相模原市が『美少女戦士セーラームーンCrystal』とコラボした婚姻届を作ったのはなぜ?
ココがキニナル!
相模原市でセーラームーンの婚姻届が配布されていました。なんでセーラームーン?何か町おこし的な効果はあったんでしょうか?(ばにらぷりんさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
1990年代に放送されていたアニメ『美少女戦士セーラームーン』を観ていた20~30代の若者・子育て世代の定住促進が主な目的。今後もコラボ企画は続く
ライター:はまれぽ編集部
「ミラクルロマンス」がかなう!
1990年代にブームを巻き起こした『美少女戦士セーラームーン』。漫画やアニメ放映開始から20年経った2012(平成24)年ごろから、「20周年プロジェクト」が行われていることもあり、盛り上がりを見せている。
相模原市は、2015(平成27)年12月21日から新作アニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』とのコラボ企画を実施。その一環として、オリジナルのイラストをあしらった婚姻届を作成・配布している。配布は2016年3月25日まで。
オリジナル婚姻届。実際に使用できる
自治体が配布する婚姻届にアニメキャラクターが使われるのは全国初という。
いったい、どういう経緯でコラボ企画の実施に至ったのか。婚姻届の概要や反応と合わせて、相模原市総務局渉外部シティセールス・親善交流課の六反政和(ろくたん・まさかず)担当課長に聞いた。
全国初の取り組み!
六反担当課長によると、一番の目的は、相模原だけでなく、日本全体の問題としての「人口減少社会」への対策。
コラボ企画はアニメ放送開始から20周年ということに加え、当時アニメを見ていた子どもが成長し、結婚・子育てをする世代になっていることから、結婚・出産し、最終的には相模原市に定住してもらう市の「定住促進プログラム」の一環とのこと。
「初代アニメ」の世代は子育て世代へ(写真はイメージ。フリー素材より)
また、相模原市は2010(平成22)年に小惑星から地球帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」誕生の地。
JAXA(ジャクサ:宇宙航空研究開発機構)を中心にした宇宙(銀河)をテーマにまちづくりを進める市の方針と、セーラームーンも宇宙をテーマにしていることと合致した。
相模原市民にとって宇宙は身近な存在
イラストは完全オリジナルで、プリンセス・セレニティとエンディミオンが登場。
月を背景に同市緑区藤野にあるアート作品『緑のラブレター』を持ち、背景には小惑星探査機「はやぶさ」と相模川に見立てた天の川が流れる場面が描かれている。
『緑のラブレター』(提供:相模原市)
六反担当課長によると、オリジナル婚姻届の配布を始めた12月21日から1月末まで、例年に比べると持ち出し数は多い印象だという。
オリジナルデザインに限らず、3月25日までに相模原市内で婚姻届を提出すれば、こちらもオリジナルイラスト付きのメッセージカードがもらえる特典もある。
写真付きでパートナー同士メッセージを贈れる
「相模原市の魅力を知ってもらうため、実際に足を運んでほしい」という考えから郵送は対応していないため、なかには他県から婚姻届を取りに来た人もいたそうだ。