検索ボタン

検索

横浜のキニナル情報が見つかる! はまれぽ.com

  • 36年ぶりに完全復活「横浜銀蝿 40th」。オリジナルメンバーで再結成!
  • 神奈川県内の横浜家系ラーメン店がどこにあるか地図からすぐわかる!横浜の観光情報「よこはまっぷ」
  • イベント開催、店舗オープン、新商品発売などリリース情報を配信したい方へ
  • はまれぽ.comにあなたのお店・会社を無料で掲載しませんか?

「ラグビー発祥の地」記念碑の建立場所は、なぜ中華街なの?

「ラグビー発祥の地」記念碑の建立場所は、なぜ中華街なの?

ココがキニナル!

ラグビー発祥地の横浜の記念碑はなぜ中華街に建立なの?日本で最初にラグビーをしたのは横浜公園辺りで日本人初は日吉の慶應大学グランド(RWC-RICKYさん、ナチュラルマンさん、ジャン・ヨコハマさん)

はまれぽ調査結果!

日本人初のラグビーチームは慶応大学だが、1866年に発足した横浜フットボールクラブが日本のラグビーの始まり。設立総会が行われた山下町に日本の「ラグビー発祥の地 横浜」の石碑が建立される

  • LINE
  • はてな

ライター:山口 愛愛

ラグビーの発祥は慶応大学なのかYC&ACなのか・・・

いよいよ、2019年9月2日~第9回ラグビーワールドカップが日本で開催される。日本ではもちろん、アジアでの初開催となり注目が集まっている。
会場は、東京都調布市に構える東京スタジアムや大阪府東大阪市の花園ラグビー場など全国12都市に分散して行われるが、最も収容人数の多い日産スタジアム(横浜市港北区)では決勝を含めた7カードが行われ、ハマっ子の期待が膨らんでいる。
というのも、ラグビー関係者をはじめハマっ子には、日本での“ラグビー発祥の地、横浜”としての誇りがあるからだ。

 

7万2327人の収容人数を誇る日産スタジアム
 

横浜が日本でのラグビー発祥の地であることは、耳にした人も多いのではないだろうか。
日本でラグビーが広まったのは1899(明治32)年に慶応義塾大学(以下、慶応大学)に赴任してきた英語教師のエドワード・ブラムウェル・クラークが学生たちに伝え、慶應義塾體育會蹴球部(けいおうぎじゅくたいいくかいしゅうきゅうぶ)が誕生したのがきっかけといわれている。
慶応大学の日吉キャンパス内に「ラグビー発祥の地」の記念石碑があることで知られる。

その一方で、横浜カントリー&アスレティッククラブ(以下YC&AC)の前身のクラブチーム、「横浜フットボールクラブ」が日本のラグビーの発祥との情報もある。
しかも、2019年のワールドカップ開催に向け、横浜中華街には新たに「ラグビー発祥の地横浜」の記念碑を建てるというではないか。
すでに慶応大学内にも石碑があるうえに、中華とイギリス発祥のラグビーが結びつかないような気もするが、一体どういうことなのだろうか。

 

元は中区横浜公園内にあった日本最古のスポーツクラブYC&AC。現在は中区矢口台
 

真相を確かめるべく、YC&ACに取材のお願いをしたところ、ラグビー関係者が集まる「YOLO RUGBY(ヨロ ラグビー)」というパーティーで、ラグビー発祥の話にも触れるというので潜入させてもらった。

 

ポスターにも「日本ラグビー生誕の地」と書かれている
 

パーティーには、神奈川県スポーツ局長の平田良徳(ひらた・よしのり)さんや、横浜市副市長の小林一美(こばやし・かずみ)さんらが出席し、ラグビーワールドカップの日本開催、横浜での試合を盛り上げようと宴は賑わっていた。
会場のステージには、ラグビー誕生当時の様子がわかる貴重な写真がプロジェクターで写し出され、参加者が史実に基づく証を目に焼き付けている。

 

ブッフェスタイルの食事をしながらラグビー談義に花が咲く
 

YC&ACの細貝貞夫(ほそがい・さだお)理事長は冒頭の挨拶で集まった方々に感謝を表してから、こう述べた。
「このクラブ(YC&AC・前身は横浜フットボールクラブ)の創設は1866(慶応2)年といわれていまして、今の中華街の一角でラグビーチームを作ろうという話になりました。
日本にいわゆる黒船がきて、ヨーロッパの文化もともに入ってきましたが、ラグビーもそのひとつであります」

 

これまでのYC&ACの歴史がわかる映像がスクリーンに写し出された
 

「物事には必ず最初があってそれが今につながっていく。ラグビーに関しては、わたしたちのクラブから始まって、最初に慶応義塾さんと試合をさせていただきました。
その歴史がつながっていくなかで、前回のワールドカップでは史上最大の大番狂わせ(優勝候補の南アフリカを相手に日本が終了間際の逆転トライで34対32で勝利)で奇跡の大勝利をつかむことができ、今年は日本でワールドカップを開催させることができました。
これも始まりがあって、それからつながってくるものがあったんだろうなと思っています」

 

丁寧に英語と日本語の両方でスピーチする細貝理事長
 

なるほど。当時の写真と感慨深く語る細貝理事長の言葉に、日本でのラグビー発祥の歴史が見えてきた。

細貝理事長に取材の主旨を伝えると、「YC&ACが日本でラグビー発祥の地であることにとても誇りがあり、今年開催のラグビーワールドカップにむけてYC&ACの名を広めたいと思っています。
YC&ACと横浜は深い歴史があり、今後とも横浜の歴史的存在としてスポーツクラブとして活動をしていきます」とのコメントをいただいた。

 

1930(昭和5)年頃、YC&ACが神戸で行った試合の模様
 

日本におけるラグビーの発祥が横浜フットボールクラブであると確証し、さらに詳しく調べるため、神奈川県ラグビーフットボール協会へ取材協力をお願いした。