横浜のプロバスケチーム「横浜ビー・コルセアーズ」が立ちあがった経緯とは?
ココがキニナル!
プロバスケ『横浜ビー・コルセアーズ』が立ち上がった経緯や取材しないと分からない部分を知りたい!また『ギガキャッツ』や『神奈川にプロバスケットチームを』との関係性はありますか(甘党猿さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「横浜ギガキャッツ」は直接関係はなく、「神奈川にプロバスケットチームを」はビー・コルセアーズを立ち上げるきっかけとなった一つの団体だった!
ライター:田中 大輔
横浜のプロスポーツチームと言えば、横浜DeNAベイスターズ(プロ野球)、横浜F・マリノス(J1)、横浜FC(J2)の3チームがパッと思い浮かぶ。
しかし、昨年、新たなプロチームが市内で産声を上げた。それが、全国から19チームが参加しているプロバスケットボールリーグ、bjリーグに所属する「横浜ビー・コルセアーズ(B-CORSAIRS)」だ。
ビー・コルセアーズは現在、初めてのリーグ戦を戦っている真っ最中。昨年10月から今年5月までの全52試合で争われるレギュラー・シーズンを42試合終えて、22勝20敗で5位(3月18日現在)につけ、初年度からのプレーオフに進出できる6位以上を視野に入れている。
1年目からいきなりの活躍を見せているビー・コルセアーズとはどんなチームなのか。
チーム代表の廣田和生さんにお話をうかがった。
チーム運営会社、横浜スポーツエンタテインメントの入るビル
“バスケット王国”神奈川県についにプロチームが!
実は、神奈川県はバスケットボールの競技者人口が日本一だ。
bjリーグが立ちあがってから今季で7シーズン目だが、そんな環境にありながら神奈川にはプロチームがなかった。
5年ほど前から、神奈川県にプロバスケットチームを作ろうという機運が高まり、キニナルにもある神奈川にプロバスケチームを作るために活動する団体「神奈川にプロバスケットチームを」や、そこから分かれた相模原市地区グループ、バスケット経験のある企業経営者が集まったグループなど、多くの人たちが組織的に活動を始めた。
県のバスケットボール協会の理事でもある廣田さんは「いろいろな方から相談を受けました」と言う。
そんな中で、人材派遣などを行う会社を経営していた廣田さんに白羽の矢が立ち、県にプロバスケチームを作るための代表として本格的に動き出すことになったそうだ。
代表を務める廣田さん。温厚で頼りがいのある雰囲気
北相地区(神奈川県北部)で活動していた「神奈川にプロバスケットチームを」も志を同じくして、その中に吸収されていった。現在、廣田さんが社長を務める、チーム運営会社で働いている人もいるそうだ。
ちなみに、廣田さんは今でもご自身の事業を続け、その傍らで県や横須賀市のバスケット協会などの理事、さらには関東学院大学バスケ部女子チームの監督、男子チームの助監督も務めているというから驚きだ。
ほとんど休みなしの超人的なバイタリティで働く廣田さんが中心となった新チームは、一昨年の 3月にリーグに申請したのだが、そこに至る経緯はほかのチームとは違ったものだったという。
通常では加盟申請までに、準備委員会の設立、準備活動費・スポンサー獲得に向けた活動とその確保という3段階を踏む。その後、申請が承認されてから運営会社を設立する。
しかし、県内では前述の通り、複数のグループがすでに活動をしていた経緯もあって、それら集約していきなり運営会社を設立。申請前のプロセスを効率よくこなすことができたんだそうだ。
その結果、8月に満場一致でリーグから承認を受け、晴れてbjリーグ参戦が決定。
10月にはチームが発足したというわけだ。
チーム名に込められたファンの思い
こうして立ち上がったチームの名前にある「コルセアーズ(Corsairs)」は「海賊」や「海賊船団」という意味だが、この言葉にはそれ以上に様々な意味が込められている。
チーム名を公募した際には455件もの応募があり、「みなさん、原稿用紙2枚3枚に一生懸命思いを込めてくれた」そうだ。
それを目の当たりにして、「1つを選ぶのではなく、全部を一緒にしたらどうだろう、という発想が出てきたんです」と廣田さん。
すべての思いを合体させ、送られてきた様々な言葉の頭文字を組み合わせていった結果生まれたのが「B-CORSAIRS」という名前だったのだ。
海賊をかたどったロゴマークも公募で決められたもの。
こちらも、プロから小学生まで様々な人からの応募があったそうだ。
ワンポイントのバラは、横浜市の花だ
実はこのマーク、横浜市旗と同様にカタカナの「ハマ」が隠されている。
海賊船長、Mr.CORSAIRの帽子が「ハ」で、エンブレムの枠部分が「マ」になっているのだ。
ゴールドウィン社製のユニホームは、チームカラーのネイビーブルーが基調。
「これも実は、横の所が“Y”になってるんです」。
確かに、サイドの部分にYが浮かび上がるように赤と白を配している。
元々はただのラインだったが、横浜らしさを出すために今のものに手直ししたんだそうだ。
ユニホームのサイドにはY。写真はキャプテン、蒲谷選手