異文化の薫り漂う街。はま旅Vol.17「鶴見編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第17回は、現代彫刻がひっそりと佇み、ブラジル文化が色濃く反映された異文化交流の街、鶴見駅。
ライター:枚田 貴人
午前11時、炎天下のなか散歩が始まる
今回は、世界28ヶ国を旅したライター枚田がはま旅を担当することに。
そういえば私は鶴見に来るのはまだ二度目。
俄然、散策しがいがあるってものだ。どんな旅になるのか、期待に胸を膨らませ、鶴見駅に降り立った。
しかし、空を見上げれば、雲ひとつないピーカン照り。これから午後いっぱい歩き回るかと思うと、冷や汗が出てくる。
いや、冷や汗の前に、普通に汗が額に滲む。過酷な一日になりそうだ。
見よ、この完全なる逆行を。午前11時、真上からお日様
まずは潮鶴橋のほうへ歩いて行くことにした。
以前、安善町の幻の終点を調査したこともあり、安善町行きのバス停を懐かしい思いで通りすぎた。
安善町行きのバス停があるロータリー。幻の終点はもう改定されたのかな?
現代アートに触れる街角
潮鶴橋の近くに来ると、「柔術」「スペイン語」の張り紙が異文化を匂わせる。
多くの外国人が住む鶴見には特にブラジル人や日系ブラジル人が多く住む地域(潮田町周辺)があり、私はあるブラジル料理屋に向かって散歩をしているのだ。
潮鶴橋に向かう途中の、国際色豊かな掲示板
掲示板の隣をふと見ると、突如怪しげなモニュメントを発見。
かわいいサイズのモアイ像だが、妙な動感があって目の前に立つと案外怖い。
橋のたもとまで来ると、さらにモニュメントが三つ。どの作品も木々の葉影にきらめき、作品そのものが持つ意味合いに加えて、この季節、この場所でしか味わえない鮮やかさがある。
説明書きを読んでみると、横浜ビエンナーレ‘93の出展作品のようだ。(詳しくは横浜市内謎のオブジェの記事へ)
ちっさいモアイ像の群れ。妙な生命感がある
何の彫刻だろう。作品名のプレートがなく、分からなかった
藤井浩一郎さんの循環源象―鉄―という作品
加治晋さんのハウススカルプチャという作品
さて、この潮鶴橋を通りすぎ、さらに向こうの芦穂橋を目指す。
その先に、ブラジル料理屋があるのだが、暑い、暑すぎる。
芦穂橋を渡ってすぐの公園で、一休み。木陰がありがたい。
ランチ前に、すでにぐったりです。
12時、公園にて。すでにバテバテです
ブラジルを食すのだ!
やってきました!パライゾブラジルヨコハマ!
やってきました、パライゾブラジルヨコハマ!住宅地にひっそりと佇むこのお店、旅ごころをくすぐります。
入口は雑貨店になっていて、その脇を通りぬけ、レストランコーナーへ。
中では男性二人が座り、雑誌を読みテレビを見ている。
しかし、その雑誌は日本語ではなく、テレビも外国の番組が流れている。あ、ここは日本じゃない。
そんな空気がしっかりと漂っている。
そんなお二人に話しかけてみると、少し日本語が話せるらしいイライさんがニコニコしながら答えてくれた。
イライさんお勧めのパステルという食べ物
―ブラジルの方ですか?
ニッケイジン。オトウサントオカアサン、ニホンジン。
―いつ日本に来ましたか?
15ネンマエ。
―ブラジルのどこから来ましたか?
サンパウロシュウ。
―何食べてるんですか?
パステル。ギュウニク。
イライさんが注文した牛の鍋肉を意味する「カルネ・デ・パネラ」(1,260円)