2015年の横浜市内のデング熱対策は?
ココがキニナル!
横浜市在住の方がデング熱に罹患したとのこと。横浜市では何か対策を検討しているのでしょうか?(たこさん、永田OLさん、八景のカズさん)
はまれぽ調査結果!
2014年に約70年ぶりの国内感染者が発生したことを受け、モニタリング調査の監視体制を強化。10月下旬まで調査を行い、結果は月1回をめどに公表
ライター:はまれぽ編集部
監視体制を強化
2014(平成26)年、約70年ぶりに海外渡航歴がない日本人の国内感染者が確認された「デング熱」。横浜市でも感染者が確認され、騒ぎとなった。
感染者が蚊に刺されたとみられる金沢区の「海の公園」
横浜市では2011(平成23)年度から市内全18区の19地点でデング熱を含む、蚊が媒介する感染症に関して定期的なモニタリング調査を行っているが、これまでにウイルスの検出はない。
2014年度は7806匹の蚊の個体を採取し、うち6995匹がウイルスを媒介するメスだった。調査地点で最も多かったのは西区の掃部山(かもんやま)公園で1811匹、次いで鶴見区の大黒ふ頭中央公園(970匹)、磯子区の岡村公園(639匹)だった。
調査地点で最も蚊が多かった掃部山公園
しかし、今年度は観光客らの利用者が多い中区の山下公園や横浜公園、海の見える丘公園など6地点を追加して25地点で調査を行うこととした。
山下公園でも調査を実施
さらに2014年度は6月下旬から10月上旬まで、月2回・計8回の調査だったものを、今年度は6月上旬から10月下旬まで月2回・計10回の調査を実施して、蚊の監視体制を強化する。
調査はどのようなことを行うのか。体制強化の狙いを含め、実際の調査現場で横浜市健康福祉局健康安全部の本間豊(ほんま・ゆたか)生活衛生課長に聞いた。
虫よけスプレーもして完全防備で現場対応してくれた本間課長
本間課長によると、利用者が多い施設での感染リスクを把握して感染症の予防対策を強化することで、市民の安全安心を確保することが狙いだという。
調査方法は「アメリカ疾病予防管理センター(CDC)」が開発した、ドライアイス(二酸化炭素)を使って蚊をおびき寄せ、ファンで巻き込んで捕獲するという「CDCライトトラップ法」を用いる。
CDCライトトラップ法で用いる仕掛け
また、山下公園ではCDCライトトラップ法に加え、調査員が8分間虫取り網を使って蚊を直接採取する「人囮(ひとおとり)法」も併せて実施する。
実際に網を使って蚊を採集する
ライトトラップ法は仕掛けから回収まで約18時間かかるといい、急を要する場合は人囮法が有効だという。