神奈川県警は13日、民主党の横浜市議会議員、中尾智一容疑者（45）を含む4人の男女を、電磁的公正証書原本不実記録・同供用（偽装結婚）の疑いで逮捕した。
　

民主党、横浜市会議員の中尾智一氏

調べによると、中尾容疑者は2009年10月、中区の飲食店に勤める中国籍女性、谷ケ伊娜（こく・けいいな）容疑者（22）に国内在留資格を取らせる目的で、飲食店店長の男（22）を夫とする虚偽の事実を記載した婚姻届を横浜市南区役所に提出、受理させた疑い。

中尾容疑者と谷容疑者は2009年4月ごろ、谷容疑者の働く飲食店で知り合い、以後交際を続けていた模様。

谷容疑者は08年4月15日に就学ビザで入国するが、在留資格が2009年10月15日までだったため、中尾容疑者は同8月に別の中国籍女性(32)(同罪で起訴)へ偽装結婚相手の紹介を依頼し、同10月に南区役所に婚姻届を提出し、受理された。
　

婚姻届の現物(無記入のもの)

婚姻届には本人以外の証人が2人必要で、中尾容疑者の他、共謀者1名が署名していたようだ。
現在中尾容疑者は、「今は何も話したくない」と供述している。

また、偽装結婚の報酬として、谷容疑者は店長の男に100万円支払う約束をしており、県警は金の流れについても捜査している。

中尾智一市議のプロフィール

1966年生まれ。福岡県北九州市出身。

芝浦工業大学機械工学科を卒業後、石川島播磨重工業（現IHI）に入社。
同社労組横浜支部の執行委員を務めていた。

2003年4月、横浜市議に立候補し初当選し、現在3期目を迎える。
現在、民主党横浜市会議員団政策調査会会長や、市会運営委員会副委員長などを務める。
　

13日現在、シャッターが閉まり電話も通じない、中尾ともかず後援会事務所の様子

（IHI）社員時代の経験から風力発電など自然エネルギー政策にも通じ、今年の4月には民主党市議団では政策調査会長を務め、政策通との評判だったが、そんな矢先に今回の事件が発覚した。

この件に関して、民主党市議団の森敏明団長に直撃したところ、「事件が発覚し、私自身も正直驚いている。（容疑が）事実なら痛恨の極み」とショックを隠せない様子だった。