漁師町なのに、トマトケチャップの発祥地。はま旅Vol.101「新子安」編
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第101回は、海に野菜、山に入江の意外性がおもしろい、新子安のぶらり旅。海と山が融合した、ご当地ならではの料理を求めて。
ライター:河野 哲弥
ギプスなのに、「はま旅」
新子安には、「トマトケチャップ発祥の地」という碑があるらしい。
横浜発祥のナポリタンに欠かせないケチャップの、そのまた発祥の地とは、一体どんな街なのだろうか。
平日の昼間はほとんど人影を見ない、JR新子安駅前の様子
首にギプスを巻き、笑顔がぎこちないライター河野
ところが、ロケを予定していた日の朝、首の椎間板ヘルニアを発症してしまった河野。病院でギプスを巻いてもらい、肩の痛みに歯を食いしばりながらも、「その“発症”じゃ、ねぇダロ」というオチをかますだけの余裕は忘れなかった。とりあえず、本当の“発祥”の碑へ向かうことにする。
海側なのに、野菜栽培
JRおよび京浜急行「新子安駅」から歩いてすぐ、海側を走る国道15号線沿いに、注意しなければ分からないほどの地味さで、その碑は建っていた。
あまり目立たない、「トマトケチャップ発祥の地」の碑
歩道側には、案内板も設置されていた
案内板の説明によると、横浜開港をきっかけとして国内に入ってきたセロリやトマトは、東京と横浜という二大消費地に挟まれた子安で、盛んに栽培されていたようだ。やがて1894(明治27)年、日本で最初のトマトケチャップの製造が地元の清水屋ではじまった。そのほかの詳しい歴史は「トマトケチャップが横浜発祥って本当?」の記事にあるとおり。
現在は横濱屋本舗より、その復刻版が販売されている
野菜を感じさせるモニュメントを、海に近いこんな場所で見かけると、ちょっと意外な感じがしてくる。
ともあれ、何かケチャップを使った料理が食べたくなってきた。
イチカワさんなのに、ヤマグチ
そのとき、なぜか頭に浮かんだのは、ナポリタンではなくて「オムライス」だった。
赤いケチャップが乗っかっていて、オムレツを割ると、さらに赤いチキンライスが出てくるイメージ。ところが、駅前にあった喫茶店では、「オムライス」は扱っていないという。
中央の建物2階、「coffee yamaguchi」に飛び込んでみた
にもかかわらず、まぎれもない「オムライス」が登場
半ばあきらめていたところに、「こんな感じでよろしければ、作ってみました」と、温かいサプライズがやってきた。まだ取材の話はしていなかったのに、こういうのはうれしいですね。イメージもぴったり。