坂見附店はオフィス街、浅草橋店は観光地ということで集客が見込めるのは分かるが、なぜ次が綱島なのだろうか。

　

「築地銀だこ」の新業態「銀だこ鉄板道場　綱島店」は綱島店が3店舗目
　

さらに「かき小屋○座」の後に串揚げ店として2017年11月30日にリニューアルオープンした「KINKUSHI（金串）」も、「くいものや わん」など多くのチェーン居酒屋を運営する「株式会社オーイズミフーズ」の新業態1号店。オーイズミフードのホームページを確認すると、「金串」は綱島店1店のみだった。

　

「KINKUSHI（金串）」。写真右は、リニューアルオープン時のチラシ
　

直近では、2019（平成31）年1月29日にオープンした「HEGISOBA & GALETTE ISSHIN.（ヘギソバ アンド ガレット イッシンドット）」。この店も、株式会社ISSHINホールディングスが運営する「越後へぎそば 一真」の新業態1号店だ。

　

そば粉を使ったフランスの郷土料理「ガレット」やタパス風のおつまみも提供
　

調べてみると確かに、大手飲食会社の新業態1号店が、綱島駅周辺に多く出店しているように思う。この事実に、綱島在住の人はどのように思っているだろうか。