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「カツカレー」は元横浜市長が考案したって本当?

ココがキニナル!

カツカレーの元祖は千葉茂(元巨人軍選手)ではなく平沼亮三元横浜市長が考案したスポーツライスだと聞きました。福沢諭吉の弟子であり日本陸上競技連盟の初代理事長でもあったそうです(三ッ沢さん)

はまれぽ調査結果!

平沼亮三は戦前、スポーツライスと称したカツカレーを来客に振る舞っていた。しかし現在のカツカレーの祖は銀座スイスと思われる。

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ライター:松崎 辰彦

カツカレーの元祖



日本人の国民食ともいえるカレーライス。中でも“カツカレー”はとりわけ人気が高い。
黄金に光るカレーのかたわらに見るからにパワフルな、歯応えあるカツが寄り添うたたずまいはこの上なく力強く、向かうところ敵なしの印象を受ける。
 


カツカレー(フリー画像より)


そしてカツは「勝つ」に通じ、勝負事や試験の前に口にする人も多いとか。カツ+カレーというそのシンプリシティがむしろ力強く、私たちの日々のつまらぬ迷いを吹き払ってくれるようだ。

こんなステキな“カツカレー”を誰が創ったのか?
本日のお題は、これである。



“カレーにカツレツを乗っけてくれ”

「カツカレー」の元祖といわれているお店が東京都中央区銀座にあるという。日本一おシャレで、道行く人もちょっとおすましする街だが、その一角にあるレストランが「GRILL SWISS 銀座スイス」。
 


銀座スイス


マスコミにも登場することが多い創業68年の同店でお話を伺った。
 


店内の様子
 

店内には「当店名物 千葉さんのカツレツカレー」の表示が


「1947(昭和22)年ごろに野球の千葉茂さんが来られて“カレーにカツレツを乗っけてくれ”といわれたのです。そんな注文を受けたことのなかった私どもは驚きました」
 
千葉茂(1919~2002)は愛媛県出身の野球選手・監督。選手時代は攻守ともに優れた技量を誇り、人気を集めた。選手引退後は巨人と近鉄の監督を務め、1980(昭和55)年に野球殿堂入り(野球の発展に大きく貢献した人物の功績を讃えるために創設された「野球殿堂」で顕彰〈けんしょう〉されること)を果たしている。
 


千葉茂(フリー画像より)


そんな往年の名選手が、カツカレーの発案者であるという説が、一部では流布している。ここ銀座スイスで食事をとることが多かった千葉氏が、あるときリクエストしたのが始めだというのである。

銀座スイスは終戦後まもなく、帝国ホテルで料理修業した岡田義人(おかだ・よしと:1923~1973)氏によって創業された。岡田氏の父親・進之助氏は日本の西洋料理の礎を創った宮内庁御用達の「宝亭(たからてい)」や首相官邸、国会記者クラブで総料理長を務めた人物。歴代首相の近衛文麿(このえ・ふみまろ)や吉田茂にも料理を提供した。

49歳の若さで義人氏は死去したが、義人氏亡きあと、その味と技術は義弟の庄子敏松(としまつ)氏が受け継ぎ、今日に至っている。
敏松氏のお嬢さんである専務取締役の庄子あけみさんは続ける。
 


左が庄子あけみさん。右は母親で敏松氏夫人の静子さん


「千葉さんは選手や知り合いを連れてよく来店され、カツとカレーを合せたものを注文されては、お連れの方にも勧めました。それで私どもも、千葉さんのみならず一般のお客様にも召し上がれるようにメニューに掲載しました」

来店者のリクエストでそれまでになかった料理を創り、評判がよければメニュー化するというのはよくあることだそうである。



歴史は作るもの 伝統は守るもの



「その後、千葉さんは新聞にカツカレーに関してご自分が発案されたようなことをお書きになり、私どもの店もそれで取材を受けるようになりました。グルメブームやレトロブームもあり、そうした中で注目していただきました」

やがて銀座スイスは“カツカレー発祥の店”と公言するようになったが、そのことで特にトラブルもなかったとのこと。
 


カツカレーの店であることを強調している


「銀座発祥の食べ物は、木村屋の『あんぱん』や寿司屋さんの久兵衛の『軍艦巻き』など、数多くあります。銀座スイスの『カツカレー』もその一つです」

しかし広い日本のこと、銀座スイス以前にカツカレーを発案した人間がいないとも限らない。その可能性を庄子さんも否定しない。

「たとえば浅草の洋食屋さんである『河金(かわきん)』さんが“河金丼”としてカツカレーと同じものを大正時代に創っていたことも存じています。また、個人でカツとカレーの組み合せを発案し、口にしていた人がいるということも聞いています。ただ、私どもはカツカレーを独自に創り、守ってきたし、進化させてもきたということに価値があると思っています」
 


カツカレーにも何種類かある


現在、銀座スイスでは「千葉さんのカツレツカレー」「元祖カツカレー」「ヒレカツカレー」など数種類のカツカレー系メニューをそろえてお客さんをお迎えしている。
 
「千葉さんがよくいわれていました。『歴史は作るもの 伝統は守るもの』と。今となってはカツカレーはうちの大事な看板商品です」

それではテーブルに着き、銀座スイスのカツカレーをご賞味させていただこう。
 
「当店のカレーは小麦粉を使わないでとろ味を出しています。すり下ろした野菜を煮込み、辛さの奥に柔らかな甘みも感じられるカレーソースです」
 


これが「千葉さんのカツレツカレー」
 

カツレツが絶品!


あけみさんの言葉通り、カレーは辛い中にも独特の甘みがあった。そしてカツのおいしさも際立ち、カレーとの相性は抜群であった。

カツカレーを創り、育ててきた銀座スイス。カツカレー発祥云々は別にして、一度足を運ばれ、充実したメニューを堪能されることをお勧めする。