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県立図書館と中央図書館の使い勝手や意外な活用方法は?

ココがキニナル!

神奈川県立図書館と横浜市立中央図書館はとっても近所にありますが、はまれぽ独自の視点で両館の使い勝手や意外な活用方法を調査してほしい(紀州の哲ちゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

両館は所蔵資料の傾向や施設の特徴から、目的によって使い勝手が異なる。イベントや立地のメリットを生かした活用が面白い。

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ライター:ナリタノゾミ

「家族で・・・」の中央図書館と、「自分の時間を・・・」の県立図書館

中央図書館では、野毛山動物園と図書館イベントを組み合わせたコースが親子連れの間で人気だそうだ。
「水筒を斜め掛けしたお子さんが、ご家族でおはなし会を楽しんで行かれます」。野毛山動物園でピクニックをした後に、中央図書館で行われる絵本の読み聞かせイベントに参加するというコースが、利用者によって任意に生み出されているという。
入場無料の動物園×参加費無料の図書館イベント。なんといっても手軽さが魅力だ。
 


中央図書館から徒歩10分程度の場所にある野毛山動物園のふれあいコーナー


一方、モダンな趣の建造物の中で優雅に読書タイムを満喫するなら、まさに県立図書館がピッタリだ。
閲覧室は1、2階が吹き抜けとなっており全面ガラス張りの開放感溢れる空間。窓の外には木々が鬱蒼と茂り、四季折々の姿を見せてくれる。
約200の閲覧席はそれぞれの机が余裕を持って配置されているため、パーソナル・スペースを確保しながら、ゆったりと自分の世界に浸ることができる。
「5月のアンケート調査では、利用者から『静かな空間が良い』という回答をいただきました」とのこと。
 


全面ガラス張りの開放感ある洗練された閲覧室


ところで、県立図書館では閲覧席を利用する際、手荷物をロッカーに預けなくてはならない。持ち出し防止システムを導入していないためだという。1954(昭和29)年設立以降、多少の改築は加えているものの、なお当時の姿を残す。
「古典的な図書館ですよ」と、古根村さんは笑いながら言った。
古き良き時代の産物として、この古風なスタイルを愛するファンも多いようだ。
なお、県立図書館の建築設計に関しては過去の記事を参照してほしい。
 


県立図書館正面玄関


また、レコードを含む視聴覚資料を貸し出している点も県立図書館の魅力の1つである。
「電器メーカーがレコードプレーヤーの製造を止め始めた頃に、レコードを残そうという呼び掛け運動をやったんです。それに応じて、沢山の方から寄贈していただきました」と、古根村さん。
音楽評論家の野村光一、映画評論家の日野康一、音楽学者の大宮真琴が寄贈したコレクションを含め、約7万枚が所蔵されている。
 


書庫のレコード群は圧巻
 

昭和47年に増築された新館には視聴覚資料室が設けられている。



両図書館で「○○とのタイアップ企画」が熱い

中央図書館では、広告事業を中心とした企業とのタイアップにより利用者の利便性が向上している。
例えば、年に数回開催されている「ヨコハマライブラリーカフェ」は、お茶を楽しみながら最先端の研究者による講演を聞くというイベントだ。振る舞われるお茶は、保土ケ谷区和田の企業、株式会社リタトレーディングが輸入している。同社が提供する有機紅茶「ミトラティー」は、フェアトレード条件で横浜港に輸入されているものだという。
無料で参加できるが、環境への負荷を抑えるためマイカップの持参を求めている。

企業とのタイアップ企画により、企業は広告効果を得られ、また、図書館は利用者に対してより充実したサービスを提供することができる。
 


第6回ライブラリーカフェのパンフレット(画像提供:中央図書館HP)
 

その他、借りた本を入れられる無料袋にも企業との連携が見られる(イオンとのタイアップ袋)


対する県立図書館では県立音楽堂で催される音楽イベントとタイアップする企画、「Mゾーン」が行われている。
イベントでの選曲に応じ、所蔵する資料をリストアップして案内するものだ。「イベントの余韻を楽しみたい方や、改めて聴いてみたいという方のために始めました」とのこと。
音楽堂に隣接し、かつ、貸出し可能な視聴覚資料が充実している県立図書館ならではの企画である。
今年8月に第1回目をスタートさせたこの企画。2回目は既に好評のうちに終了しており、3回目は12月に開催される予定とのこと。選曲をリストアップしたパンフレットは、イベント当日会場にて配布される。
 


Mゾーン第1回目のパンフレット