超レア? 横浜の老舗料理店も愛する「横浜生まれの焼酎」ってどんなもの?
ココがキニナル!
横浜生まれの焼酎があると聞きましたが、どういうことで、どこで手に入るの?/焼酎好きが集う「横浜焼酎委員会」という団体があるそう。ぜひインタビューを(yumaryo/あらめ屋まさるさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「みんなの気力」「一里山」は高島屋など専門店とネットで入手可。老舗店「荒井屋」などの飲食店でも味わえ横浜焼酎委員会は酒好きのいい方ばかり!
ライター:濱屋 亘
横浜生まれの焼酎
「横浜生まれの焼酎はどこで、どう手に入る」のか。ネットで検索し、横浜市西区にある「口口(くちぐち)ネット株式会社」へ。そもそも、筆者は「横浜生まれの焼酎」があること自体を知らなかった。「焼酎といえば九州」という先入観があったからだ。
JR「横浜駅」下車、東口から徒歩4分、株式会社ユーズウェア内、口口ネット株式会社
取材に快く応じてくださった代表取締役小川名剛彦(おがわなたけひこ)さん
口口ネット株式会社は、2000(平成12)年4月に設立したWEBサイトの運営と酒類販売をする会社。社名にある「口口(クチグチ)」とは、「口づて」、「食べるもの」と言った意味をこめてつけられたのだそう。
これが横浜生まれの焼酎「みんなの気力(きぢから)」「一里山(いちりやま)」
口口ネットで販売している「横浜生まれの焼酎」は、「一里山(25度)」と「みんなの気力(37~38度)」の2種類。どちらもサツマイモを原料に使った「芋焼酎」で、「横浜生まれ」とうたう理由は、原材料の芋が横浜産であることによる。
発案者は小川名さんご本人で、この焼酎には酒好きである社長のこだわりがたくさん詰まっているのだという。
「みんなのみんなの気力」のラベル(提供:口口ネット株式会社)
ラベルの書は故・萩野則之(はぎののりゆき)氏、絵は、横浜のサツマイモが夢いっぱいに鹿児島に旅立っていくところをイメージし、当時多摩美術大学の学生だった間野由里衣(まのゆりえ)さんがデザイン。
ところでなぜ、「横浜生まれの焼酎」なるものを作ろうと思ったのだろうか。
「うちの実家が農家なんです。自分自身も農作物を育てています」という小川名さん、実は横浜市旭区の農家の出身。芋焼酎を作った理由は、「地元の農家さんが継いできた大切な芋を食べるだけでなく、なにかほかにも生かせないか」との思いがあったからだという。
焼酎を支える地元の「芋」
小川名さんが焼酎をつくろうと思ったのは今から約6年前。「地元の芋を生かしたい」。そこで選ばれたのが、「黄金金時(こがねきんとき)」「山川紫(やまかわむらさき)」「紅東(べにあずま)」といった品種だった。
いずれも旭区の農家さんが生産しているもので、とくに「黄金金時」は地元旭区で種芋をつないでいる貴重な芋だという。小川名さんの焼酎はこれらの芋を「混ぜ芋」し、芋のできばえなどによって毎年配合具合を変える手法をとっている。
左から、原料芋である「黄金金時」「山川紫」「紅東」(提供:口口ネット株式会社)
芋の栽培にかかる期間は、だいだい1年。
3月、種芋の植え付け(提供:口口ネット株式会社)
5月、苗床で種芋から伸びた蔓(つる)を畑に植える(提供:口口ネット株式会社)
7月ごろの畑の様子。葉が青々と生い茂っている(提供:口口ネット株式会社)
収穫は秋。収穫された芋は丁寧に箱詰めされ、引越し業者を使いトラックで九州の蔵元まで運ばれていく。搬送時のゆれなどで芋が傷つくと渋みの原因となるヤニが出てしまうため、慎重に搬送できる引越し業者をわざわざ使っているのだという。
丁寧に箱詰めされ、コンテナに積まれた芋(提供:口口ネット株式会社)