横浜市の火葬代は高いって本当?
ココがキニナル!
最近、相模原市の火葬炉使用料が有料化したけど、横浜市の火葬炉使用料って高いの? そもそも、どうやって金額を決めているの?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
自治体ごとの考えがあり、全国20政令指定都市と比較しても一概に「高い」とは言い切れない。使用料は燃料や施設の維持管理費などを考慮して決定
ライター:はまれぽ編集部
地域によって差
いずれ誰もが迎える「死」。不慮であろうとも、天寿を全うしようとも、いずれ人は骨となり、土に還る。死後は住み慣れた街にいたい、生まれ育った故郷に帰りたいなど、いろいろ想いはあるだろうが、日本では一部地域を除き、人がその生を終えた時「火葬」という儀式を通過する。
生きとし生けるもの、すべてが行きつく「死」
死は誰もが平等に迎えるにもかかわらず、火葬にかかる費用は平等ではない。横浜をはじめ、全国各地ではどのように費用が決められているのだろうか。詳しく調べていく。
お話を伺ったのは、横浜市内に4ヶ所ある市営斎場を管轄している市健康福祉局健康安全部環境施設課の高岡昭人(たかおか・あきひと)施設係長と市川将人(いちかわ・まさと)さん。
(左から)高岡係長と市川さん
一般に「火葬代」は「火葬炉使用料」と斎場の使用料に分かれるが、今回は「火葬炉使用料」を中心に話を進める。また、自治体ごとに「大人」とする年齢にばらつきはあるが、統一して「大人の火葬炉使用料」で比べることとする。
それを踏まえた上で、横浜市の大人(10歳以上)の火葬炉使用料は1万2000円。市外の方が横浜市で火葬を行った場合は5万円となる。
横浜市の火葬炉使用料
この使用料は他都市と比較して、どうなのか。市内の人が使用した場合と市外の人が利用した場合を、川崎市、相模原市を含む全国20政令指定都市と比較した。
全国20政令市の大人の火葬炉使用料(クリックして拡大。※は後述)
表を見ると無料の新潟市、静岡市、浜松市のほか、名古屋市や広島市と比べると割高な気がする。ただ、市外利用者を比べると、大阪府堺市の半額となっている。横浜市では、利用料はどのように設定しているのかを聞いた。
高岡係長によると、現在の利用料が設定されたのは2006(平成18)年4月。それ以前は市内在住の大人の使用料は8000円(2002〈平成14〉年4月~)だった。
横浜の火葬炉使用料は高い?
横浜市の場合、市内在住者に負担してもらう1万2000円の内訳は、火葬に伴うガスなどの燃料費と火葬炉や施設の修繕・維持費がほとんどだという。これに対し、市外在住者には施設の光水熱費や人件費なども上乗せされるため、金額が変わるとのこと。
高岡係長は「私見」と断りを入れた上で「斎場は横浜市の税金で建設・運営を行っている施設なので、市外の方に応分の負担をしてもらうという考え」と話した。
あくまでも横浜市民に対する行政サービスの一環ということか
大阪府堺市の市外利用者について10万円という使用料は突出しているような気がするが、堺市役所によると、2010(平成22)年度までは6万円だったという。
しかし、市外からの利用が増えたため、市内在住者を優先するため、2011(平成23)年4月から10万円に料金改定をしたとのことだった。