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横浜市の火葬代は高いって本当?

ココがキニナル!

最近、相模原市の火葬炉使用料が有料化したけど、横浜市の火葬炉使用料って高いの? そもそも、どうやって金額を決めているの?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

自治体ごとの考えがあり、全国20政令指定都市と比較しても一概に「高い」とは言い切れない。使用料は燃料や施設の維持管理費などを考慮して決定

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ライター:はまれぽ編集部

1回平均8000円?



火葬炉使用料の1万2000円が妥当かという点については、前述の表にある自治体が名前を出さないという条件で、1人にかかる燃料費のおおよその金額を教えてくれた。

それによると、燃料価格の推移によって変動はあるが、ある斎場で1年間に使用したガス代を実際に火葬が行われた回数で割ると、1回あたり7420円。別の斎場では8850円だったという。
 


火葬炉使用料は平均8000円程度?
 

ガス代は火葬炉以外の給湯にも使われることなどを考慮すると単純計算というわけにはいかないが、一定の目安にはなる。また、施設を維持修繕する費用を考慮すれば、1万2000円というのも納得できない金額ではない。

しかし、年月を経ると施設も老朽化し、維持にかかる費用は膨らむ。さらに、直近で料金改定が行われた2006(平成18)年度に比べ、横浜市の人口も増加している。
 


2015(平成27)年1月の人口は約372万人
 

人口が増えれば必然的に火葬炉の使用は増える。事実、2006年度に2万1633件だった火葬炉使用は、2014(平成26)年度は7294件増の2万8927件になった。これは、結果として、燃料費が市の財政を圧迫することとなる。
 


2006年度と2014年度の火葬炉使用回数の比較(クリックして拡大)
 

となると、さらなる料金改定も考えられるが、高岡係長は「現時点では具体的な検討は行っていないが、将来的には(改定を)検討する可能性もある」としている。



相模原市は有料化を検討



話を前述の表の相模原市に戻す。相模原市は市内6000円、市外5万4000円となっているが、現在は市内在住者は無料、市外利用者は4万5000円となっており、現在、料金改定の議論の真っ最中だ。

相模原市では1992(平成4)年に現在の相模原市営斎場(南区古淵)を建設。その際「死は誰でも迎え、市民は既に税を負担している」として、現在も相模原市民の火葬炉使用料は無料(市外利用は4万5000円)となっている。
 


相模原市は火葬炉使用料が無料
 

では、なぜ有料化の議論が出てきたのか。相模原市市民局区政支援課の石井光行(いしい・みつゆき)参事兼課長と高麗史朗(こま・しろう)担当課長に聞いた。
 


(左から)石井課長と高麗担当課長
 

石井課長によると、年間の火葬にかかる電気・ガス代を火葬炉使用回数で割ると、1回あたりの火葬にかかる費用は約6000円になるのだという。

石井課長は「2012(平成24)年度に作成した市の『受益者負担の在り方の基本方針』に基づき、市民の皆さんにも最低限の光熱水費をご負担いただこうという考え」と説明する。

市外在住者の火葬炉使用料の設定については横浜市と同様「(相模原)市の税金で運営している施設なので、市外の方にご負担をいただいている」という。
 


「市民にも最低限の負担を」という考え
 

相模原市では1992(平成4)年に無料化した当時に比べて高齢化に伴う介護保険料が増加するなど、行政に対する需要は多岐にわたるようになった。この傾向は全国的なものであるが、市ではどこに予算を重点的に配分するかという、市民に対する行政サービスのプライオリティー(優先順位)を考慮する必要性があった。

再度無料化するかという点について、石井課長は「今後、市の税収が増えるなど財政状況が変わればあり得なくはないが、現状では現実的でない」と話す。

その上で「行政サービスの中で何を優先すべきか、というバランスを考慮しての議論となった。理解していただければ」と付け加えた。



取材を終えて



「『受益者』という表現は好きではない」と話す相模原市の石井課長。

「無料が有料になる」となると、税金を納めている市民は不満に感じたり、行政サービスの怠慢にとらえる人もいるかもしれない。

語弊を恐れずに言うならば、亡くなった方より、生きている人の生活を充実させることに意義があると感じるし、市民一人ひとりが、大切な家族の最期にかかる儀式の負担をという考えは理解できないものではないと感じた取材だった。


―終わり―
 

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  • かなり前の話ですが、祖母が数年の内に二人とも亡くなりましたが、むしろ葬式代や自治会のお付き合いの費用の方にびっくりしました。

  • 先月、平塚の祖母が亡くなって市営の火葬場を使いましたけど市民なので無料でしたよ。自分は横浜市民なので場所によって随分違うものだと驚きました。「使用料は燃料や施設の維持管理費などを考慮して決定」と書かれていますが、税金を無駄な観光事業にジャブジャブ使わないでこういう公共サービスに使って市民の負担を少しでも軽くして欲しいです。

  • 東京の親戚が相次いで亡くなって、東京の火葬場は高くて混んでて大変だという話になりました。横浜はまだ恵まれているほうかと。

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