「ラグビーワールドカップ」神奈川のキャンプ地、横浜・海老名・小田原の盛り上がりは?前編
ココがキニナル!
「ラグビーワールドカップ2019日本大会」開催都市の一つ、また決勝戦の都市としての横浜。大会をサポート、盛り上げていくイベントなどがあるのかキニナリマス。(RICKY-ONEさん、ハムエッグさん)
はまれぽ調査結果!
W杯開催都市の横浜市に加え、キャンプ地の海老名市、小田原市の取り組みを調査。横浜市は、市民がラグビーを身近に感じられるよう、各地域で様々な取り組みがおこなわれていた。
ライター:星野 憲由
2019(令和元)年9月20日、ラグビーワールドカップ2019が開幕した! 神奈川県は、決勝戦が繰り広げられる横浜市をはじめ、海老名市、小田原市も海外チームの公認キャンプ地に認定されている。となれば、横浜市はもちろん、海老名市や小田原市も本大会に向けての取り組みや意気込みは人一倍だろう。
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しかし開幕前は、世界一を競うチームが神奈川県に来るというのに、いまひとつ盛り上がりに欠けているように感じたのは気のせいだろうか。また、キャンプ地となる各自治体で大会を盛り上げるためのイベントなどがあったのかもキニナルところ。
今回は、横浜市、海老名市小田原市で行っているラグビーワールドカップへの取り組みやイベント情報を前後編でお届けする。
大会組織委員会から防犯上の情報制限があった
まずは、横浜市、海老名市、小田原市の各担当者に各国のラグビーチームのキャンプ受け入れ状況について取材を申し込んだ。が、すべての自治体から同じ答えが返ってきた。「いつ来日するのか」「いつからいつまでキャンプを実施するのか」「どこのグラウンドで練習を行うのか」などの情報については、セキュリティーの都合により、トップシークレット扱いとなり、一般に情報を公開することができなかったのだという。
世界トップクラスのチームを招く自治体としては、せっかくの機会を利用して市民にメリットを提供したいと考えるのは当然。せめてキャンプ地の近隣住民との交流の場を作ってほしいという思いもあるようだが、大会組織委員会からはなかなか色よい返答がなかったという。そのためキャンプ地に関する情報を積極的に発信できず、先回りした盛り上げをおこなうことができなかったという背景もあるようだ。
仕方がないことだが、“一生に一度”なのに歯がゆい
公認キャンプ地には、情報の取り扱いについて厳しいルールがあるようだが、さらに厳しいと感じたのは、自治体として、どこか特定のチームを応援することが禁止さえている点である。それは、キャンプに来日してくれるチームも例外ではない。公認キャンプ地に選ばれることは名誉だが、滞在チームを活用して情報を発信することは自治体としてはできず、地域を上げての盛り上げづくりにつなげることは難しいようだった。しかし、滞在チームから見れば、それだけ安全が確保されているとも言えそうだ。
これらを踏まえて、改めて、各自治体がラグビーワールドカップを盛り上げるために行っている取り組みを調査することにした。
開催前は草の根的に市民へアピール
横浜市は、ラグビーワールドカップ2019の決勝戦や準決勝を含む7試合が開催される。さらにアイルランド代表とスコットランド代表のキャンプ地でもある。
横浜市庁舎の大会開催カウントダウンボード
その横浜市でラグビーワールドカップを推進する部署、市民局スポーツ統括室ラグビーワールドカップ2019推進課を訪ねた。お話を伺ったのは松田博之(まつだ・ひろゆき)さん、守屋大介(もりや・だいすけ)さん、畠山久子(はたけやま・ひさこ)さん、山本佳世(やまもと・かよ)さん。
左から、松田さん、守屋さん、畠山さん、山本さん
まず大会開幕まで、横浜市が行ってきた取り組みについて伺うと、これまでも様々な取り組みは行われていたが、大会100日前あたりから本格的に力を入れていったそうだ。
横浜市の開催前の主な取り組み
ランドマークプラザで実施された100日前イベント
みなとみらい、新横浜エリアなどに飾られたバナーやフラッグ
新横浜駅正面口ゲート付近や横浜駅にもカウントダウンボードを設置
観戦ガイドやコラボグッズなども作成
これらの取り組みは、他の開催地でも行われているようだが、横浜市の取り組みは、それだけにとどまらない。
横浜市は、日本ラグビー界のレジェンド吉田義人(よしだ・よしひと)さんらとラグビーワールドカップ2019開催都市特別サポーター(神奈川・横浜)契約を行い、都市にゆかりのある著名人に大会告知や大会関連イベントに参加してもらい情報発信をしている。
現在、横浜市内に在住の吉田さんは、現役時代はフランスで日本人初のプロラグビー選手として活躍し、日本代表に30回、世界選抜(世界の15人)に3度選ばれている。ちなみに、1992(平成4)年の世界選抜メンバーに選ばれた際、オールブラックス相手に初のトライを奪った日本人としても知られる。
トークショーやラグビー教室などでラグビーを広める活動を行う吉田さん
横浜市は、こういったサポーターを通じて、大会の推進を行っているという。
守屋さんは「市民にラグビーを身近に感じてもらおうと、開幕までは、市庁舎をはじめ、18区の各区役所で『ラグビーワールドカップ2019展』を主催して、日常の中で大会をアピールしました。さらにラグビーの迫力に触れてもらおうと、大会前の日本代表などのテストマッチを、横浜・八景島シーパラダイスや金沢公会堂などの市内の様々な場所や地域で、ライブビューイングを実施。また、交通局と連携して、横浜市営バスにラグビーワールドカップのラッピングバスを、大会終了まで運行しています」と横浜市の取り組みについて語ってくれた。
ラッピングバスは横浜市内を大会期間中も運行