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山下公園側と赤レンガ倉庫側のどちらに接岸するのは誰が決める?

ココがキニナル!

大さん橋で、山下公園側と赤レンガ倉庫側のどちらに接岸するのかは誰が決めるのでしょうか。またどちら側の接岸が乗客に人気あるのでしょうか。(lalalaloveさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

客船が大さん橋のどこに接岸するのかを決めているのは、横浜市港湾局賑わい振興課。人気の場所は特にはないそう。

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ライター:吉澤 由美子

豪華客船がベイブリッジをくぐり、沖合で大きく向きを変えてしずしずと大さん橋に近づき、細かい調整を行いながら優雅に着岸する姿は何度見てもスペクタクル!

自動車を駐車場に入れるのだってけっこう大変なのに、あんなに大きな船が流れも波もある水の上で岸壁にピタリと着くなんてすごい。
 


ビルのように大きな飛鳥IIが近寄ってくるのは圧巻


横浜船籍の豪華客船『飛鳥II』はいつも赤レンガ倉庫のある新港側に停泊しているけれど、『にっぽん丸』は場合によって新港側と山下公園側を使い分けているみたいだ。

大さん橋に船が着岸する位置などは、誰がどうやって決めているんだろう。



大さん橋で船の着岸位置を決めるのは?



2002(平成14)年にリニューアルオープンした横浜港大さん橋国際客船ターミナル。24時間オープンしている屋上広場は、360°横浜港の景観を眺めることができるビュースポットとしてもおなじみだ。
 


400メートル以上ある大さん橋。これでもはみ出てしまう客船もある


大さん橋は、「飛鳥Ⅱ」など3万トン以上の客船は2隻、「にっぽん丸」、「ふじ丸」、「ぱしふぃっくびいなす」など3万トンクラスまでの客船は4隻の同時着岸が可能。

客船ターミナルという名前の通り、ここには3日に1回くらいのペースで客船がやってくる。客船の入港が年間130というのは、日本一の多さだ。
 


にっぽん丸が新港側に停泊している


横浜市港湾局のページには、大さん橋に入港する客船のスケジュールが掲載されている。そこで、港湾局に問い合わせてみると、ビンゴ!大さん橋に客船が着岸する調整を行っているのは、港湾局のにぎわい振興課だとのこと。そして、着岸や離岸の日時、位置、向きなどを調整するのは、「配船」という仕事らしい。

そこで、実際に配船をされている港湾局賑わい振興課の湯井直文さんに、詳しいお話をうかがった。



入港には手続きがいっぱい!



横浜港に入港してくる船は、公的機関に提出する申請がいくつもある。海上保安庁への届出と許可、国土交通省や運輸局への申請などで、通行、接岸、停泊、出航、税関、検疫、出入国といった内容だ。貨物船の場合は荷役代理もそこに加わる。

この複雑で提出する相手が多い入港関係手続は、船会社が船舶代理店に代行してもらうのが通常のやり方。船の要望と埠頭の都合など調整する船舶代理店は、その港のことをよく知っている必要があるため港ごとに存在する。横浜港の場合は数十社もあるらしい。
 


珍しく飛鳥IIの横に小さなタグボートがついていた


大さん橋のような公共の埠頭だけでなく、私設の埠頭でも申請手続きは必ずついて回る。

大さん橋への着岸離岸に関しては、船舶代理店が通常、前の月には横浜市港湾局へ申請してくる。それにそって賑わい振興課で次の月の予定を組み上げる。客船の場合はかなり前からお客様にプランを示して販売するため、1年前に予定が決まっていることも多い。
 


入港時に大さん橋の沖で向きを変える飛鳥II


まれにその月になって入港の申請が来る場合もある。ギリギリ前日に入港の申請がきたこともあったとか。当日の申請は決して不可能ではないが、今までほとんど例はないとのこと。



A、B、C、Dと4つのバースを持つ大さん橋



ところで、大さん橋は、公式には新港側と山下公園側というわけかたをしないらしい。
大さん橋を4つに分けたAバース、Bバース、Cバース、Dバースと、船の係留位置を指す名前で呼ぶ。
 


Cバースに着岸した飛鳥II


大さん橋の山下公園側、陸地に近い根本の部分がAバース。その先の沖寄りがBバース。新港側の根本がDバース。その先がCバース。

山下公園側の陸地側から、A、B、C、Dとぐるっと回るように陸地側に戻ってくる。
陸に近いAとDは比較的小さな船のためのもの。大きな船は先に近いBやCに接岸する。

Aバースに2隻の船が入ることもある。大さん橋の岸壁にはm表示があるので、その場合は着岸位置を『AバースのメートルXX地点』と指示する。

着岸時に、舳先が沖に向くか、陸に向くかというのも大事なこと。
沖に向くものは「出船」、陸に向くものは「入船」と呼ばれる。
 


Bバースに入船で停泊している。舳先の横にベイブリッジ


飛鳥IIはCバース。新港側に専用の渡船橋があるのでこちらに接岸する。大きい客船なので陸寄りのDバースに接岸することはない。船についた出入り口の関係から、Cバースに出船、すなわち新港側の沖寄りの場所で、舳先を沖に向けて着岸する。

Aバースはロイヤルウィングの定位置。にっぽん丸はBバースかCバースが多い。
 


Cバースに出船で飛鳥II、Bバースに入船でにっぽん丸、Aバースに入船でロイヤルウィング


入船出船は、お客様の出入りや貨物の出し入れがしやすい方を船がリクエストしてくる。大きな船は、波や天候などにあまり左右されないが、小さい船の場合は風向きなどで入船出船が直前に変更されることもある。

赤レンガ倉庫の新港側と山下公園側のどちらにも接岸できる船は、他の船がいない場合、新港側に泊まっていることが多いよう。新港側は日本一の豪華客船である飛鳥IIの定位置なので、なんとなくグレードの高い場所のように見える。

しかし、船からの申請は、場所まで細かく希望をされるということは通常ないとのこと。
人気の場所というのは、特にないようだ。